また、ともに

　春。終わりの季節。卒業式。長かったようで短かった高校生活も終わりを迎える。どこの誰も、同じように。彼、辻本恭介もそうである。
　高校の三年間を懐かしむ辻本の目の前に、ある女子生徒が顔を出す。片桐七世と呼ぶ彼女こそ、辻本の初恋の相手であり、玉砕した相手でもあった。
　とある事情から帰路を共にすることとなった二人。どことなくぎこちなくなってしまった彼らの人間模様は幾分かマシになる日が来るのだろうか。
　やるせない青春ストーリー。