お別れ
君の瞳が 君の声が 君の手が 君の唇が
僕に愛を教えてくれた
あの頃の僕は 全てが君色に染まって見えて
君以外のものには 全くの意味も感じられなかった
これが 全てだと思っていた
この気持ちに偽りは無いと 信じていたのに…
結局のところ 僕等は幼すぎたんだ
何も知らない 子供だった
世界が 自分達を中心に回っているなんて 自惚れてた
君が突然 僕の前から消えた時 僕の命は一度途絶えてしまったんだよ
僕は一度 死んでしまったんだ
それほど 君の存在は 僕にとって 絶大なものだった
心に開いた 大きな穴
自分では治せない 深い穴
たとえ 石を投げ入れたとしても 音の聞こえる事の無い 巨大な穴
それを君は 一瞬にして創り上げた
君は凄いや 僕にはこんな物 作れない
時に 穴を睨んでみた
時に 穴に向かって 叫んでみた
時に 穴の淵で 泣いてみた
でも 何も変わりはしないんだよ
それどころか もがけばもがくほど きっと穴は大きくなっている
だから 僕は決めた
今日で 最後にしよう
一日中 枕を濡らすのも
体に 栄養を与えないのも
まわりの皆を 不安にさせるのも
悪い方にばかり 考えちゃ駄目だ
明るく 良い方に考えよう
僕は これからどんどん 大人になっていく
そうすれば いろいろ 見えてくるはずだし
いつかは この事も 笑って誰かに話せるように なるかもしれない
そして 時が来れば
この穴をすっぽり埋めてくれるほど 大きな星が 僕にも降るかもしれない
君は 僕に教えてくれたよね
「笑顔は 神様が一番好きな 表情なんだよ」って