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異世界で自助努力に徹してます。  作者: 極楽とんぼ
日常生活へ

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帳簿の付け方

 さて。

 作っておきたかった一般用冷蔵庫と、遠距離通信具は取り敢えず手を離れた。

 次は農協のおっさん(ジュナイド)を捕まえて、ちょっと話をしたい。

 米とかジャガイモとかサツマイモがこっちの世界にあるか調べたいし、温室栽培で野菜とか葉果物を冬にも食べられるようにしたいから。


 だが、その前に。

「シャルノ、このノートとファイルを使って帳簿を付けて欲しいの。

 出資者として損益の状態とかを知る必要があるけど、見やすい形で集計出来るようにしたいから、毎日のお金に繋がるやり取りを仕訳って形で記録してくれる?

 そうしたら、最初は私が仕訳帳に書いた情報を帳簿に転記していく方法を見せるかから」

 真ん中に縦線を引いてページを二つに割けたノートをシャルノに渡す。


 ちゃんと複式簿記をしようと思ったら、小さな喫茶店でも仕訳帳と売上帳、仕入帳、経費帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳と固定資産台帳ぐらいが必要かと思う。

 コンピューターとそれなりなソフトがあれば仕訳帳に正しく入力したら補助簿に勝手に記入されて集計しやすくなるのだが、残念ながら無い。

 取り敢えずは仕訳帳に毎日の取引を書き込んでもらい、暫くは私がそれを補助帳に転記していってやり方を見せ、徐々にシャルノに覚えてもらおうと思う。


 日本では公認会計士として働いていたから、複式簿記の知識はそれなりにある。

 経理の実務はしてないから、試験勉強での知識がメインだけどね。

 会計士なんて数字で割り切れる世界だから弁護士ほど難しくないけど、資格試験のハードルが高いお陰で参入障壁が高くていつまでも安心な職業だと思って大学時代からダブルスクールで頑張ったんだよねぇ。

 まさか30になる前に死ぬとは想定外だった。


「仕訳帳?

 転記??」

 シャルノがノートと私が手元に置いた二つのファイルを見て首を傾げた。


「複式簿記っていう、ちょっと手間は掛かるけど最終的には事業の状態が分かりやすい経理のシステムがあるの。

 それをやって欲しいんだけど、慣れないうちは時間がかかると思うから、取り敢えずはこっちの仕訳帳だけでも毎日書いてくれればいいわ。

 基本としては右と左に数字と項目を書いていけばいいだけだから。

 お金が入ったら左側、出てったら右側、その対応するところに何に関するものかも書いて。

 お金じゃ無くてツケだったら売掛金なり買掛金なりを代わりに書くの」

 レジがあれば、売上のお金の受け渡しと一緒に何を幾つ売ったかとか集計出来るんだけどねぇ。

 手書きとなると、かなり面倒そう。

 忙しい時はそれこそ小さな木のブロックでも箱に入れて何を幾つ売ったか集計するなんて手法もありかな?


「え、毎日って販売した金額を一々書くの??」

 シャルノが目を丸くした。

「売り上げだけじゃ無くて仕入れとか、バイトで働く人の給与とかも。

 シャルノの生活費として引き出す分も、給与として書いてね」

 日本の企業だったら役員報酬って従業員の給与と扱いが違うんだけど、こっちの世界ではそんな事を考える必要はない。

 一応バイト用なのかシャルノの生活費用なのかは分かるようにして欲しいけど。


「ええぇ?!」

 シャルノの目が混乱でぐるぐるしてきた。

「……取り敢えず、明日1日、朝からずっと一緒に居て、お金のやり取りに関して私が記録するよ。

 で、夜に何をどうやったか説明するから。数日それを続けてみよう」

 口で説明するよりも実際の入出金の記録方法を見せる方が分かりやすそうだ。


 ◆◆◆◆


 ケーキやシュークリームの皮を焼かなければならないミズバンはまだしも、出来上がったスイーツを隣から入手して、お茶と一緒に出すだけなシャルノは10時の開店30分前ぐらいからしか仕事はないと思っていたら、意外と朝が早かった。

「いつもこんなに朝が早いの?」

 6時半に店の前で待ち合わせたシャルノに欠伸をしながら尋ねる。


「そうよ〜。

 お茶と一緒に出す牛乳やホットサンドイッチに使うパンやキャベツは毎朝市場で買っているんだもの。

 まあ、確かに仕入れた後は少し時間が余るから、その間に前の日の集計とかしているんだけどね」

 シャルノが早足で歩き始めながら言った。

 私は小型絨毯で宙を浮きながら後を追う。

 あまりにも絨毯を活用し過ぎると筋肉が落ちて不味いと思うから普段は一応街中は歩くようにしているんだけど、今はまだ眠すぎて歩く気がしない。


 それにどうもこっちの世界だと魔力を使うとカロリー消費になるのか、ガンガン甘い物とか肉とかを食べまくっても太らないしね〜。

 いや、そう言えば最初に転生する羽目になった時に太らない体って要求したっけ?

 食べても本当に太らないのか、単にカロリーが燃焼しやすくて太り難い体なのかは知らないけど。

 ある意味、いくら食べても絶対に太らない体だったらちょっと不自然すぎて不気味かも?


 でもまあ、痩せの大食い的に、いくら食べても太らない人は日本でも居たけどね。

『太っちゃうからダイエットに気を付けているの〜』とか言いつついつもデザートまで食べているし間食も多く、1日の食生活を聞いてもどこにも節制も我慢もないし大して運動もしてない女もいたが。

 あれはマジで、どういう事なのか、本当に知りたかったなぁ。


ちょっと終わらせるまで、もう少し話を付け足す事にしました。

ずっとエタっていましたが、良かったら最後まで読んで下さい。

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― 新着の感想 ―
まさか更新があるとは! 不意打ちを食らいましたよ(笑)
おお......!もう更新を諦めていただけにこの再開はありがたすぎる
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