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序章 800m

 灼熱のトラックの上を走っていた。800mという競技はとても過酷だ。400m通過は59秒。悪くない。あと半分。あと半分なんだ。体が熱い。重い。前の選手との差はほとんどない。いける。勝てる。

 ラスト200m。徐々に離されていく。もうダメか。ここで諦めるのか。全力でスパートをかける。後ろから誰かが来る。ユニフォームの色さえ見えない。抜かれたくない。抜かれない。

 ラスト100m。ほとんど意識の無い状態でひたすら足を運ぶ。もうゴールは見えてる。なのに、全然たどり着かない。早く。速く。やっとゴールか。あれ・・・?

 オレは、ゴール直前で意識を失って倒れた。その時点でのタイムは2分00秒23。ゴール出来ていれば、全中、すなわち全国大会の出場権利を得ていた。

 

 この日から、オレは走るのが大嫌いになった。

全中・・・ここでいう全中とは、全日本中学校陸上競技選手権大会のこと。男子800mでこの大会に出場するための標準記録は、2分01秒50である。

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