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スキル『鑑定』に目覚めたので、いつも優しい巨乳な受付嬢を鑑定したら、戦闘力99999の魔王な上にパッドだった件について~気づかなかったことにしようとしてももう遅い……ですかね?  作者: 高野 ケイ
5章.スキル『鑑定』に目覚めたので、清純派聖女を鑑定したら、被虐願望持ちな上にアンデッドフェチだった件について~関わらないようにしてももう遅い……ですかね?
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1.禁書

「アルト、大変よ!! あれ、他のみんなは?」

「あれ? モナか。アリシアは王都だし、ブラッディクロスさんならクエストにでかけてるぞ」

「ああもう、タイミングが悪いわね!! どうしても頼みたいことがあったのに……」



 そういって、モナはほっぺたを拗ねたように膨らませている。四天王選抜試験から二か月の日々がたった。あれをきっかけに、アリシアやホーリークロス、モナの三人を主導に人と魔物の交流も増えて、彼女も大変なはずなのだが……



「お前こんなところにいて大丈夫なのか? 忙しいんじゃ……」

「確かに人と魔物の使う魔術の共同研究で忙しいけど、それどころじゃないのよ!! 禁書がこの世に広まりそうなの」

「禁書だって!?」



 その一言に俺は思わず驚愕の声を上げてしまう。そして、受付で作業をしているサティさんに視線を送ると目があってうなづき合う。

 おお、今のカップルっぽい。まあ、もうカップルなんだけどな!! サティさんは耳がいいのか、俺がギルド内で話している会話を聞いてくれているのだ。巨乳女冒険者に冗談で誘惑されたときは、そのあと拗ねて大変だったけど、それも可愛かった……それはさておきだ。



「禁書ってあれだよな。その人の在り方すらも変えてしまうほどの魔力を持った本……だっけ?」

「ふぅん、ちょっとは勉強をしているみたいね。だけど、それだけじゃないわ。その内容を読んだ人の人生を変えるほどの影響力を持った本というのが正しいわね。魔力の有無は関係ないの。それが近いうちに魔王領で公開されて、しかも。その作成者がくるという情報を得たのよ」

「な……せっかく、この世が平和になったというのに……」



 その禁書が、もしも、人と魔物の関係を悪化させるようになものだったらどうなるだろうか? 考えるだけで恐ろしい……

 サティさんが一生懸命頑張って、つかんだ平穏なのだ。それを脅かすものがいるのならば……俺は許すことができない。



「なあ、モナ……その禁書があるのは魔王領のどこなんだ?」

「流石ね、アルト。あなたもその危険性に感づいたようね。あれの存在を許すわけにはいかないわ。魔王領と人の領地の間にあるこの街『ハルハバラ』にあるらしいわ」



 モナが広げた地図を見るとそこは魔王領と人の領のちょうど境目であり、ローグタウンからかなり遠い場所だという事がわかる。

 


「なるほど……危険な思想を人や魔物にも埋め込むことができるちょうどいい場所ってことか……ここからだと馬車を飛ばして二日って感じか……」

「そうなのよね……結構距離があるのよ。いくならば早くの方がいいと思うんだけど……」

「ここならワイバーンを遣えばすぐにつきますよ」



 俺とモナが唸っていると、いつの間にか近くに来ていたサティさんが俺たちにアドバイスをくれる。確かにワイバーンならば、馬車の何倍も早いこともありあっというまだろう。だけど、一つ問題があるのだ。



「でも、ワイバーンはサティさんがいないと……」

「それならば大丈夫ですよ。私もついていきますから。魔王領の問題のようですからね……」

「だけど、サティさんには受付嬢の仕事が……」

「察しなさいアルト。サティさんは私とあなたが二人で旅をするのに、NTRの波動を感じたのよ」

「いや、だって、俺とモナだぞ……ねえ、サティさん?」



 何言ってんだとばかりに突っ込みを淹れながらサティさんに同意を求めると、なぜか顔を真っ赤にして顔を逸らされてしまった。

 え? マジで?



「うう……だって、大好きな彼氏がほかの女の子と冒険にいっちゃうんですよ。心配しちゃだめですか!!」

「ダメじゃないです!! 一緒にいきましょう!!」



 大好きな人に上目遣いにそんなことを言われて、ダメと言われる人間がいるだろうか? いやいるはずがない。

 そうして、俺たちは禁書があるという街に向かうのだった。しょーもないものが待っているとも知らずに……





「なんだよ……これ……」

「これが禁書なのでしょうか……?」



 急いでワイバーンを飛ばしてきたその先にのぼりが見えてこんなことが書かれていたのだ。「『勇者に幼馴染の聖女を寝取られパーティーから追放された俺は、リッチになって魔王軍に入って復讐をする』の最新刊発売記念。サイン会』と……



「なぁモナ……」

「くっ……こんなにも大胆とNTR本が!! 許せない!! アルト先にいってるわね!! 世界にNTRを布教する禁書の作者がここにいるのよ!! サイン……じゃなかった!! 何を考えているか尋問しないと!!」



 そういうと彼女は興奮した様子で走り出してしまった。やっぱり、あいつNTR本すきのむっつりロリ娘じゃねえか……



「あれ? どうしてアルトさんとサティ様がいるのでしょうか?」

「え? ジャンヌ?」



 振り向くといつものようにちょっとエッチなローブを身にまとったジャンヌが立っていた。彼女は俺の言葉にちょっと嬉しそうに首を振って名乗った。



「いえいえ、今の私はジャンヌではありません。魔王軍四天王が一人、『愛奴隷ジャンヌ』です。侮蔑の気持ちを込めて『奴隷』と呼んでくだされば幸いです。ちなみにこの衣装は最新刊の闇落ち聖女カレン様の衣装ですよ」



 ジャンヌは……魔王軍四天王でもっとも新参である彼女は頬を赤らめながらそんなことをいった。





久々の更新です。

今度のメインはモナ!! ジャンヌが濃すぎるけど大丈夫かなぁ……



また、新連載を投稿しました。読んでもらえると嬉しいです。


『レベルダウンから始まる召喚無双〜俺だけ使える『マイナス召喚』は経験値を対価にあらゆるものを召喚するチートスキルでした。『英雄』『神獣』『聖剣』『魔王』を召喚し最強へ至る~』


https://ncode.syosetu.com/n3746ia/


よろしくお願いします。



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― 新着の感想 ―
[良い点] おかえりー。 [一言] >「いえいえ、今の私はジャンヌではありません。魔王軍四天王が一人、『愛奴隷ジャンヌ』です。侮蔑の気持ちを込めて『奴隷』と呼んでくだされば幸いです。ちなみにこの衣装は…
[良い点] 相変わらずで安心した すっごくw 仲も深まったみたいで・・・ アルトもげろ モナもジャンヌも どこまで行ってしまうのか・・・ [一言] デスッチ 本売れてるようだなw
[良い点]  アルト氏が相変わらずのヘタレっぷり。  よく魔王に告れたねこの人…… [一言] (*゜∀゜)o彡゜ おかえり! おかえり!
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