4月ーーシン。新しい日常(後編2)
シン視点
エドさんと別れて酒場を後にした俺は、続いて依頼完了の報告の為にフィリアさんの元へと向かった。
「フィリアさん、ただいま戻りました」
「…………あら。おかえりなさい、シンさん」
「依頼完了の報告をしたいんですけど、大丈夫ですか?」
「はい! 大丈夫ですよ!」
まだ書類作業の途中だろうに、快く頷いてくれる、フィリアさん。
そんなフィリアさんに、俺は今日受けた2件の依頼の詳細を説明していく。
「-ーと。報告は以上ですかね」
「…………はい。報告に不備はありませんね。本日は、依頼を受けていただき、ありがとうございました。こちらが、報酬になります」
本来なら依頼完了の手続きの際には、討伐対象の部位などが必要になるのだが、ギルドから一定以上の信頼を得ている冒険者なら、部位の提出が免除される。
当然、俺も免除の対象だ。報告に不備も無いようで、今回受けた2件の依頼の報酬として、フィリアさんから銀貨9枚を受け取る、俺。
「ありがとうございます、フィリアさん。それでは、俺はこれで失礼しますね」
報告も済んだし、後は商店街で買い物をして、さっさと帰るとしよう。
そう考えた俺は、フィリアさんへの別れの挨拶もそこそこに、踵を返してギルドの出口へ向かおうとしたのだが-ー
「-ーあっ! ちょっと待ってください、シンさん!」
俺が1歩を踏み出す前に、フィリアさんから呼び止められてしまった。
(? 何か忘れてる事でもあったかな?)
疑問に感じつつも、再度振り返る、俺。
そんな俺を出迎えたのは-ーフィリアさんの、どこか拗ねたような視線だった。
…………何だろう? フィリアさんが、視線で俺を責めているのは分かる。分かるのだが…………理由の方はさっぱり分からず、俺は困惑してしまう。
「え、えーと…………フィ、フィリアさん?」
「シンさん。アイリスちゃんの為に、急いで帰りたいのは分かります。ですが、そんなにあからさまでなくても、いいではないですか。私とも、少しお喋りしましょうよ」
「……………………はい?」
フィリアさんが口にした予想外の言葉に、思わず間の抜けた声を上げてしまう、俺。
だが、それも仕方ないだろう? フィリアさんとは、もう6年以上の付き合いになるが、俺達の関係は冒険者とギルドマスター。それ以上でも、それ以下でも無いはずだ。
(……………………いや。最近は、そんな事も無かったか…………?)
たしかに、以前までならそうだったが…………俺がアイリスを引き取ってからは、フィリアさんとの関係が少し変わってきた気がする。
アイリスとフィリアさんが、まるで実の姉妹のように仲が良いからな。その分、アイリスの父親である俺も、フィリアさんと世間話をする機会が増えたのだ。
(…………まあ、それでも、こうして改めて「お喋りしましょう」なんて切り出す事は、俺からもフィリアさんからも無かったよな…………)
そんな風に、困惑のあまり言葉に詰まってしまう俺に構わず、フィリアさんは目だけが笑っていない、器用な笑顔で続ける-ー
「それとも、あれですか? エドさんとはお喋りしていたのに、私とは出来ないのですか?」
「何ですか、その面倒臭い女の人みたいなセリフは!? いったい誰に嫉妬してるんですか、フィリアさん!?」
「ふふふっ。冗談ですよ、冗談」
「…………いや。もちろん、冗談だと分かっていますが…………」
それでも、フィリアさんの口から飛び出したまさかのセリフに、ツッコまざるを得なかったのだ。
(…………っていうか、フィリアさん今、「エドさんとはお喋りしていたのに」って言ったような…………)
もしかして-ー
「あの、フィリアさん…………? もしかして、俺がエドさんと話していたのを、見ていたんですか?」
「はい。それ以前に、シンさんがギルドに入って来た所から気付いて、見ておりましたよ」
「…………なるほど。そういう事ですか…………」
それなら、先程のフィリアさんの言い分も理解できる。
エドさんとはお喋りしたのに、フィリアさんとはお喋りしないとなれば、意地悪なセリフの1つや2つ、言いたくなるだろう。
(…………まあ、そういう事なら仕方ない。フィリアさんとも少しお喋りしていくか)
悪酔いしたエドさんとは違い、俺の事情を理解してくれているフィリアさんなら、すぐに解放してくれるだろう。
そう判断した俺は、フィリアさんに了承の返事を返す。
「…………分かりました。少しで良ければ、お付き合いしますよ」
「-ーえっ!? 本当ですか!?」
「? ええ。…………あっ。ただ、ちょっとだけ待ってもらえますか」
誘ってきた張本人であるはずのフィリアさんが、どうしてそんなに驚いた表情をしてるのか?
