探して
探して
Y市に住む秋さんは、T中学校に通う中学三年生の女の子だ。
彼女はショートヘアーの似合う子で、男子だけでなく女子からも人気が高い、そんな彼女はある時忽然と姿を消したのだった。
警察は必死になって秋さんを探した。だが一ヶ月たっても秋さんが見つかる事はなかった。
秋さんが消えてから三ヶ月目、彼女の友達であった絵美さんは、警察にこんな事を言った。
「秋は、リカちゃん人形に殺されたんです。」
誰も信じなかった。それも当然だとおもう。中学三年生の言う事なんか誰も信じてくれるはずがない。絵美さんはそう思っていた。でも言わなければ気が済まなかった。
なのに、どうしてだろう?真実を話してから、誰もいないはずの空間に気配を感じる、絵美さんは次第に真実を語ったことを後悔し始めた。
夏休みを四日後にひかえた七月十八日、絵美の中学校は短縮日課に入り、授業は三限目までの四十五分になっていた。
今は、すべての授業が終わり、掃除の時間だった。絵美の掃除場所はトイレだった。
「ああもう!めんどくさい!!」
トイレに声が響く。その声は絵美と同じ班の香澄のものだ。
「どうして明後日大掃除があるって言うのに、今日も掃除をしなきゃいけないの!」
ガンガンとデッキブラシをタイル張りの壁に叩きつける香澄を見ながら、絵美は、
「本当ね、しかも明日は長時間このトイレの中にいなくちゃいけないなんて、考えるだけで気が萎えるよね」
「ホントッやってらんないよね~」
そんなたわいもない会話を二度、三度と続けていると、掃除の終了を知らせるチャイムが鳴った。
「帰ろっか」
「うん」
二人はお互いを見、そして頷いた。
ちなみに班構成は男子三人、女子三人の六人だが、絵美にいる女子は二人だけなのだ。なぜ一人足らないのかというと、その一人があの秋だからだ。
教室に戻った二人は帰りのHRが始まるまでに席に着くと、香澄が秋の席を見て、少し低い声で言った。
「秋、どこいっちゃったんだろう・・・」
「っ・・・・」
「どうしたの?」
「えっ!いや、なんでもないよ・・・」
「なんでもなくないでしょう?顔色悪いし」
「・・・・」
「もしかして秋の事で、なにか悩んでるの?」
「そんなこと・・・・」
ないよ、とは言えなかった。実際、秋のことで悩んでいるのは確かだし、友だちに嘘をつくことを絵美はすごく嫌いだった。
話してしまおうか・・・警察は信じてくれなかった。なら友達なら?こんな事を自分一人で背負うのは苦しい、ならもう一人真実を知る人をつくろう。仲間を増やそう。
絵美の後悔はいつの間にか消えていた。絵美の後悔は一体なんだったのだろう?それは絵美にも分からなかった。ただ一つ言えるのは、今の絵美には、真実を言おうという決意だけだった。
「ねぇ香澄」
「なに?」
「聞いてくれる?」
「相談?よしいいよっ!ドンとこい!」
香澄さんは自分の胸を握り拳でたたいた。
「ありがとう・・・実はね」
絵美は香澄の目をまっすぐ見る。二人の間に一時の沈黙が訪れた。
「私、秋がどうして居なくなったのか知ってるの」
「えっ!!」
沈黙が消えた。
「落ち着いて聞いてね」
「う、うん」
「信じてくれるか分からないけど、簡単に言うと、秋は・・・」
「・・・・」
「リカちゃん人形に殺されたの」
「えっ・・・・」
香澄はポカンと口を開けて、二秒間固まった。
