その2-5
病院開院の当日。
フィリップがティナの元に駆け込んできたのである。
「…料理人の一人が隠し持っていた毒を飲んだ」
そう言い
「助けてもらいたい」
と告げた。
ティナはそれに一瞬沈黙を広げたものの直ぐに
「…案内を」
と言い、アンリエッタを見ると
「アンリエッタ王女」
水を用意してください
と告げた。
アンリエッタは頷くと
「わかったわ」
と答え、フィリップに着いて来ていた兵に
「一緒に運んで頂戴」
と告げ病院の中にある井戸から桶へとポンプを使って入れ始めた。
ティナはフィリップの案内で王宮の一室にある部屋に入り倒れている男を見た。
恐らく先日の毒殺未遂のことで取り調べを受けていたのだろう。
彼女は男の呼吸と脈を確認し
「…確かに呼吸も脈も止っているみたいだわ」
と言い
「嘔吐物はないみたいね」
と周囲を見て、僅かに残っている液体の瓶を見た。
「これに毒が入っていたのね」
フィリップと取り調べていた兵士は頷いた。
ティナは男の瞼を指で開くと
「ろうそくを持って来て」
と告げた。
フィリップは意味が分からず
「え?」
と言ったが、ティナがもう一度言うと兵士に用意させるように告げた。
そこへアンリエッタと兵士が水を持って訪れたのである。
ティナは二人を見ると
「水はそこに置いておいて」
と言い、ろうそくを持ってきた兵士から受け取ると火をつけて男の瞼を開けたままユラユラと動かし、立ち上がると
「残念だけど手の施しようがないわ」
と告げた。
フィリップは驚いて
「だが」
と言いかけた。
が、ティナは息を吐き出すと
「毒に詳しいからと言って毒から必ず命を助けられるなんて思わないで欲しいわ」
と言い、アンリエッタに
「水を用意してもらったのに、申し訳ないけれど病院へ持って帰りましょう」
と告げ、瓶と液体を拭き袋に入れると
「どんな状況で飲んだのか詳しく聞きたいからお話を」
とフィリップを見た。
フィリップは視線を下げて
「わかった」
と答えた。
そこにアルフレッドが駆けつけ
「今聞いたんだが」
と告げた。
フィリップはそれに
「申し訳ない」
取り調べをしていた俺の落ち度だ
と顔を伏せた。
アルフレッドは首を振ると
「いや、元々未遂だった」
取り調べ以前に飲んでいても可笑しくなかったし
「ただこれからは荷物を調べておく必要はあるな」
と告げた。
ティナはアルフレッドに
「それでこの遺体は」
と聞いた。
アルフレッドは息を吐き出すと
「一旦安置所へ移して、どうするかは決める」
家族へ返すかどうか
「未遂事件に関わっている可能性が高くなったからな」
家族も調べる必要がある
と告げた。
ティナは頷くと
「わかったわ」
王はその指示を出して
と言い、フィリップを見ると
「貴方は毒を飲んだ時の状態を聞きたいわ、一緒に来て」
と足を進めた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




