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そんなつもり無かったら、何をやっても良いのなら

作者: 井上さん
掲載日:2026/03/17

名前借りました。


名前の由来が分かった方、お仕事お疲れ様です

 とある夜会。


「コントラ!俺と婚約破棄してくれ!」


 会場のど真ん中で、私の婚約者のプローブが言った。


「どういう事ですか?」


 私は冷静にプローブを見た。


「コントラには、悪いと思っている。でも、そんなつもり無かったんだ。ただ真実の愛を見つけてしまったんだ!」


 自分に酔っているプローブは、周りの目を気にしていない。物語の主人公にでもなった気分で、自分の世界に陶酔している。

そんなんで、侯爵家を継げるのか?


「そんなつもり無かったのに…愛してしまったの」


 浮気相手の男爵令嬢のエキスカが、プローブの腕に絡みつきながら言った。


「侯爵家と男爵家では身分が違うわ」


 とりあえず、当たり前の事を言ってみる。


「真実の愛があれば、身分なんて関係無い!」


 はい!言質取った!フラグ立ちましたよ!!!!!


「婚約破棄するなら、浮気したそちらが有責なので慰謝料払ってください」


 私は冷静に言った。


「何を言っているんだ!浮気するつもりも無かったし、婚約破棄するつもりも無かったんだ。有責なんて酷いじゃないか!そんなつもり無かったんだから、慰謝料払わなくても良いだろう!」


「そうですよ!貴方とは政略結婚で愛は無かったんだから、真実の愛の相手の私達の為に身を引くのが当たり前です」


 暴論である。それが通るなら、皆浮気するね。

さて、それなら計画を実行しよう。


「もう既に婚約は解消されています」


「「は!?」」


 私の言葉に、プローブもエキスカも驚いた。


「貴方が浮気しているのは分かっていましたから、両家話し合いのもと、婚約解消されています」


「そ…そうか…なら慰謝料もいらないな」


 そんな訳あるか。


「ちなみに、貴方は廃嫡されました」


「何だと!?」


「そんなつもり無かったんです。ただ、私と婚約する事が跡継ぎの条件だったので、私と結婚するつもりの無い貴方は跡継ぎからは除外されたんです。そんなつもり無かったのに…」


 私は、わざとらしく『そんなつもり無かった』を強調した。


「何を言っているんだ…?」


 プローブが困惑した顔をする。


「兄上…そんなつもり無かったんだ!ただ、コントラとの政略結婚は絶対だったから、僕が婚約する事になったんだ…そして、僕が跡継ぎになったんだ…そんなつもり無かったのに…ごめんね兄上」


 プローブの弟のヘーベルも、『そんなつもり無かった』を強調した。


「はぁ!?」


「そういう訳で、真実の愛を貫いてください。では」


 私が話を終わらせようとすると


「ま、待て!婚約は続けよう!俺が間違っていた」


 プローブが叫んだ。


「もう手続きは終わったので、無理ですよ」


「そんな…!」


「それに、貴方達は既に婚約していますよ」


「何だって!?」


「私…浮気されて悲しくて、男爵家に抗議に行きました。そんなつもり無かったのに、男爵様は、娘は勘当しますと言ってくださいました。そんなつもり無かったのに…」


 私の言葉に続け、ヘーベルも言う。


「浮気の責任を取って、兄上と男爵令嬢は婚約した。それから、コントラに2人それぞれ慰謝料を払う事も決定している」


「「そんな…!」」


 プローブとエキスカが、愕然としている。


「廃嫡されて、仕事も決まっていないから平民確定のプローブと、勘当されて平民になったエキスカ、これで心置きなく結婚できますね」


「待ってくれ…」


「真実の愛があるから身分なんて関係無いんですよね?」


 イェイ!フラグ回収来た〜〜〜!!!


「そんなつもり無かったんだ…」


「あら、私もそんなつもり無かったんですよ。でも、真実の愛を見つけたお2人の為に身を引くのが当たり前なのでしょ?私は身を引きますので、どうぞお幸せに!」


 言われた事を倍返しした私とヘーベルは、2人を置いて会場を出た。


 そんなつもり無かったのに、浮気男と別れ、誠実な婚約者ができた。

そんなつもり無かったのにね〜。

 めでたしめでたし、一件コンプリートですわ。


読んでいただきありがとうございます

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