表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『鑑定』に目覚めたので、いつも優しい巨乳な受付嬢を鑑定したら、戦闘力99999の魔王な上にパッドだった件について~気づかなかったことにしようとしてももう遅い……ですかね?  作者: 高野 ケイ
5章.スキル『鑑定』に目覚めたので、清純派聖女を鑑定したら、被虐願望持ちな上にアンデッドフェチだった件について~関わらないようにしてももう遅い……ですかね?
88/150

4.アルトとサティさん

 うおおおおおおお、やばいやばい。これってあれだよな。もうフラグ立っているよな……俺は果実水を入れながら、先ほどのやり取りを思い出す。

 エルダースライムだって、空気を読んで外出したのだ。そもそもである。付き合う前の男女がお互いの実家に行き来するっていうのがあれだもんな。サティさんも真剣に考えてうちにきてくれたのだろう。

 若い男女が二人……しかも、お互い気になっている関係だ。こんな状況で何をするかって言ったら決まっている。



 そう……告白である。



 あいにくモテた経験はあまりない上に、恋愛経験もあまりない俺だが、流石にここまでおぜん立てされたのだ。どうすべきかなんてわかっている。

 だけど……それと同時に引っかかっていることが二つある。一つはアリシアの事である。俺はアリシアにあれだけアプローチをされているのに、やんわりと断ってはいるものの、ちゃんとした返事をしていないのである。エルダースライムやアリシアはハーレムで良いとか言っているが普通はだめだろ。

 それと……サティさんは魔王なのだ。サティさんは気にしないでいいと言ってくれるだろう。エルダースライムもサポートをしてくれるだろう。だけど、他の魔物達はどうだろうか? アグニは多分力がないと認めてくれない気がするし、デスリッチは……まあ、どうでもいいか。

 とにかく、今の俺はサティさんにふさわしい男なのだろうか? むしろ俺なんかと付き合ったりしたら、サティさんの株が落ちるんじゃないだろうか。そんな事を思ってしまう。



「サティさん。飲み物を持ってきましたよ」

「アルトさん!! おもったより早かったですね!!」



 そう言うとサティさんは顔を真っ赤にしながら、何かを隠した。いや、なにかじゃねーよ。俺のエロ本じゃん。『巨乳勇者調教計画』じゃん。今読んでたよね? え? なんで? 無茶苦茶恥ずかしいんだけど!!



「サティさん……今のは……」

「何でもないです!! 飲み物ありがとうございます。ちょうと喉が渇いていたんです」



 俺が最後まで言い終わる前にサティさんは飲み物に手を付ける。実はむっつりだったのだろうか……誤魔化しているつもりだろうが全然誤魔化せていない。

 親父やエルダースライムが気を遣ったおかげで余計二人っきりという事を意識してしまいお互いどこかぎこちなく無言の時間が続く。

 だけど……不思議と嫌ではなかった。



「なんか不思議ですね……少し前はただの冒険ギルドの受付嬢と冒険者だったのにこんな風に二人っきりでいるなんて」

「そうですね……色々とありましたもんね。サティさんが魔王ってわかった時はどうしようかとすごい焦りましたよ」



 サティさんの言葉に俺はうなづく。いやいや、本当に色々とあったよ。マジで……巨乳だと思ったら虚乳で……しかも、魔王だったのだ。最初は殺されるかと思ったしな。

 だけど、俺はサティさんの正体を知ったことを後悔なんかしていない。




「でも、私の正体を知ったのがアルトさんで良かったなって思っているんですよ。他の人でなく、アルトさんだったから私はまだこの街で受付嬢を続けれていると思いますし」

「サティさん……俺もです。サティさんの正体を知って後悔した事なんかありません」



 俺が彼女の言葉にうなづくと、サティさんがゆっくりと寄りかかってくる。甘い香りが俺の鼻孔を刺激する。

 俺は緊張のあまり手を震えさせながら、彼女の肩を抱くと、サティさんもまた震えていることに気づく。ああ、彼女も緊張しているのだ。

 今更当たり前の事に気づく。彼女は異性の部屋に行くのは初めてだって言っていた。緊張しないはずがないのだ。だってサティさんは魔王である前に女の子なのだから……



「実はですね……私はお酒には酔わないんです。だからエルダーに言っていたことは全部聞いていたんですよ。その……あの時に比べて私はアルトさんの事を色々と知りました。そして、アルトさんも私の事を色々と知ってくれたと思います。私はその上でここに来ているんです」

