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スキル『鑑定』に目覚めたので、いつも優しい巨乳な受付嬢を鑑定したら、戦闘力99999の魔王な上にパッドだった件について~気づかなかったことにしようとしてももう遅い……ですかね?  作者: 高野 ケイ
5章.スキル『鑑定』に目覚めたので、清純派聖女を鑑定したら、被虐願望持ちな上にアンデッドフェチだった件について~関わらないようにしてももう遅い……ですかね?
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19.

俺はメモに書かれた場所と間違いが無いが再度確かめる。いや、あってるんだけど……え? まじで? なんで風俗店で待ち合わせんだよ!! 頭おかしいんじゃねーか?

 俺は仕方なくその扉に手をかける。そう、しかたなくである。待ち合わせ場所だからな。決して巨乳という言葉に惹かれたわけではない。



「いらっしゃいませー、一名様ですか?」



 扉を開けた先はまさしく巨乳のパラダイスだった。右を見ても巨乳、左を見ても巨乳、すげえ、おっぱいパラダイスだー!!!

 ダークエルフや、ハービィ、サキュバスなど様々な魔物に、人間もいる。大事な事だから何回でも言おう。みんな巨乳だ。

 しかも、それでけではない、童貞を殺すセーターや、谷間を強調したメイド服、バニーガールなどの様々な衣装の女性が広いホールで接客をしている。くっそ、視線に困る。どのおっぱいを見ればいいんだ? じゃなかった……



「俺にはサティさんがいるんだよ!!」



 俺は鋼の意志で谷間から視線を外し、自分の膝を全力でつねり正気を保ちながら、カウンターのボーイに声をかける。

 ここにいるのはみんな母さん、ここにいるのはみんな母さん!! 自分への暗示も忘れない。



「すいません、ホーリークロスという方と待ち合わせをしているのですが……」

「ああ、常連のホーリークロス様の待ち合わせの方ですね。こちらです」



 事前に話を聞いていたのだろう。ボーイはすぐに案内をしてくれる。てか、常連なのかよ!! あの人!! まさか、しょっちゅう魔王城付近に来てるの?



「この部屋でお待ちしています。人払いはしてありますのでご安心を」



 そうして案内をされたのはいわゆるVIPルームという奴だろうか? ボーイがお辞儀をするのを見届けた俺は扉を開ける。

 その中はまるで森の様に木々が覆い茂った不思議な部屋だった。室内だと言うのに森の香りがして何とも神秘的だ。牧草か何かで作られた椅子にホーリークロスともう一人の人影がいた。



「やあ、アルト君、こんなところまで来てもらって申し訳ないね、この部屋は素敵だろう? よくエルフと駆け落ちプレイをするときに使うんだよ」

『確かにここにはいくつもの魔術が高度に組み合わされて、森っぽさを再現しているな。というかこの部屋の魔術を組んだの我なのだが!! こんな事につかわれていたとはな……』

「無駄にすげえのにプレイ用かよ!! てか、なんでデスリッチもいるんだ?」



 俺の言葉に、ホーリークロスと少し距離を置いて座っていたデスリッチが気まずそうに目を逸らす。



「ああ、何やら私に用があるようだったからね。声をかけたのさ」

『仕方ないだろう、尾行などは得意ではないのだ。ああいうのはカーマインの仕事だったからな……』



 得意げな笑みを浮かべるホーリークロスの言葉で納得がいった。デスリッチのやつサティさんかエルダースライムの命令でつけていたけどばれたって事か……

 てか、勇者って姿隠しのローブといい、尾行が得意な事と言い本当に勇者だったのか? 実は盗賊とかじゃないの?



「まあ、かけたまえよ、君も飲むかい? デスリッチ殿も楽しんでくれているし、君には是非とも飲んで欲しい」



 彼はテーブルの上に置いてある赤ん坊の絵が書かれたラベルのウイスキー瓶から、コップに注いで空席の椅子の前に座る。



『アルトよ、この酒は中々うまいぞ。それに貴様のような貧乏人が一生飲めないような代物だぞ』

「ではお言葉に甘えますね。てか、デスリッチってどうやって吸収してんだよ。全部骨じゃん」



 ホーリークロスさんの言葉に甘えて俺は席に座り、テーブルの上にあるコップに入った琥珀色のウイスキーを鑑定スキルを使用する。

 毒とかは大丈夫だと思うけど一応ね。




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名前:愛しのサティ(スイートサティ)



備考:とある魔王が子供が産まれたことを記念に作成したウイスキー。自分と妻の故郷、そして、娘が産まれた場所から採れた原材料で作成したもの。慣れないながらも試行錯誤して作成した。アルコール度数はそこそこ高い。


作成者の残留思念:いつか、家族で飲むのが夢だったがそれはもう叶わない。できれば私か……愛しの娘を知るものに飲んで欲しい。もしくは友に巨乳な女の子がたくさんいるところで味わってほしい……

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 これは……ルシファーさんが作ったのか……俺は遠慮なく口をつける。味は少し甘みが強い。鑑定結果を見たのもあるかもしれないが、ただのウイスキーだと言うのに、不思議とサティさんの笑顔が思い出されるような気がする。



「ふふ、これならあいつも喜んでくれるだろう」

「あなたはルシファーさんの友人なんですね」

「ああ、若い時に王都に潜伏中の彼と出会ってね、一緒に風俗を楽しんだ仲さ。あの頃は私も若かった……色々な経験をしたものだ。つらい経験も楽しい経験もね……それに、娼婦もみんな年上だったのに……今では私の方が年上になってしまったよ……」



 ホーリークロスはどこか寂しそうに笑う。そういや、この人年上好きなんだっけ……もう、人間では満足できないのかもしれない。業が深いな……



「ああ、すまない。つい感傷的になってしまったよ。それで君に話というのは……」

「ジャンヌの事ですよね? 一体どうしたんでしょうか?」

『あの小娘の事か……』



 俺の言葉にデスリッチも反応を示す。何だかんだ気にしているんだなと思いつつホーリークロスの言葉を待つ。

 さっさと教会に返せって話だろうか? だけど、彼女の恋バナを聞いた身としては抵抗があるんだよな……

 しかし、俺の予想は外れることになった。



「ああ、君たちでジャンヌの腕輪を壊し、このまま魔王城に置いてもらうように魔王様にお願いをしてくれないだろうか」

「『え?』」



 俺とデスリッチは同時に聞き返す。なんで勇者パーティーの彼が聖女であるジャンヌを魔王城において欲しがるんだ?


サティさんにばれたらやばそう……


引き続き感想何を書けばいいかわからないかたは「( ゜∀゜)o彡゜おっぱい!おっぱい!」とかでも嬉しいです。よろしくです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 父親の娘に対する愛が詰まったウイスキー。 [気になる点] 残念過ぎる残留意識。 [一言] 流石は勇者輩出の名家。 VIPルームが様になりまする。
[良い点] >「俺にはサティさんがいるんだよ!!」  俺は鋼の意志で谷間から視線を外し、自分の膝を全力でつねり正気を保ちながら、カウンターのボーイに声をかける。  ここにいるのはみんな母さん、ここにい…
[一言] ホーリークロスより年上の娼婦って年季明けか 経営側に回るか用済みで捨てられて現役には居ないわなあ、人間なら 盗賊な勇者か・・・光魔法キラキラの使い手やな(棒
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