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冒険者の報告書  作者: 人生迷走グミ
冒険者たちの報告書
14/18

報告者:『紅鎖の戦斧士』ガルドラン・ヴォルク 5枚目

*【内部監査任務報告書(極秘)】*


報告者:『紅鎖の戦斧士』ガルドラン・ヴォルク

(B級戦士/ゴールドランク/Lv57/ブルズハウンド傭兵団出身/独立登録/保守派)


日付:星暦1028年、第十の月〈灰風期〉22日目

任務:バルハーン冒険者ギルド内部監査・禁呪流通関連調査(極秘)/A級危険度

依頼主:ギルド本局監査部(表向き)/上級評議会特命(裏命)

提出先:特命監察官局(閲覧制限レベル:紅)




*同行者*


* 元監査官:『白筆の記録者』レミオ・ヴァルター

(B級, ゴールド, Lv49, ギルド監査部, 中立派)


* 追跡術士:『風痕の解析士』カナ・ジルフェル

(C級, シルバー, Lv36, 情報課, 中立派)



*任務概要*


“砂影商環”壊滅後、押収物からギルド幹部名義の取引用印を発見。

内部不正の可能性あり。調査権限は監察官局より発令。

任務内容:対象幹部の資金流入経路・関係者の洗出し・証拠確保。

報酬:9000金貨(成功報奨)+階級昇格推薦(特命成功時)。




*経過詳細*


1. 調査開始(第六刻)

 監査部の文書庫より旧規格印章の登録台帳を照合。

 対象一致:副評議員“グラン・リデル”及び訓練課長“モーゲン・セリス”。

 両名とも“若手育成プロジェクト”を主導中。



2. 夜刻・内部潜入

 レミオと共に北棟保管庫へ侵入。

 金庫内に“禁符売買契約書”および“収益分配記録”を確認。

 署名:グラン・リデル本人。

 同時に、守衛2名による襲撃を受け応戦、1名重傷拘束。

 拘束者の証言により、“訓練院供給ルート”への禁呪混入が判明。



3. 翌刻・摘発

 上級評議会への証拠提出。

 グラン・リデルは自室で服毒死。

 モーゲン・セリス逃走。追跡班へ引継ぎ。



*成果*


・ギルド幹部による禁呪流通の実態を証明。

・主要容疑者1名死亡、1名逃亡中。

・押収物:[禁符売買契約書]1通、[収益記録台帳]1冊、[旧王国印章]2個。

・報酬:9000金貨。



*所見と提言*


ギルド上層における金銭腐敗は、長年の権限集中による構造的問題。

禁呪流通は単なる犯罪ではなく、“改革派”の資金源であった可能性が高い。

監査権限の拡大、および各支部の財務独立を提言する。

現場の冒険者を信頼せよ。紙の上では、戦場は守れぬ。


署名:『紅鎖の戦斧士』ガルドラン・ヴォルク


=====================



*【日誌】*


日付:星暦1028年、第十の月〈灰風期〉22日目

場所:バルハーン街外れ・酒場「灰の匙」裏席

記録者:ガルドラン・ヴォルク



リデルの死体はきれいだった。

毒で逝ったとは思えねぇほど、安らかな顔をしてた。

……それが腹立たしかった。


あいつは俺たち古参を「時代遅れ」と呼びやがった。

だが、そいつが売ったのは“人の魂”だ。

禁呪で人を壊して、金を積んで、笑って死んだ。

それでも“改革者”のつもりでいやがった。


レミオが言った。「腐ってるのは人じゃない、仕組みです」

俺は笑ったよ。仕組みを動かしてるのは誰だ?

机の上で世界を描く奴らか、血の上で生きてる奴らか。


今夜の酒は鉄みてぇな味がする。

喉が焼ける。けど、それがいい。

斧の刃も磨いた。血を流したら、また研がなきゃならねぇ。

それが俺の償いでもある。


訓練院のガキどもには、このことは話さねぇ。

夢を潰すのは早すぎる。

だがいつか気づくだろう。英雄もギルドも、

中身は人間だ。――綺麗じゃねぇ。


風が吹いて、窓が鳴る。

夜が長い。

だが、俺は寝ねぇ。

モーゲンの首を取るまで、眠る気はねぇ。


記録了/灰風期・最終刻

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