「え……それって……」



 そのひとことで俺が最初にサティさんと食事をしていた事の思い出す。もっとお互いの事を知ったら俺は彼女に告白しようと思うみたいな事言ったのだ。それを彼女が聞いていて今ここにいるという事はつまり……彼女がこんなにも勇気を出してくれているのだ。ここで告白しなければ俺はクソじゃないだろうか?

 それでも、俺がうじうじしているとサティさんが意を決したように深呼吸をしてからこういった。



「くっ……勇者である私にこんな気持ちにさせて……責任を取らないんなんてひどいです!!」

「サティさん……それは『巨乳勇者調教計画』で主人公とヒロインが結ばれるセリフじゃないですか。そんな事言われたら俺……」

「え? 本当にこんな言葉に効果があるんですか? 男の人って何を考えているんですか!! でも、積極的になってきてくれてうれしいっておもっている私がちょろくて憎い」


 

 サティさん言葉でもう限界だった。俺を萌えさせるためにここまでしてくれたのだ。くだらない言い訳をしているわけにはいかないだろう。

 俺がサティさんを抱きしめると一瞬びくっとしたがそのまま彼女は俺を見つめる。その瞳はとてもうるんでいて……俺は彼女の唇に吸い込まれるようにしてお互いの唇を重ねようとして……



『大変なことがおきました……、おっとそちらも大変な状況でしたね』

「うおおおおおおお」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」



 乱入者の声に俺とサティさんは悲鳴を上げながら距離をとった。ふざけんなよぉぉぉぉぉ。無茶苦茶勇気を出したんだぞ!!



『キスくらいすぐできるでしょう? そのくらいならまちますよ』

「できるかぼけぇ!! 空気って言うものがあるんだよぉぉぉぉぉ!!」



 俺は顔を真っ赤にしながら答える。サティさんにいたっては顔を手で隠して悶えている。そうだよな、サティさん的にはキスシーンを親にみられるようなもんなんだよな。俺なら死ぬわ。



「それよりもエルダー。何があったんですか?」

『大変です。サティ……聖女がやってきました』

「聖女がですか……」



 エルダースライムの言葉にサティさんが険しい顔をする。そこには先ほどまでのか弱い女の子ではなく魔王城で見た魔王の顔だ。

 いつになく真剣な二人を見て俺は疑問に思ったことを聞いた。



「でも、勇者や、魔法使いも来ていたじゃないですか。今更聖女くらい来てもそんなに慌てなくても……」

「アルトさん……聖女は別なんですよ……最悪この街にいる魔物が全滅する可能性もあります……そして、私はここを出て行かなくてはいけなくなるかもしれないんです」

「え?」



 サティさんのその言葉に俺は何と返事をすればいいかわからなかった。


アルトはヘタレ……今年もよろしくお願い致します。



引き続き感想何を書けばいいかわからないかたは「( ゜∀゜)o彡゜おっぱい!おっぱい!」とかでも嬉しいです。よろしくです。


面白いなって思ったら評価やブクマ、感想を頂けると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] なんてタイミング。アルトの不幸は蜜の味。 [気になる点] 聖女と相対する魔王は巨乳に戻ってるのか虚乳なのか。はたまた無乳なのか!! [一言] 魔王はムッツリ。 聖女もムッツリ。 勇者はグイ…
[良い点] (#゜Д゜)o彡゜ ヘタレ! ヘタレ! (良い点……?) [一言]  良い所で邪魔が入るのは…… (*^∀^)o彡゜ お約束! お約束!
[気になる点] ジャンヌ来訪 普通に考えればアリシア絡み? [一言] エルダースライムのイメージどんどん変わるなぁ… こんなにコミカルな面もあるのか(汗) 完全に今までの厳格親父代わりなイメージが行…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