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2.転生

投稿日 2025/8/16

「・・・・……… ここは…どこ?」

何も無い白い空間に一人私は立っていた。

 気がついた時にはこの空間にいた。 私は確か…15階から落ちたのだから怪我の1つや2つあってもおかしくないはず… それに、現実にこんな空間があるはずが無い。 ここまで広い何も無い空間が私の過ごしていた世界にあるとしたら、土地の無駄遣いにも程があると言えるくらい先が見えない広く白い空間が広がっていた…ここを私のいた世界と同じと言うのは無理がある気がする。


「もう 目が覚めたのか?!」

知らない爺さんの声が頭に響く… 辺りを見回してもそれらしい人影は見えなかった。


「すまない… 先に自己紹介をするべきじゃな。 儂は神様じゃ。 神であるが故に実体を持たないので、お主の頭に直接話しかけておる。

 ここが何処なのか気になっているじゃろう? ここはお主の過ごしていた世界では無い…ここは生と死の狭間、お主の世界で死んだものが一時的に来る所じゃ。 本来ならすぐ死後の世界にいくのじゃが…儂の独断でお主を死後の世界送るのを止めておる。」

ペラペラと話を続ける自称神様の言っていた話で聞き取れたのはこのくらいだった。


 生と死の狭間? 死後の世界? 聞き取れはしたものの理解が追いつかない。

「神様? 私はこれからどうなるのでしょうか? その…死後の世界?と言う所に行くのでしょうか?」

混乱しながらも、頭の中に浮かんだ疑問を聞いてみることにした。本来ならすぐに死後の世界に行くと言う、神様の言葉も少し気になるところがある。


「本来はお主も他の者と変わらず死後の世界に行くはずであったが… 彼女達との約束…… 嫌…忘れてくれ。  オホン!! お主のあの世界での暮らしを少し見させてもらった! お主の人生は控えに言って最悪だったであろう。そんな可哀想なお主を生まれなおさせてやろう! と言うことで…少しここで待っておれ。 儂の予想より早く目を覚ますものだから、まだ準備が整っておらんのじゃ」

私の頭の中に神様の声が流れた。


 最初の言葉は、口ごもった発音で何と言っているか聞こえなかったが、咳払いをした後の言葉はハッキリと聞き取ることができた… 私はどうやら神様に同情され生まれなおさせてくれるらしい。

 私を哀れんでくれた神様にはハッキリと本心を打ち明けた方が良いよね。

「神様… 私、生まれなおしくありません!」

ハッキリと言ってやった。

 生まれなおしても、きっと同じことの繰り返しになるに違いない… 2度と同じ思いをするのはごめんだ。


「え?! 何でじゃ?! またやり直せるのじゃぞ? 今なら特別転生特典とか付けてあげられるぞ? 「天才令嬢になりたい」や「最強スキルが欲しい」とか何でもできるぞ!! 今転生したらかなりお得なんじゃぞ!!………

 あ!そう言うことじゃったか! お主…まだ理解出来ていないのであろう… お主が、生まれ直す先は今まで過ごしてきた世界とは似て非なるものじゃ! 文明レベルはさほど変わらないものの、その世界に住む者たちは皆、魔物と戦う術を身につけるべく「魔法」や「剣術」を駆使して生活しているのじゃ。

 つまり! 転生特典で他の者より優れたスキル、才能を得ることで、そこの世界では無双出来ると言うわけじゃ!! 皆、強い者を慕う、よって転生特典を持ったお主は多くの者に慕われると言うわけじゃな! 説明が少なくてすまんの〜 まさか断られるとは思いもしなくてな〜」

神様の中で勝手に納得して話が進んで行きそうな予感がしたため、私はすかさず釘を刺した。


「…神様……私の暮らしを見ていたのですよね? 見ていたなら分かっていないとおかしいと思うのですが…前の人生で私は他の人より『優れていた』から虐めに発展したんですよ! 

 魔物がいるから護身できたほうが良い? は?!私のこと怒らせるのも程々にしてくれません?

 転生特典なって物をもらった暁には、生まれなおした世界でもまた異端だと虐められ、一人になる未来が容易に想像できるじゃないですか!!」

込み上げた怒りを神様にぶつけてしまった…


「…確かにお主は、他の者よりも優れていた。勉強にしても、スポーツにしても儂も驚かされる程の才能をもっておったな。 そのせいで虐められたことも、勿論知っておる。 だが、一言言わせてほしいのじゃ…お主の周りは才能を異端と差別し、排除しようとしていたが…皆が皆才能をもっている者の差別するわけでは無いと言うことを…一部の負の言葉だけを吸収する考え方はまたお主の精神を破壊しかねないと言うことを頭の片隅にでも置いておいてくれ。 儂の言えることはそれくらいじゃ。 

 お主の要望通り、転生特典は特に何もつけないことにした。 環境が変わり適応することが難しくても私を恨まないでねおくれよ? 

 それでは転生を開始するぞ、儂は… 儂も今後のお主の人生が良い方向に進んでいくことを願っておるぞ…」

神様が言い終わる頃、私の身体は白い光に包まれ始めた。


「か、神様?! 私まだ、転生するとは一言も言ってませんけど?!」

急に始まった転生の為の儀式的なものを止めるべく、言葉を発したが、神様は受け入れなかった。


「すまんの〜 お主が何と言おうと、この転生は絶対なんじゃ… 本来はお主が目を覚ます前に儂が適当に転生特典を与え転生させるはずの所をお主が目を覚ましてしまった。 謝罪と言うことで…転生後のお主には強い精神力をもって生まれてくるようにしておいたぞ。 これで常に前向きに進めるまずじゃ。 転生後も頑張るのじゃぞ〜」

最後に神様が施した高い精神力が、後に亜里沙…もとい、リースの頭を抱えさせることになることを今はまだ知らない。


お疲れ様ですよ〜 杯の魔女です!!

転生までの神様とのやりとり…どうでした? 転生を断る主人公…なろうでは余り見ない展開ではないだろうか? 今後が気になってくれた人は、できればブックマークをつけてくれると…嬉しいな!!

次回は『リース・ヘルエスタ」の回想による転生され、記憶が戻った時の話です。 次回も見に来てね〜

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