不思議に思いつつも、俺は再度頷くが…………とはいえ、このまま立ち話を続けるのも何だな。
俺は、フィリアさんに1度断りを入れると、近くに置かれていた椅子を引き寄せ、彼女の正面-ーカウンターの向かい側に腰掛ける。
と、そのタイミングを見計らい、フィリアさんはしみじみと感慨深げに言葉を紡ぎ始めた。
「…………いやはや。それにしても、本当に変わられましたねぇ、シンさん。今朝もそうでしたし…………今も、以前のあなたなら、このようなお誘いは断って、真っ直ぐ家に帰ってたでしょうに」
なるほど。だからフィリアさんはさっき、あんなに驚いた表情を浮かべていたのか。
それにしても-ー
「…………以前、エドさんとヴィヴィさんも似たような事を言ってましたが…………俺って、そんなに頑固者なイメージなんですか?」
「ええ。そうですね」
おそるおそる尋ねる俺に、即答で返すフィリアさん。
(…………むぅ。本当は、すぐに否定したい所なんだけど…………いろいろと身に覚えがありすぎて、否定出来ない…………)
とはいえ、この話題をこのまま続けても、俺の肩身が狭くなるだけだろう。
バツの悪さを感じた俺は、話題転換のついでに、先程フィリアさんの話しにも出た『今朝』感じた疑問について、尋ねてみる事にした。
「そ、そういえば! フィリアさん、『今朝』で思い出したんですが…………!」
「…………ふふっ。はい。何でしょうか?」
俺のあからさまな話題転換に対しても、何も指摘する事なく、微笑み1つで合わせてくれる、大人なフィリアさん。
俺は、恥ずかしさやら、いたたまれなさを感じつつも、話を続ける。
「今朝の依頼受理の手続きの時に、何だかフィリアさん、凄く嬉しそうにしていましたよね。俺はてっきり、売れ残っていた依頼を全て受けなかった事に、小言を言われてしまうかと思っていたんですが…………」
「…………そうですね。たしかに、シンさんの言う通りです。冒険者ギルド『コノノユスラ』支部のギルドマスター、フィリア・エルルゥとしては、依頼が残ってしまうのは、正直に言えば困り事で-ー頭痛のタネですね」
「うっ…………! す、すいません…………」
フィリアさんから、非難するような目で居すくまれてしまい、俺は反射的に頭を下げる。
「ですが-ー」
「? ですが?」
どうやら、フィリアさんの話しには、まだ続きがあるようだ。
それを察した俺が顔を上げると-ーフィリアさんは、先程までの非難するような視線から一転、優し気な微笑みで俺を見詰めていた。
「ですが-ーシン・シルヴァーさんの1人の友人、フィリア・エルルゥとしては、シンさんの『人間味が薄い』1面に良い変化が見られているようで、とても好ましく思っておりますよ」
「…………ゆ、友人…………です、か…………」
フィリアさんの口から飛び出した予想外の言葉に、俺は呆気にとられて絶句してしまう。
(……………………そうか。俺はフィリアさんとの関係を、冒険者とギルドマスターとしか思っていなかったけど…………フィリアさんは、俺を友人だと思ってくれていたのか…………)
意外に思うものの…………だが、思い当たるフシがあるのも事実だ。
(たしかに、フィリアさんは以前から、他の冒険者と比べて、俺には良くしてくれていると思っていたけど…………)
その理由を、俺がSランクの冒険者だからと思っていたが…………よくよく思い返してみると、俺がこの街に来たばかりの駆け出しの頃から、フィリアさんは俺に親身に接してくれていたように思う。
この街に来たばかりの俺は、強さを追い求める事に手一杯で。フィリアさんが親身に接してくれている事に、気付きもしなかった。
あいつとコンビを組んでからは、心に少し余裕も出来て。時々、『フィリアさん、俺にだけ特別良くしてくれるな』とは感じていたけれど、自意識過剰だと思い、すぐにバカな考えを振り払っていた。
けれど-ー
(……………………そうか。俺の自意識過剰じゃ無かったのか…………)
