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3人と1体の物語  作者: 端くれのぬん
第1章「前置き」
4/7

古い記録 後日談

産まれた時から耳が聞こえず、目も見えない人の脳内では、どのような言語で情報が処理されるのか。




ブログを投稿して暫くした日、先輩から連絡が来た。「俺の友人がバリおもろい事になってその原因追っかけるの付き合え」どのとこだ。嫌すぎる。あの人と関わるとろくな事にならない、だが気になってしまったので付き合うことにする。


……………………………………………………。



本題だが、結果から先に言うと今回の件と先輩の友人の件は全くの別物であった。ここから先は日記や報告書のようなものとなる




〇月✕日

先輩と合流し、予め先輩が探し出していたある怪奇現象の被害者との日程や予定を教えてもらった。どうやら被害者の方で急用が入り今日ではなく明日合流するとの事だった。


俺は先輩と近くのホテルで泊まり、予め買っておいたカップ麺で腹を満たし、明日に備える事にした。




〇月△日

今日は被害者の方の話を聞いた。被害者は1人かと思っていたが実際は両親と共に暮らしており、数ヶ月前に土地を買い引っ越したそうだ。その土地に引っ越してからというもの、ある怪奇現象に悩まされていたらしい。


その怪奇現象というのが少しややこしく、1ヶ月に1回、3人の記憶がその日の分だけシャッフルされるというもので、例えるなら母親の記憶が「洗濯した後、視界が少しの間暗くなり、休み時間中に移動教室まで移動して、また視界が少しの間暗くなり、パソコンを開いて業務を終わらせる」という感じになるらしい。定期的に視点が暗くなるのは恐らく時差の調整、もしくはゲームなどである接続中の事であろう。


俺もストレス解消にFPSをしているが、自分が倒されると観戦中になり、他のプレイヤーの視点が見れるようになるのだが、時々処理が追いつかずに視点が真っ暗になり接続中となる。これと似たような事なんだろう。


この話を聞いたあとは近くのレストランで腹を満たし、ホテルに戻り眠りについた。




〇月〇日

俺もこの夢を見たがこれは昨日話を聞いて脳が処理している時に起きた物だろう。夢というのはあらゆる所から入ってくる情報を脳が処理している時に見えてしまうものらしいしな。先輩も珍しく夢を見て、その内容も俺と同じようなものだったらしい。




〇月□日

おかしい。また昨日と同じように記憶がシャッフルされた夢を見ている。先輩も同様なようだ。珍しい話を聞いて脳に変に癖でもついてしまったのか?この夢は視点が暗くなるから戦闘で負けた気分になってあまりいい気にならないんだよ。今日こそは。




〇月▽日

なんなんだこの夢、今回は真っ暗で何も無いかと安心したら最後の最後で眠りにつく記憶が出てきやがった。どんだけ接続が悪いんだよって感じだ。先輩も見続けているのに特に言及する訳でもなく頭を悩ましている時間が増えただけだ。先輩はメンタル強すぎる。


それに何かおかしい、1ヶ月に1回のペースでは無かったのか?あの親子からの連絡は一向にない。俺と先輩だけなのか?なんなんだ。




〇月✕日

ある時ある話を思い出した。昔YouTubeのショート動画で流れてきたよくある考えたこと無かった疑問をまとめたようなショート動画。その疑問のひとつにこんなものがあった。「産まれてから視覚、聴覚を失っていたら、その人の脳内で処理される情報はどのような言語で扱われるのか、何語を喋るのか」という物。


当時俺は「くだらない」と思い上にスクロールしたが、なんとなくこの話は何かしら似たような感じがする。




〇月◁日

先輩が「科学的根拠なんて無いが真相が分かった。着いてこい」とやけに真面目な顔で言ってきた。あそこの家の3名と先輩と俺、この5人で記憶がシャッフルされているのは事実だが、暗い時間はなんだったのか、それについて先輩は「暗い所にいる記憶を見ているのではないか」と結論を出したらしい。だとしても暗い所に長期間もいる事なんてあるのか?それに誰の記憶だ。ありえない。そんな話、ありえな…


いや、有り得る。




〇月☆日


〇月♡日


〇月◎日




〇月◇日

気分が悪い。気づけば3日たっていたのか。あの後俺は先輩と共に深夜あの親子の元へ行った。その後俺は先輩の代わりに処理をしている間に先輩は屋根裏へ向かった。そこには謎の箱、蓋を開けるとそこには拘束され、目隠しをされていたミイラがいた。腐敗が進んでいない所を見るに割と最近のものの可能性がある。このミイラが何なのかは分からないが、何となく分かりそうな気がした。


先輩は「友人の件とは関係がない事を確認した」と言って俺を置いてさっさと帰ろうとしたので急いで追いかけた。


……………………………………………………



俺「あれはなんだったんですかね」


先輩「知らん。何故ミイラにされたのか、そもそもアイツの身元は誰なのか、軽く行方不明者について調べ上げたが、近しい人間はいなかった。」


俺「中々先輩の友人が被害に遭ってる事も恐ろしい事すけど、これもなかなかキツイですよ。」


先輩「まぁ関係無かったことだし覚えていても脳の容量の無駄だから忘れろ。そんなことよりも次の可能性を探すぞ。」


俺「あぁ、その事なんですけど、「おばあちゃんが似たようなところで住んでた」ってDMが来てたんでそこ向かったらどうです?」


先輩「ナイスナイス、集合場所は?」


俺「えーっと…ここですね。」

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