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逃走者側視点 生き残りの青年

「ストーカーじゃないか。仕事か。じゃぁ、俺からも仕事の依頼を出させてくれ。もう俺を追うのをやめろ。」

俺はそういった。

「すまないな。その依頼は受けられない。今受けている依頼を裏切ることになる。」

「なんで裏切っちゃダメなんだ?」

そいつの返答にすぐさま切り込む。

………そいつはすぐには返答を返さなかった。

「なぁ。こっちにつけよ。裏切ったって大丈夫だ。どうせ来る奴は少数だ。」

あと一押しと俺がそいつに語り掛ける。

裏切れ。こいつは俺自体に恨みを抱いてはいないはずだ。

本心に気づけ。俺を殺す必要がない。放置しても逃げてしまえばお前に実害はない。

「なぁ。知ってるか?」

少しの時を置き、そいつはそう語り掛けてきた。

「天界にはこういう言葉がある。丸を銃で突き通した紋章をつけた青年を見たら、そいつは生き残りだ。ってな。」

「………へぇ。」

それで?

「下界で聞いたようなセリフだよな。ちなみに、その紋章をつけた青年は前の内乱の兵士だったとよ。」

そいつは確信を持った目で俺を見た。

まるで俺がその時の兵士だとでもいうように。

俺だってその話は知っている。

その紋章の少年も。その紋章は当時の内乱の勝者側の兵士の雑兵につけられた紋章だ。

「さぁな。わかんねぇ。ところで、俺がさっき言ったことに対する返事は?」

俺はそういって話をずらす。この話は俺が不利になるだけだ。

「まぁそう急ぐな。時間ならいくらでもあるだろう。青年。」

………確信を持っているってわけか。

そういう自分のことを信じて疑わないっていうのはあまり好きじゃない。死ねばいいのにと思う。まぁ、こいつは根拠を持って信じているわけだ。それなら別にいだろう。

「青年?お前はそんな呼び方はしなかったはずだろう?返事がまだならもう俺は帰るぞ。」

話を長引かせるならさっさと俺は逃げる。

「なぁ。待てよ。見えてるぞ。その紋章。」

嗚呼。そうだろうと思っていたがめんどくせぇ。

首の付け根の紋章を手で隠し、

「ははっ。見えちまってたか。」

そういい、笑った。

長く、永く。

そいつが気味が悪いと思うぐらい。

そしてそのまま。

そいつの背後に回り込んだ。

「いやぁ。久しぶりだよ、バレたのはな。俺はな、神殺しの趣味はねぇんだ。今後俺にかかわらないなら今は見逃してやるよ。」

めんどくさいが、もう開き直るしかない。

さぁ、これでこいつが素直に退いてくれればいいんだが。

「ははっ。そりゃいい提案だ。」

やっぱそうか。

俺はそいつが振り向きざまに振ってきたナイフを後ろに飛びのき、よける。

「いいセンスだ。」

そいつは次は拳銃を握った。

俺に向けて弾丸が放たれ、常神には確実に聞こえない銃声がなった。

すべての弾丸を軽々とよけて魅せる。

「いいねぇ。いい射撃だ。」

本当にいい。しっかりと俺のことを見ている。

さてと。次は俺のターンだ。

地面を蹴り、そいつとの距離を詰めた。

そいつはしっかりと俺の動きを見て後ろに飛びのいた。

置き土産として爆薬を置いて行ったが、俺はそれを遠慮してそいつに投げ返す。

暗く静かな路地裏に小さな爆発音が響き渡る。

急いで飛びのいたからか、爆薬をよけることはかなわず、食らってしまっていた。

「いいアイディアだな。捕食者は獲物をしとめる瞬間が一番隙ができる。」

さすがだ。久しぶりにここまで動いたかな。

「クソ!クソ!クソ!」

そいつはそう叫びながら拳銃を握り、こちらに向かって撃ってきた。

だめだよ。頭に血を登らせちゃぁ。冷静にならなきゃ何事もちゃんとできなくなる。

俺はそいつに魅せるように放ったすべての弾丸を手で止めて魅せる。

少し手がひりひりするがこの程度放置で治る。

そいつはかなり消耗しているはずだが、ドンッという音を鳴らせるほど地面を蹴り、こちらに距離を詰めてきた。

ハハハ。距離の詰め方が下手だなぁ。

常神ならおそらくよけられない速さだろうが、軽々とよける。

よけるとき、そいつの手に握られた一本のナイフが路地裏のかすかな光を受けきらりと光った。

「いやぁ。そんな近づかないでよ。ソーシャルディスタンスだよ。大事だぞ。」

俺はそう嘲笑った。

そいつは俺に向かってきたスピードのまま地面に突っ込んだ、

かと思えば器用に前回りをして立ち上がった。

「人間ができるなら……神ができる!」

そいつは突然そう叫んだ。

突如そいつは二丁の機関砲を持った。

おいおいおいまじかよ。そいつは機関砲だぞ。

短くした機関砲ということでライフルということにしているが、ほぼほぼ実践で使われないうえに結局設置型兵器になったやつだぞ。

そいつは俺に照準をつけ、引き金を引いた。

周りに聞こえるということも忘れ、撃ちやがった。

一発撃つごとに体にものすごい負荷がかかっているだろう。少しでも気を抜けば腕が吹き飛ぶだろう。

「すごいじゃないか。俺は君をそこまで突き動かすものの正体を知りたいよ。」

本当にこいつが俺を殺す依頼を完遂する原動力を知りたい。

「あたれぇぇぇぇ!!!!!」

そいつはまたも叫んだ。

その声は切望とも取れる声だった。

その声に一瞬だけ動きを止めてしまった。

その瞬間に肉をえぐる音が鳴り、俺の足がすさまじく傷んだ。

見ると、ひざから下が吹き飛んでいた。

「ははは。すごいじゃないか。これが火事場のバカ力ってやつか。」

嗚呼、本当にすごい。素晴らしい。

「まぁ。俺の勝ちだけどな。」

そういい、足を再生しそいつに向かって地面を蹴り、近づいた。

そいつは抵抗もせずに目をつぶった。

だから…。

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