そうして、無言で物思いに耽っていたのがイケなかったのだろう。
先程まで優しく微笑んでいたフィリアさんの表情から笑顔が消え、悲しそうに俯いてしまう。
「……………………分かっています。シンさんは私を、友人だなんて思っていませんよね。シンさんにとって私は、冒険者とギルドマスター。それだけでしかないって、分かってはいるんです…………」
「ち、違っ-ー」
悲しそうに呟くフィリアさんの言葉を、俺は反射的に否定しようとしたけれど…………出来なかった。
だってそれは、その場しのぎの嘘でしか無かったから。俺と長い付き合いのフィリアさんなら、俺の嘘を見抜いてしまうだろう。
ならば、ここで嘘を吐いて否定した所で、意味なんか無い。
それなら、本当の事を言おう-ー
「そうですね。俺は今まで、フィリアさんを友人だなんて思った事はありません」
「…………そう、ですよね…………」
「だから-ー今この瞬間から、フィリアさんを友人だと思ったら、ダメですか?」
「-ーえ…………!」
俺の言葉を受けて、先程まで俯かせていた顔を上げる、フィリアさん。
そんなフィリアさんに、今度は俺から、ある誘いをかける。
「さしあたっては、先程エドさんと話している時に、ヴィヴィさんも交えて、近いうちにお酒を飲む約束をしたんですが…………フィリアさんも、一緒にお酒を飲みませんか?」
「-ーえっ!? シンさんが、お酒をですか!?」
俺からのお酒のお誘いを受けて、驚愕に目を開く、フィリアさん。
どうやら、あまりの驚きに、先程の悲しみが吹き飛んでしまったようだ。
(まあ、フィリアさんのあのとんでもない驚きようも、理解出来るけどさ…………)
お酒は体にも悪いし、酔えば思考も鈍ってしまう。
そう断じた俺は、これまで頑なに、1滴たりともお酒を飲まなかったからな。
だが、約束したのは事実なので、俺は自信を持って「はい」と頷くが-ー次の瞬間、はたと気付いた。
「あっ…………。でも、ギルドマスターであるフィリアさんが、冒険者とお酒を飲むのはマズイですかね?」
ギルドの職員は、冒険者には平等に接しなければならない。
たしか、そんな暗黙のルールがあったはずだ。
だが、俺の心配をよそに、フィリアさんは不敵に微笑んでみせる。
「ふふふっ。何を言っているんですか、シンさん。そんなの、今更ではないですか」
「…………まあ、たしかにそうですね」
「それに、私はこのギルドのトップですよ。誰にも文句なんて言わせません」
「はははっ。何ですか、それ。職権乱用じゃないですか」
「ふふふっ。…………ええ! 職権乱用ですとも!」
俺の指摘を受けても一切悪びれる事なく、あまつさえフィリアさんはふんぞり返ってみせた。
そうして、俺達はしばらくの間2人して笑い合い-ーそして、お互いの笑い声が止まったタイミングで、俺はフィリアさんへと右手を差し出す。
「それでは、改めて-ーフィリアさん。これからも、冒険者とギルドマスターとして、よろしくお願いします。そしてこれからは、友人としても、よろしくお願いしますね」
「ええ! こちらこそ、よろしくお願いします、シンさん!」
そうして、俺とフィリアさんは固い握手を交わす。
ふと見ると、フィリアさんの目尻に涙が滲んでいた。
だが、フィリアさんの表情には満面の笑みが浮かんでいるので、それは決して悪い涙では無いのだろう-ー
…………
……………………
…………………………………………
今度こそ冒険者ギルドを後にした俺は、エドさんやフィリアさんと話した事で生じた遅れを取り戻す為、ギルド近くの商店街にて、大急ぎで買い物を行っていた。
「-ーよし! こんなものかな!」
肉屋や魚屋、八百屋やパン屋を回り、今日の夕食を含めた2~3日分の食材を購入した。
『収納』があるから、荷物が一杯になる心配は無いからな。本当は、もっと沢山の食材を買いたいのだが…………いくら冷蔵庫の魔道具があるとはいえ、これ以上は鮮度が心配だ。
(万が一にも、アイリスのお腹を壊す訳にはいかないからな!)
