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異世界で自助努力に徹してます。  作者: 極楽とんぼ
日常生活へ

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野菜も大事(3)

 さて。

 ジョイントベンチャーと言うよりは、ちょっと最初の想定よりもフィルスビは技術提携的な協力しかしてくれなそう。これはさっさと王宮とか農協(農業ギルド)に話を持って行かなきゃかな。


 フィルスビを紹介して貰ったが、ここはやっぱり先に王宮のカルダールのところに先に行こう。

 生産者寄りで既得権側の農協に話を持って行ったら、話を消されるか農家とギルドの利益だけ大きくなって流通価格は殆ど変わらないなんてことになりかねない気がするからね。

 私としては温室栽培の野菜を今の手間暇かけて少量高額な生産から、薄利多売的なものに変えたいのだ。


 日本の農協なんて、生産者保護のためとか言ってマジで生産物の値段が下がらないような非効率的で不透明な仕組みの大元になっていたからなぁ。

 しかもやたらと個別の農家の要望に応えるためみたいな顔して折角の業界団体なのに規模の経済性も発揮せず高額で物を農家に売り付け、農業に新規参入しようとする存在も邪魔するしで、まじで『組織のために存在する組織』で、生産者も消費者も二の次にする存在になっていた気がする。


 まあ、個々の農家のおっさんや爺さん達は政治的な影響に立ち向かうのに向いていないだろうしそんな暇もないだろうから、業界団体は必要悪なんだろうけど。

 組織の歴史が長くなると既得権絡みな柵が増えて『悪』な部分が徐々に増えてきたんだろうなぁ。


 この世界は王権とか貴族のゴリ押しがあるから、どの程度農協(農業ギルド)が抵抗勢力的に新しい試みに邪魔を出来る存在なのか知らないが、取り敢えず(願わくは)消費者側の利益も考えてくれる王宮から話を進める方が邪魔が減りそう。



 とは言え。

 まずは、何よりも先にビニールシートの量産化だよね。

 魔道具で何とかできないか、試してみよう。


 ガラスよりもペラペラなビニールシートの方が温室以外への活用方法が少ないだろうから、こっちで魔術師を必要としない量産化を図る方が既存の職人達への悪影響は少ない筈。

 ビニールシートを硬くしてアクリル板みたいに出来たらガラスの代用品になりそうだが。でも、ビニールシートだけを売り出した場合はそれをアクリル板もどきにするには魔術師が必要だろうから、結局はガラスと同じぐらい高くなる筈。

 多分。


 ビニールシート単体だったら、貧乏人は窓に貼って窓ガラスがわりにするかもだが、そう言う世帯層はどうせガラス板を買う資金力もないだろうから問題はない筈。

 どうせ夜や嵐の時なんかの為に木製の鎧戸は必要なままだろうし。

 と言うか、この世界のガラス窓だったら鎧戸はどちらにせよ必要だよね?

 考えてみたら、日本だって昔の家は雨戸があるのが当然だったのに、最近は無いよね。窓ガラス自体が強くなって嵐で木の枝や石が飛ばされてぶつかってもそうそう割れないぐらいの強度があるようになったのかな?


 それはさておき。

 ビニールシートだ。


 木から樹脂を取り出してそれを変質させて固めるんだが、まずは木から樹脂を抽出する魔道具って作れないかな?

 色々と脳裏の検索ウィンドウ的なあれを調べるが、『樹脂』なんて単語が出る魔術は無い。

『変質』って言うのは色々とあったが。

『時間経過のよる変質を遅らせる術』

『直射日光による変質を遅らせる術』

『湿気による変質を遅らせる術』

 どれも便利そうで、家の家具とかカーテンとかに使いたい。

 でも、違うんだよ〜〜!!


 なんかこう、慣れてきたので錬金の術を自分の意識で変えているだけで、術そのものは錬金の術だとは思うんだよね。意思に応じてかなり柔軟に使えるようになってきたせいか、ファジーな部分が増えてきっちりと魔法陣に書き換えて魔道具化するのに向いてなくなっちゃった感じがする。


 この際、『複製』の術でビニールシートを木を材料として複製させるのはどうだろう?

 一応複製の術は普通にあるから、これを魔法陣化する術を使って魔法陣に刻んでみた。


 で、薪を魔法陣の上に置き、ビニールシートの一部を複製するサンプルとして指定して魔法陣に魔力を通す。


 魔法陣が光り、かなりの魔力を吸い取られたと思ったら薪が消えてビニールシートが出来上がっていた。


 あら。

 複製ですると副産物っぽかった黒い粉は出てこないんだ?

 グラファイトっぽいあれはあれで使い道がありそうだったんだけどな。

 しかも魔力の消費量が半端ない。

 普通に魔術を使うのと、魔法陣でやるので魔力効率が違うのはよくある事だが……ここまで効率が悪くなるのは実用的じゃ無いなぁ。


 やっている事をもっと小分けして、何とか出来ないかな?


 最初は……抽出で樹脂を木から取り出してみよう。

 取り出す元の木はインプット、アウトプットを樹脂ってことで。


 で、樹脂を加工してビニールシートに変える。

 そんな感じにステップを分けたらどうだろうか。


 取り敢えず、ステンレスな箱を作り、薪を置く台の下に設置して抽出の魔法陣を台にセットする。

 数分後に薪から透明な液体が滴り降り始めて、やがて薪が黒い粉だけになっていった。


 今度は箱に加工の魔法陣を刻む。

 ビニールシートへの加工だ。

 うっかりアクリル板を作ってしまったらまずい。

 厚さと柔らかさを指定して、術を実行して魔法陣に書き込んだ。


 起動させてみたら……まあ、一応ビニールシートっぽくなったかな?

 出来上がったのを手に取ろうとしたら、ビニールシートがあっさり千切れたけど。


 おやぁ?

 何かの条件が不味いらしい。


 何がいけないんだろう?


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