表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生するときのパートナー選択で種付けおじさんを選んだら割と幸せ  作者: 九束


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/44

デコイ

魔王戦決行直前にデコイ化を申し出てきた貴族女性20人。

私たちの覚悟が足りなかっただけで実際にデコイにしたのは2人。

残った18人がまた、ここ、司令部の建物内にいる。


デコイになった2人は既に作戦で戦死したとのこと。


今ここにいる18人の内、半数の領地は開放され、その内6人は肉親の無事が確認できたそうだ。


つまり、12人はまだデコイになる理由があり、6人にはすでにデコイになる理由がない。

しかしあの時に志願したことを理由に一緒くたにここに拘束されている。


それが現状の詳しい状況とのことだった。




それを聞いた上で、私は覚悟を決める。

私の決断は、全員をデコイにする、だ。それも今日の内に。


モッさんには決断をさせない。

これは私の決断だ。


ケイさんから概要を聞いた私は即座にケイさん小声で意向を伝え、18人が拘束されている部屋を聞き出す。

そしてモッさんに18人の背景は隠した上で、あの時のデコイ希望者がここにいることを告げる。


モッさんの顔がこわばり、何かを言おうとした。

しかしそれにかぶせるように私は続ける。

「モッさんの意向は聞かない。私が決める。18人すべてデコイにする。抵抗するなら傾国の美女スキルの使用も厭わない」

「ヴィーさん!!!」

モッさんが叫ぶ。

デコイ化への拒絶なのか、それとも私に責任をかぶせないための言葉を言おうとしているのかはわからない。


しかし私はそのどちらも聞かない。

これは私が下した決断だ。お前にはやらない。


「それは……んむ!?」

私はモッさんの言葉を自らの唇で強制的に塞ぐ。

たっぷりじっくり口の中をなぶってから呆然とするモッさんを無視してそのまま離れる。


そして

「デコイ材料たちに準備させる。ケイさん、翔太さん、リバさん、サフィさんは監視」

と言い捨てて部屋を出る。


向かう先は18人が集められているという小ホール。


観音開きの扉をドアマンが明け、私は肩で風を切るように部屋に入る。


そこではあの時の18人が女性たちが整列していた。


全員の顔はもちろん覚えている。


しかし、表情はあの時とは大きく違う、


絶望、懇願、無気力、怒り。


まだ解放のための使命を持っている9人、すでに絶望に変わった3人、希望が見えた直後に奈落に落とされつつある6人。


最後のグループであろう一人が私が部屋に入るなり懇願してくる。

「み、巫女様!ナント=ホール子爵夫人!!!お、お許しください……お許しください……夫が生きていたのです……希望が、やっと希望が見えてきたのです……どうか、デコイは……!!」


「やめなさい見苦しい。一度申し出たのは私たちなのです。あの時デコイにされなかったのはあくまで『保留』。その時が今来ただけでしょう」

私に縋りついて懇願する女性を力ずくで引きはがす目に光の無い女性。

この人は多分領地がダメだった人なのだろう。


私と視線が合うと死んだ目をした方の女性は自身の領地の結末を語る。

「……夫は魔族に食われていました。子供は手足をゆっくり切り刻まれ、生きてはいるものの壊れていました。あの者をデコイにするかどうかは巫女様の差配ですが、ぜひ私は、この身は活用していただきたく存じます」

そう言って一礼する女性。


その様子を目に焼き付け、私に縋りついてきた女性とそれを制した女性をともに下がらせる。



そして私は全員をデコイにすると宣言した。



その宣言を聞き、肉親が無事だった6人は抵抗したが兵士がすぐさま拘束し、猿轡を噛ませ、手足を布で縛り転がす。


近くにいた兵士に全員に見張りをつけることを命じて、抵抗した6人を始めにデコイ化することを命じ、兵士に両脇を抱えさせてモッさんたちが待つ部屋へ。


部屋に戻った私は2Pカラーとモッさんを残し退出させ、6人を入室させ、兵士を退出させる。


モッさんはあきらめたようにマジチン100%を発動させ行為を始めた。


6人からすぐさま発せられる獣のような悲鳴。


「お姉さま……顔が真っ青ですわ……すこし休まれた方が」

「私が背負う必要があるものだ。口出しをするな」

よほどひどい顔をしているのだろう。心配そうに2Pカラーが声をかけてくる。


しかしこれから逃げるわけにはいかない。

目をそらすわけにはいかない。

だから私は2Pカラーの言葉を一刀両断する。


「……いいえ、管理者様(マスター)のメンタル維持にはお姉さまの存在が不可欠。ここで不用意にお姉さまの精神に負荷をかけるのは承諾できかねますわ」

珍しく私に口答えをしてくる2Pカラー。


今までなかった反応に少し驚いた私は私は2Pカラーの方を向く。

「承諾できないなら何をするっていうんだ?」


「ご無礼致しますわ!」

「なっ」

2Pカラーが突如手を振りかぶってくる。


頭の後ろに衝撃が走る。


次の瞬間には私は意識を手放していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