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第14話 正式加入と八咫烏集結

能力覚醒訓練から二日後⸺。

八咫烏本部の構造にも慣れてきた頃、私は本部の奥にある頭領室へ呼ばれていた。


ここは八咫烏にとって特別な場所であり、重要な儀礼や会議が行われる厳かな空間だった。

黒と朱を基調とした室内には、静寂と緊張感が張り詰めている。

中央には漆黒の円卓が据えられ、その周囲には既に数名が立っていた。

絢華さん、凛子さん、一鉄さん、桔梗さん、そして煌さん。

見慣れた顔ぶれだが、その奥には見知らぬ三人が立っていた。

紫苑さんが円卓の奥に立ち、私を真っ直ぐに見据える。


「──能力覚醒訓練、上出来だった。」

その声は冷たくもあったが、どこか柔らかさが滲んでいた。

「今日この場にお前を呼んだのは他でもない。」

紫苑さんは一歩前に出て、私を見据える。

「天音、これまでの訓練と覚醒の結果をもって……」

一拍置き、その声が頭領室に響いた。


「お前を正式に“八咫烏”の一員として迎え入れる」


胸が震えた⸺。

心臓が跳ね上がり、息が詰まる。

必死に込み上げるものを堪え、私は深く頭を下げた。

「……ありがとうございます。」

紫苑さんは静かに続けた。

「そして、まだ紹介していなかった者たちがいる」

紫苑さんが円卓の奥側に立つ三人へ視線を向ける。


「《水輝》想像したものを具現化する能力を持つ、剣士だ」

銀色の髪を無造作に結んだ青年は、優しげな微笑みを浮かべていた。

その瞳には静かな光が宿り、私に向かって軽く会釈をする。


「《八雲》空間移動を得意とする、双剣使いだ」

長い前髪で片目を隠した青年は、無言で壁に背を預けている。

薄い笑みを浮かべるが、その奥の瞳は鋭く冷たかった……。


「《千歳》予知能力を持つ」

淡い栗色の髪を編み込んだ少女は、私を見つめると小さく笑った。

その微笑みは柔らかく、どこか儚げだった。

(これで……全員……。)

紫苑さんは私へ向き直る。

「そして──」

紫苑さんはさらに一歩近づき、真っ直ぐに私を射抜くように見つめた。

「あらためて、名乗る……。」


静寂が落ちる。

紫苑さんの声が低く響いた。

「俺はこの“八咫烏”を統べる頭領だ。」

息が止まるほどの衝撃だった。

紫苑さんが……頭領……。

紫苑さんは淡々とした表情で言葉を続けた。

「頭領だからと言って、無理に態度を変える必要はない……だが、俺の命令には従え……いいな?」

「はい……」

「……これからお前には初任務を与える、内容は追って説明するただ──」


鋭い瞳が私を射抜く⸺。

「ここからが本当の始まりだ、覚悟しておけ」


震える手で、私は紫苑さんに渡された黒い袋を胸に抱きしめた。

袋の中には、自分専用の戦闘服──黒地に朱の紋が刻まれた八咫烏の装備が収められている。


(私は……ここで生きる。

八咫烏の一員として……。)


胸の奥に、小さく確かな熱が宿った⸺。


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