そんなつもり無かったら、何をやっても良いのなら
名前借りました。
名前の由来が分かった方、お仕事お疲れ様です
とある夜会。
「コントラ!俺と婚約破棄してくれ!」
会場のど真ん中で、私の婚約者のプローブが言った。
「どういう事ですか?」
私は冷静にプローブを見た。
「コントラには、悪いと思っている。でも、そんなつもり無かったんだ。ただ真実の愛を見つけてしまったんだ!」
自分に酔っているプローブは、周りの目を気にしていない。物語の主人公にでもなった気分で、自分の世界に陶酔している。
そんなんで、侯爵家を継げるのか?
「そんなつもり無かったのに…愛してしまったの」
浮気相手の男爵令嬢のエキスカが、プローブの腕に絡みつきながら言った。
「侯爵家と男爵家では身分が違うわ」
とりあえず、当たり前の事を言ってみる。
「真実の愛があれば、身分なんて関係無い!」
はい!言質取った!フラグ立ちましたよ!!!!!
「婚約破棄するなら、浮気したそちらが有責なので慰謝料払ってください」
私は冷静に言った。
「何を言っているんだ!浮気するつもりも無かったし、婚約破棄するつもりも無かったんだ。有責なんて酷いじゃないか!そんなつもり無かったんだから、慰謝料払わなくても良いだろう!」
「そうですよ!貴方とは政略結婚で愛は無かったんだから、真実の愛の相手の私達の為に身を引くのが当たり前です」
暴論である。それが通るなら、皆浮気するね。
さて、それなら計画を実行しよう。
「もう既に婚約は解消されています」
「「は!?」」
私の言葉に、プローブもエキスカも驚いた。
「貴方が浮気しているのは分かっていましたから、両家話し合いのもと、婚約解消されています」
「そ…そうか…なら慰謝料もいらないな」
そんな訳あるか。
「ちなみに、貴方は廃嫡されました」
「何だと!?」
「そんなつもり無かったんです。ただ、私と婚約する事が跡継ぎの条件だったので、私と結婚するつもりの無い貴方は跡継ぎからは除外されたんです。そんなつもり無かったのに…」
私は、わざとらしく『そんなつもり無かった』を強調した。
「何を言っているんだ…?」
プローブが困惑した顔をする。
「兄上…そんなつもり無かったんだ!ただ、コントラとの政略結婚は絶対だったから、僕が婚約する事になったんだ…そして、僕が跡継ぎになったんだ…そんなつもり無かったのに…ごめんね兄上」
プローブの弟のヘーベルも、『そんなつもり無かった』を強調した。
「はぁ!?」
「そういう訳で、真実の愛を貫いてください。では」
私が話を終わらせようとすると
「ま、待て!婚約は続けよう!俺が間違っていた」
プローブが叫んだ。
「もう手続きは終わったので、無理ですよ」
「そんな…!」
「それに、貴方達は既に婚約していますよ」
「何だって!?」
「私…浮気されて悲しくて、男爵家に抗議に行きました。そんなつもり無かったのに、男爵様は、娘は勘当しますと言ってくださいました。そんなつもり無かったのに…」
私の言葉に続け、ヘーベルも言う。
「浮気の責任を取って、兄上と男爵令嬢は婚約した。それから、コントラに2人それぞれ慰謝料を払う事も決定している」
「「そんな…!」」
プローブとエキスカが、愕然としている。
「廃嫡されて、仕事も決まっていないから平民確定のプローブと、勘当されて平民になったエキスカ、これで心置きなく結婚できますね」
「待ってくれ…」
「真実の愛があるから身分なんて関係無いんですよね?」
イェイ!フラグ回収来た〜〜〜!!!
「そんなつもり無かったんだ…」
「あら、私もそんなつもり無かったんですよ。でも、真実の愛を見つけたお2人の為に身を引くのが当たり前なのでしょ?私は身を引きますので、どうぞお幸せに!」
言われた事を倍返しした私とヘーベルは、2人を置いて会場を出た。
そんなつもり無かったのに、浮気男と別れ、誠実な婚約者ができた。
そんなつもり無かったのにね〜。
めでたしめでたし、一件コンプリートですわ。
読んでいただきありがとうございます




