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冒険者の報告書  作者: 人生迷走グミ
冒険者たちの報告書
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報告者: 『氷撃の槍士』ガルド・アイスベイン

*【討伐報告書】*


報告者: 『氷撃の槍士』ガルド・アイスベイン

日付: 星暦1026年、第一の月の氷環期3日目

任務: 北方山脈「蒼氷洞」の異常魔力調査/C級

依頼主: 北境警備団副団長レイナ・グラディウス

提出先: フロストヘイム冒険者ギルド


*パーティーメンバー*

槍士: 『氷撃の槍士』ガルド・アイスベイン

(C級, ゴールドランク, レベル46, フロストランサーズ, 保守派, 報告者)

星術師: 『冷星の分析家』ゼン・ナイトスカイ

(D級, シルバーランク, レベル28, スターウォッチャーズ, 派閥なし)

魔獣使い: 『獣の盟友』フィン

(D級, シルバーランク, レベル38, ワイルドビーストホール所属, 魔獣派)

僧侶: 『聖光』エリン

(D級, シルバーランク, レベル50, ゴールドエクスチェンジ所属, 商人派)

弓手: 『霜羽の狩人』レイラ・スノーウィング

(D級弓手, シルバーランク, レベル30, フロストウィンド所属, 派閥なし)


*任務概要*

北方山脈「蒼氷洞」にて検出された高密度魔力の源を調査、周辺村落への被害を防止する。

報酬は3200金貨、スキル「氷耐性+1」、称号「北境の守り手」。依頼は警備団発、危険度C+相当。


*請負成立経緯*

北境警備団よりギルドに通達。異常魔力が雪嵐を狂わせているとの報告。

ギルド本部の推薦でフロストランサーズより私が指名され、ゼンとエリンを指名招集。フィンとレイラが現地合流、合同調査パーティーとして編成。


*経過詳細*

1. 氷洞入口 (曙光の刻)

入口付近で強風による視界不良。ゼンの星術で地脈の乱れを検出。フィンの魔獣〈ウーガ〉が氷狼群を追い払い、安全を確保。レイラが足跡を追跡し、氷の裂け目を発見。戦利品: [氷狼の牙](素材)。


2. 氷洞中層 (白昼の刻)

中層にて“氷晶虫”の群れと交戦。槍の一突きで十を貫き、エリンの神聖術で冷気障壁を中和。ゼンが氷晶波の異常振幅を解析、魔力源が洞奥にあると断定。戦利品: [氷晶の欠片]3個(素材: 防具冷気耐性強化)。


3. 氷洞最深部 (宵の刻)

“氷竜の幼体”が出現。推定ランクB。

ゼンの星術により魔力結晶の共鳴を抑制、レイラの弓が右目を射抜き、フィンの魔獣が脚を拘束。

私の氷槍〈グレイシャルピアス〉で心核を貫き、撃破を確認。戦闘終了後、洞窟天井から青光の流出。ゼンが分析、「古代魔導炉の余波」と推定。結晶を採取し退避。


*成果*

氷竜幼体の討伐成功、[氷晶の欠片]3個、[氷狼の牙]2本、[氷竜の鱗]1枚を回収。

報酬: 3200金貨、スキル「氷耐性+1」、称号「北境の守り手」。

全員+2400EXP獲得。ゼン→Lv29、レイラ→Lv31、フィン→Lv39。〈回復ポーション〉2個消費。


*所見と提言*

氷洞の異常魔力は一時的安定。氷竜の出現は古代魔導炉の再活性が原因と思われる。

星術師ゼンの分析精度は高いが冷静すぎる。フィンの獣は統制を強化せよ。

次回調査はB級以上のパーティーを推奨。(117字)

署名: 『氷撃の槍士』ガルド・アイスベイン


=====================


*【日誌】*


日付: 星暦1026年、第一の月の氷環期3日目

場所: フロストヘイム街、酒場「氷の杯」にて


タイトル: 氷竜の心臓は、まだ冷えている


北境警備団からの呼び出しで、久々の本格任務だ。

ギルドが推薦してきた面子を見てため息をついた。ゼンは学者気質、フィンは獣みたいな奴、エリンは神聖を金勘定で測る。

だが現場は選べない。凍った山は容赦しない。


洞窟の入口は凍風で皮膚が裂けるほど。ゼンが星図を描き、地脈の乱れを読む。あいつの分析は信用できる。

フィンの魔獣〈ウーガ〉が氷狼を蹴散らし、レイラが滑り込むように矢を放つ。冷気で息が凍る。

洞窟中層、氷晶虫の群れ。俺の槍が氷を砕き、エリンの聖光が炸裂。ゼンが呟く。「共鳴波が…狂っている。」その声に少し寒気がした。


最深部。

そこにいたのは――幼体とはいえ、確かに“竜”だった。

翼はまだ生えきっていなかったが、吐息一つで空気が凍った。

戦闘は長く、重かった。ゼンの術式が空を光らせ、レイラの矢が竜の目を貫き、俺の槍が胸を突き破った瞬間、蒼光が弾けた。

竜の心臓は、冷たく鼓動していた。まるで“まだ死んでいない”みたいに。


洞窟の奥には青く輝く結晶炉。ゼンが言った。「古代魔導炉だ。動いている。」

俺は答えなかった。ただ、あの竜の血が足元の氷を溶かしていくのを見ていた。

あれは“自然”じゃない。どこかで誰かが、この氷を蘇らせようとしている。


報酬は受け取った。金もスキルも称号も手に入った。

だが胸の奥はまだ冷たい。あの心臓の鼓動が、耳の奥で止まらない。

──氷の下で、何かが目を覚まそうとしている。


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