「ちょっと待って、それどういう意味?リカちゃん人形って、あのリカちゃん人形のこと?」
「そうだよ、おもちゃ屋さんとかで売ってる、あのリカちゃん人形」
「そんな、冗談でしょ?」
香澄は、心底信じられないという顔をして絵美を見た。だが絵美の顔に嘘という字はなく、かわりにあるのはマジの顔だった。
「秋は、どうして殺されたの?その・・・リカちゃん人形に」
「それはね・・・」
「ほらー!席付け!!HRはじめるぞ!!」
絵美の言葉を遮るように、クラスの担任が太い大声を上げて、教室に入ってきた。
絵美は担任を少し睨みつけ、すぐ顔を香澄に戻すと、ささやくように、
「また後で話すよ」
「うん、わかった。」
そう言って、二人は前を向くのだった。
「「さようならー」」
教室に何でこんなこと言わなきゃいけないんだよ、というような声が響いた後、絵美と香澄は教室を出た。そして、階段を駆け降り、昇降口で上靴と外靴をはきかえ、ダッシュで校門を出た二人は、そこで足を止めた。
「そ、それで、話の続きを聞かせて、くれるんでしょ?」
息を切らせながら、香澄は言葉をつなげる。絵美も息を切らせていたが、すぐに落ち着き、歩を進めながら口を開いた。
「そうね、あれは忘れもしない三ヶ月前の火曜日。私はいつものように学校生活をしていたわ。本当に普通の日常だった。今思えば、あんなに日常を欲したことはなかったかもしれない。私はいつもより元気のない秋に気づき、声をかけたの、最初の秋は顔をうつむけたままで、明らかにおかしかった。私は秋に何があったのか聞いたの、そしたら秋はリカちゃん人形が来た、って言ったの、私は意味が分からなかったわ、そして秋はこんなことを言ったの。」
夢の中で、リカちゃん人形を持った女の子に会った。その子の持っているリカちゃん人形はすごく不気味だった。両腕両足、それと髪の毛がない薄汚れたリカちゃん人形だった。女の子はそのリカちゃん人形を私に無理矢理持たせると、「この子の両足と両腕、それと髪の毛を探して。」って言ったの、そしてこう続けるの、「もしこの子のパーツを見つけられなかったら、アナタからそのパーツを貰うわ、右腕がなかったら右腕を貰う、左足がなかったら左足を貰う、髪の毛がなかったらアナタの頭ごと貰うわ。期限は三日、この子のパーツはアナタの学校のどこかにある、それじゃぁ頑張ってね。」
「これが秋の言ったことよ、しかも秋はそのリカちゃん人形を本当に持っていたの、さすがにあんな物を見せられたら信じるしかない、そして頼まれたわ、一緒にリカちゃん人形のパーツを探してほしいって。」
「一緒に探したの?」
「当然よ、毎日放課後に学校中探し回ったわ、期限が二日しかないし、私と秋は、もう必死だった。でもね・・・」
絵美の頬に一筋の涙が流れていた。
今、秋はいない。つまりこの現実が表すことは一つ
「・・・見つからなかったんだね」
「・・・・」
絵美は黙って涙をこらえようとするが、瞳からこぼれる大きな雨粒は止まなかった。
絵美の涙は自分の無力さに、そして香澄もただ自分の無力さをか噛みしめながら絵美の頬から落ちる雨を、眺めることしかできなかった。
「ごめん、ウチも気づいてあげれたら・・・」
「そんな!香澄のせいじゃないよ!それにもう秋は居ないし・・・」
「そう・・・だね」