まあ、これから2~3日は、買い物に行く必要が無いという事だからな。
その分、アイリスと過ごす時間が増える訳だし、それでよしとしよう。
(さて、今の時間は…………6時ちょっと過ぎか。よし! 急いで帰るか!)
この時間なら、6時半までには家に帰れそうだ。
そう判断した俺は、沢山の人で賑わう商店街の中を早歩きで移動しながら、出口を目指す。
(本当は走りたい所なんだけど…………この人混みの中で走ったら、迷惑になってしまうからな)
そうして、早歩きで移動すること数分。商店街の出口が見えてきた。
俺はこのまま、商店街を出るつもりだったのだが-ー
(-ーん?)
視界の端にふと、いつもは見慣れない物が映った為、俺は足を止める。
(あれは…………のぼりか。なになに『新商品始めました』?)
のぼりが出ていたのは、洋菓子店『ジュエリーボックス』。
以前、アイリスと一緒に訪れ、シュークリームや誕生日にイチゴとチョコのケーキを買った、ケーキ屋さんだ。
(新商品か…………ふむ。寄るだけ寄ってみるか)
のぼりに書かれている新商品が気になった俺は、ケーキ屋さんへと足を向ける。
「-ーあっ! シルヴァーさん、いらっしゃいませ!」
店頭のショーウインドーに並んだ商品を眺めていると、すぐに俺の存在に気付いた店員さんが声をかけてきた。
(しかし、相変わらずSランク冒険者のブランドは凄いな。こんな、冒険者とは何の縁もなさそうなケーキ屋の店員さんまで、俺の名前を知ってるんだもんな)
とはいえ、やはり冒険者と縁が無い事に変わりはない。
他の冒険者やギルド職員なら、俺を見てコソコソ噂話をしたり、萎縮してしまうものだが、このケーキ屋の店員さんを始め商店街で店を営んでいる人には、それが無い。
(むしろ、気さくに接してくれるからな。俺としても、気楽に話せて、ありがたいよ)
そんな事を考えつつ、俺は店員のお姉さんへと声をかける。
「こんにちは。『新商品始めました』って書かれたのぼりを見て来たんですが-ー」
「ああ、はいはい! 新商品ですね。…………ジャーン! こちらの、ミルクレープになります!」
どうやらこのお姉さん、かなりノリが良い人みたいだ。
「いやー! 以前シルヴァーさん、うちの商品を買ってくれたじゃないですか。それで、『Sランク冒険者シン・シルヴァー行きつけの店』って評判になりましてね! おかげで、ここ最近売り上げが良くて…………こうして、新商品を出せるようになったんですよ!」
その上このお姉さん、かなり強かなようだ。まさか、Sランク冒険者のブランドを利用するとは…………。
まあ、それはともかく、俺はお姉さんが指し示す先を見る。そこには、1つのケーキが置かれていた。
クレープ生地とクリームの層が幾重にも交互に折り重なっているようで、カットされた断面が実に美しい。
「へぇ~。キレイなケーキですね」
「でしょ! でしょ! どうです? 娘さんのお土産に、買っていかれませんか?」
俺は過去に2回、アイリスと一緒にこのケーキ屋さんを訪れている。
その時はアイリスはまだ、俺を「シンさん」と呼んでいたはずだが…………どうやら、冒険者だけでなく、商店街の中にまで俺とアイリスの関係は広まっているらしい。
まあ、それはともかく-ー
「…………うーん。どうしようかな…………」
普段の俺なら、アイリスへのお土産と言われたら、即決で購入していただろうが…………今回は腕を組んで、悩む素振りを見せる。
「そう言わず! サービスしますから、買って行きましょうよ! ねっ! ねっ!」
