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第1章 見つからない
「光佑ー。」
純輝とは、中学からの間柄。同じ部活に入っていたことから、仲良くなった。学力が同じくらいだということもあり、結局2人とも地元の公立高校に入学した。
「・・・お前さぁ。何で陸部入んなかったの?」
唐突にきかれて少しビビった。オレと純輝は中学時代は同じ陸上部に入っていた。強豪校で練習が厳しかったこともあり、オレらは県入賞レベルまで到達することが出来た。けど・・・・。
「つまんないから。自ら疲れにいくのは嫌になったんだよ。」
「お前・・・。中学ん時はあんなに陸上バカだったのに。どうしちゃったんだよ。」
だんだんイライラしてくる。
「だから、嫌になったんだって。オレの限界が見えたんだよ。夢見たって、届かないんだよ。」
つい声を荒らげてしまった。