香澄は小さく頷いた。
空にはまだ地上を照りつける太陽があった。
その日の深夜、絵美のところに彼女がやってきていた。
ボロボロな服に乱れた髪、見開かれた目、傷だらけの唇を歪めた不気味な少女、そしてその子の持っている四肢のないリカちゃん人形が・・・
「この子の両腕と両足、髪の毛を探して、もし見つけられなかったら、見つけられなかった部分をアナタから貰う、期限は二日、それじゃ頑張ってね」
「ちょっと待って!どうして!どうしてまたアナタは出てくるの!秋の体から取ったパーツで足りたんじゃないの!」
「フフフ、あのパーツは腐ったから捨てたわ。だから新しいのが欲しいの、理由はそれだけよ」
不気味な少女はそういって、どこから持ってきたのか、大きなビニール袋を絵美に差し出した。
絵美はその袋を受け取ると、結ばれた袋の口をゆっくりと解き始める。
「う、ん・・・」
キツく結ばれているのか、思うように解けない。
「ん・・・開いた・・・」
やっとの思いで袋を開け、その中を恐る恐る覗こうとしたところで、絵美の動きは止まった。
袋の中から漂う嫌な臭いに絵美は顔をしかめる、その臭いは明らかに死臭だった。
絵美は息を止めて、袋の中を覗く・・・
「・・・うぉえ!!」
絵美は袋を余所に投げ口を押さえて、腹から上ってくる吐き気を必死にこらえる。
投げられた袋からは、バラバラにされた秋の体が覗いている、それは丸い球のような物だが、明らかに違うところがある。
球に乱れた髪はない。球に恐怖で開いた目はない。
それはズタズタに裂かれ遊ばれたような、秋の首だった。
「・・・あ・・・・・きぃ・・・」
絵美の頬に涙が滴る。
秋を助けてあげられなかった自分の無力さに、再び涙が溢れてくる。無惨な姿の秋はもう何も言わない、絵美のせいじゃないよと励ましてはくれない。
そして、絵美に頑張れと応援してはくれないのだ。
「ンフフ、その子アナタの友達だったんだ。かわいそうにね、でもね、その子が私のリカちゃんのパーツを見つけなかったのが悪いのよ。」
「なに言ってるの!!秋はアナタに殺されたんじゃない!!そんなにそのボロくて汚い人形のパーツが欲しいなら自分で探せばいいじゃない!!!!」
少女の、まるで秋をバカにしたような言いように、絵美は吐き気も忘れ人形を下に叩きつけて怒鳴った。
すると少女は、下に放られたリカちゃん人形を拾い上げ、髪の毛のない頭を絵美の頬になすりつけながら、
「アンタ、いい度胸してるのね。なんなら今すぐアナタの体をバラバラにして遊んであげようか?」
「い、嫌よそんなの!!アンタなんかに殺されてたまるか!!」
「そうでしょう?嫌よね死ぬのは・・・だったらパーツの探しゃいいんだ!!言っておくけどね、これは交渉じゃないよ!命令だ!YES以外の答えはいらないんだよ!!わかったか!?」
少女はそう大声を上げて、リカちゃん人形を絵美の胸に押しつける、絵美はその汚くボロボロの人形を仕方なく受け取り、蚊の鳴いたような小さな声で、
「ちきしょう・・・」
「それじゃぁ、頑張ってね。期限は二日だよ。キャハハハハハ!!!」
不気味な少女は、高笑いをしながら踵を返すと、そのまま闇の中へと姿を、消していった。
後に残ったのは、哀れな少女と、その少女が握りしめる人形だけだった。
七月十九日
ピピピピピピピピ!!