このお姉さん、大分押しが強い。まあ、俺が買えば、更に評判が広がるからだろうが…………。
まあ、それが嫌な訳では無い。むしろ、そういうなりふり構わない姿勢は好きだ。
が、俺には、購入を渋る理由があった。それは-ー
「…………いえ。以前俺、ここでイチゴとチョコのケーキを、ホールで買ったじゃないですか。勢いで買ったのはいいですけど…………あれ、俺と娘の2人では、食べきるのに3日かかりましてね。おかげで、何というか…………俺も娘も、しばらく甘い物はいいかなーって感じになってまして」
店員のお姉さんへと説明しながら、『じゃあ、なんでケーキ屋に来たんだ』と自分でも思ったが…………何となく足が向いたとしか、言いようがなかった。
だが、俺の支離滅裂な説明を聞いても、お姉さんは気分を害した様子は見せず、むしろ笑顔を浮かべる。
「そういう事なら、ご安心ください! 実はこのミルクレープ、クリームの層にフルーツが入っておりまして、果物の酸味が良い具合に甘さを和らげてくれますよ」
「え? …………あっ、本当だ」
1つ1つの層がとても薄いので気付かなかったが、よく見れば確かに、クリームの層に小さくカットされたフルーツが入っている。
入っているのは、イチゴにキウイにパイナップル。どれも酸味が強いフルーツで、店員のお姉さんの言うように、ケーキの甘味を和らげてくれるだろう。
「まあ、そういう事なら…………じゃあ、俺と娘の分で、ミルクレープ2つ下さい」
「はい! まいどあり~! です!」
そうして、店員のお姉さんに背中を押してもらった俺は、アイリスへのお土産として、ミルクレープ2つを購入したのだった-ー
…………
……………………
…………………………………………
ケーキ屋さんでミルクレープを購入した後、俺は今度こそ商店街を出て、家への帰路に着いていた。
俺は現在、ミルクレープが入った箱のみを手に持っている。商店街で買った他の商品は全て、『収納』に仕舞っているのだが…………どうしてかこれだけは、『収納』には仕舞わず、直接手に持ちたいと思ったのだ。
「…………ふふふっ。アイリス、喜んでくれるかな~」
ミルクレープが入った箱を顔の高さまで掲げた俺は、かわいい愛娘が喜ぶ姿を想像して、1人でニヤニヤと微笑む。
(何だか、店員のお姉さんに勧められるまま、勢いで購入してしまった気もするけど…………でも、1人で留守番しているアイリスの寂しさを紛らわす意味では、良いサプライズプレゼントになったかもしれないな)
これを受け取ったアイリスは、一体どんな反応をするのだろう?
(きっと、最初は凄く驚いて…………だけど、すぐに満面の笑みになって、「ありがとう、お父さん!」ってお礼を言いながら、俺に抱き着いてくるのかもしれないな)
そんな親バカ全開な事を考えつつ、俺は足取り軽やかに家を目指す。
だけど-ーどうやら俺とアイリスは、かなりの似た者親子だったらしい。
俺だけで無く、アイリスもサプライズプレゼントを用意していて-ー
結局、俺の方がアイリス以上に笑顔になって、俺の方から「ありがとう、アイリス!」とお礼を言って、かわいいかわいい愛娘を抱き締める事になるのだった-ー
~4月編 あとがき~
アイリス視点2ページに対し、シン視点が6ページと圧倒的に多くなってしまいました。
『新しい日常』というタイトルである以上、アイリスよりもシンと方が変わった点が多いので…………。
次の5月編では、アイリス視点の話も増やす予定です。




