第一章 感情
「とうとうハイドファーMK103が....」
ホログラムテレビの音、故か1人の青年がベッドから這い出る。
「 」
そして、青年は彼の部屋で身支度を整え部屋から出て
、母親がいるキッチンへ向かう。
「おはよう まー君」
「 」
「机の上に朝ご飯あるから勝手に食べてね。」
母親は作り笑いと共にそう言い放ち作業に戻った。
インスタント朝食を喉に流し込み、学校へ行く支度をするため、部屋へ戻る。タブレット端末とその他をバックに詰め、顔を洗いに洗面台につく。
「 」
と、鏡の自分に言い放ち、水を浴びる。そして、部屋に戻り、現代人の命とも言えるハイドファーを被る。かなり新しいタイプのパソコン型のハイドファーだ。
「 」
そう言い放ち、玄関を出た。
降り続ける雨、綺麗に並べられたビル、見えない素顔、何もかも産まれた時から変わっていない。そして青年は整備された歩道を歩く。バスの中では誰一人として喋らず、自分のハイドファーを使いネットで我欲を満たしている。青年もまた同じだ。バス中では、雨音にかき消されそうになりながら、誰も聞かないラジオが淡々と流れている。
「 」
青年はそう心中て思いながらバス内を過ごした。
学校に着くと皆は、無言で椅子に座っている。みんなハイドファーのチャットで、話している。ゲームの事、テレビの事、など話してる内容は様々だ。青年は皆に、チャットでの挨拶を返しながら席に着く。人間の先生達の授業、居眠りしそうになりながらも懸命に授業を受ける。
昼休み、友人達から新しいハイドファーの話をされる。いつも通り。
残りの授業も居眠りしそうになりつつ受ける。その後、部活に励む。どうやらこの学校は、芸のある部活は一切無いようだ。
「 」
部活終わりにそう呟くと、家に帰る支度をする。天井の雲に隠れた日照ライトはもう薄暗くなっている。バスまでの帰り道、黒い猫を見かけた様な気がした。
「 」
そう猫を見て思った。
最寄りのバス停で降りると、異変を感じた、自分のマンションの明かりが一つもついていない。
「 」
青年はそう呟き、自室へ急ぐ。玄関のドアを開ける、誰かに荒らされた様に部屋がボロボロだ。
「 」
両親も見当たらない。青年はリビングへ駆け寄り、瓦礫をかき分け自分にとって大切なものを探す。すると突然、壁が弾け飛ぶ。中から政府の護衛ロボットtr-200が現れ、赤いレーザー光を青年の額に当てる。
「 」
青年は、力強言った。しかしロボットは、動じるはずもなく、近づいて来る。
「反乱分子発見、タダチニ抵抗ヲヤメナサイ」
「 」
青年は、思った。
「アナタノ行為ハ、憲法ニ違反シマス」
「 」
ロボットは、寸前まで迫っていた。青年は、意を決してロボットに両手を広げ、目をつぶる。
「 」
ロボットから機械音が聞こえた。しばらくしても何も聞こえない。
「 」
ゆっくりと、目を開ける。
「 」
ロボットは倒れていた。見る限り電池切れの様な状態だ。
「 」
この国の法律では、自衛ロボット一機でも壊した時点で極刑に値する。
青年は素早く部屋を後にした。そして、自分の為に、遠く、遠く、力尽きるまで走り続けた。
「」内以外でも感情表現を控えている為、自分だけの主人公が出来た筈です。「」いがいの主人公の心の声も聴いてあげて下さい。
どんな、青年になりましたか?もしかするとその主人公はアナタの心の中のもう一人のアナタかも?是非そうやって楽しんで頂ければ幸いです。そして、最後にこれは、
"アナタだけの主人公です"