「はっ!!!」
絵美は目覚まし時計の電子音で目を覚まし、勢いよく飛び起きた。そして・・・・・
「やっぱり・・・」
自分の右手に握られているリカちゃん人形を見つけた。
「夢じゃなかった・・・」
絵美はその現実に改めて実感が沸きはじめ、その実感がやがて恐怖へと移り変わり体が震え始めた。
「私・・・殺される・・・」
秋と同じように、体をバラバラにされ、足りないパーツを人形にくっつけられて遊ばれる、最後には腐って捨てられ、また新たな犠牲者が生まれてしまう。
そんなの嫌だ、と絵美は心中呟く。
「探さなきゃ!腐らない本物のパーツを!!」
絵美の仇をとるため、自分が殺されないため、そしてもうこれ以上犠牲者を出さない為。
絵美は決意する。あの少女の思いどうりにはさせないことを。
AM八時
部活のない絵美は、同じく部活がない香澄と二人きりで教室にいた。
外ではまだ、部活が活動していて、特に野球部の喧騒が騒がしく聞こえる。
絵美と香澄は声を小さくして会話を広げていた。話題はもちろん、リカちゃん人形のことだ。
「ということなんだけど、お願い!協力して!!」
絵美は小さい声でそういって、顔の前で手を合わせた。
「そんな・・・嘘でしょ?」
香澄はまだ信じきれないのか、確認をするように言う。
「・・・・」
絵美はその反応を予想していたのか、無言でバックの中をあさり、そして四肢と髪の毛のない人形を取り出す。
その人形を見た香澄は、声がないようだ。口を開けたまま、まばたきもしないでリカちゃん人形を見つめている。
「信じてくれた?」
「・・・それ、本当なの?」
「これを見てもそんなこというの?」
「そうね、そんな趣味の悪い人形を絵美が持っている訳ないもんね・・・」
香澄は腕を組み、何かを考えるような動作をしたあと、無理矢理自分を納得させたように頷いて、
「わかった、協力する!」
「本当!ありがとう!!」
絵美は香澄の手を取り握手を交わす。
「でも、二人じゃ無理よね」
握手から解放された手を顎にあて、香澄は真面目な声音で呟いた。
絵美も同じように顎に手をあてる。
「確かにね、私と秋の二人で探した時は見つからなかったわ、それならもっと人数を増やすしか・・・」
「でも、誰も信じてくれないでしょうね・・・ウチは絵美から秋の話を聞いてたから、信用できたけど・・・」
「そうね・・・正直いってこのクラスに団結力ないもんね・・・私がなにを言っても、誰も信じてくれないわね」
「だったらこうすれば?明日は大掃除でしょ、そのとき、ついでに探してもらうの、理由は無くしてしまったから、みたいな感じでいいと思うけど。」
「それいい!じゃぁそういうことにして探してもらおう!!それなら、ついでならいいか、みたいな感じになるし、興味がある人なら結構真剣に探してくれるかもしれない!!」
「よし!じゃぁさっそく今日から知らせにいこう!もしかしたら今日も見つかるかもしれないし!」
「そうね!よーし!なんだかいけそうな気がする!頑張ろう香澄!」
「そうね!絵美!」
「私たちで!」
「「秋の仇を取る!!」」
まだ誰もいない教室に、いきのいい二人の少女の声がこだました。
それから絵美と香澄の二人は最初の授業が始まる前に、三年生だけでも知らせておこうと、手分けして行動した。
そして、二時限目の授業の終わりにある休み時間で二年生に知らせ、掃除の始まる前の休み時間に、一年生に知らせた。
とりあえず、すべての学年とクラスにパーツを探してほしいということを知らせた二人は、掃除場所であるトイレに集合した。
「一応全部のクラスに教えておいたけど、探してくれるかな。」
デッキブラシを両手で持ち、床を擦る絵美が、そんなことを呟いた。
すると、同じようにデッキブラシで床を擦る香澄が、
「なに今更弱気なこと言ってんの?大丈夫よ、この学校の生徒は、ざっと八百人、そんな大人数で探すんだもん、たったの五パーツくらいすぐ見つかるって!」
「そうかな?それならいいんだけど・・・」
「元気だしなよ!ほら、ウチらはこのトイレを探してみようよ、もしかしたら、あるかもしれないよ!」
「うん、そうだね、今更弱気になっても意味ないよね!よし探そう!!」
絵美は両手で拳を作り、その手を掲げる。香澄はニコニコ笑顔でそんな絵美の姿を眺めていた。
トイレを探すことになった二人だが、所詮トイレに隠せる場所なんて限られてる、二人はとりあえず、考えられる所すべてを探した。
便器の中にゴミ箱の中、掃除用具入れ、さらには鏡の後ろも見ようと、鏡をズラそうとするが動かないから撤退。
とにかくトイレの隅々まで探した。しかし・・・
「ないね・・・」
香澄が呟く。
そう、探したが結局見つかることは無かった。
掃除の時間は十分間、二人は時間も迫ってきたし、とりあえず探すのは放課後にすることにして、教室に帰ろうということになり、二人は渋々教室へと戻る。
その帰り道
「あっ!そこの君!」
「え?」
絵美は後ろから誰かに肩を捕まれ止められた。
振り返ると、そこには三年生の男子が立っていて、その男子の右手には、なにやら長い物体が握られている。
「君、大事な人形のパーツを探してるって子だよね?」
「あっ!はい!」
絵美の心にとてつもないほどの希望が輝く。
「もしかして、これのことかな?」
男子はそう言って、右手を開き絵美に見せる。そこにあったのは薄汚れた人形の腕、リカちゃんの腕だった。
絵美はそれを見た瞬間、涙が出てきそなほど、うれしさがこみ上げた。
「はい!!それです!ありがとうございます!」
自分でも一体どれほど大きな声を上げたのか分からないほど、絵美の心はそのパーツにとらわれていた。
「よかったね、でもどうしてあんな所にあったんだろうね?」
「これ、どこにあったんですか?」
「それがね、理科室の人体模型が持っていたんだ。」
「そんな所に・・・」
「まぁ、よかったね見つかって、残りのパーツも見つかるといいね」
「はい!!本当にありがとうございます!」
「うん、じゃぁ俺はこれで」
そういって男子生徒は階段をのぼっていった。
その男子から受け取った腕は、右腕だった。絵美は、その右腕を人形の右腕部分に近づけていく、そしてカポンッという音とともに、
「はまった。」
「やったね絵美!!あと四つだよ!」
「うん!!!」
二人はその場で抱き合い喜んだ。
その日の放課後、二人は学校中を駆け回り残りのパーツを探した。が、結局その日見つかったのは、右腕一本だけであった。
翌日
いよいよ夏休みを明日に控え、また、期限の日である七月二十日、絵美と香澄の二人は、朝からパーツ探しを行っていた。
今のところ見つかっているパーツは右腕一本のみ、残り時間は二十四時間をきっていた。
二人は二手に分かれ、捜索を行っているが、やはりどちらも収穫がない。
そして、時は進み大掃除の時間。
二人からしたら、これが最後の頼みの綱ということになる。
「みつかって・・・お願い!」
絵美はトイレの中で呟いた。
「そうね・・・もし大掃除の時間に見つからないと、かなり危なくなる・・・」
「死にたくない・・・」
「ちょっと、物騒なこと言わないでよ、大丈夫!絵美は死なない、いえ死なせない!」
「ありがとう・・・かす・・・」
まったくの突然、絵美の体から、血が舞った。
「え・・・?」
香澄も状況が理解できないらしく、宙を舞う血に目を奪われている。
ビチャっ!と血が床を染める。
「なに・・・が・・・ゴホェ・・・」
「もーう、飽きちゃった。香澄さんだっけ?アナタも面倒だらから死になよ。」
虚空からそんな声が響いた刹那・・・
「グェオ!!」
突如、人形が絵美の手から飛び、頭から香澄の喉を貫く。
床に倒れた香澄はビクッ!ビクッ!と体をふるわせている。
「なんで・・・」
かすれた声で絵美が言う。
すると、一瞬前まではその場に居なかったあの少女が、その一瞬で現れていた。
「まだ・・・時間じゃ・・・」
絵美は右の手首から先が無く、さらに喉を軽く裂かれている。
「あきたの、つまらない。だからもうアナタのパーツを貰うわ。ね?リカちゃん」
「そんな・・・ヒュー・・・ヒェー」
「あら?ほう呼吸できなくなってきた?」
不気味な少女は実に楽しそうな声音だ。
「リカちゃん、ほら、あそこのパーツ、採っていいよ。」
「い・・・・・や・・・」
「バイバイ、パーツ」
「いやーーー!!!ゴブッェ、アグァ・・・・グボォ・・・イ・・・・ギャ・・・ギャメデ・・・」
リカちゃん人形のパーツはそろった。だがそのパーツはいつか腐る。そしたら次は・・・・・