第i章 虚数時間軸と▉▉博士
幾通りもある世界の一つで……
「起きたまえ」
誰かに目を覚まされた、だが自分がどこにいるのかが全く分からない。目の前には白衣に身を包み、軍帽を被った人が立っている。年齢は18ぐらいだろうか?性別は分からない、顔すらよくみえない。周りには工作機械らしきものと銃器が大量に転がっている。火薬銃も光学銃もある。弾薬もさまざまだ。
「起きたなら返事をしたらどうかね…いや、よくよく考えたら返事をしても君の声はボクには届かないな、これは失礼。」
どうやら目の前の人らしい。
「君は今酷く困惑しているだろうね…まあ安心しろ、小学生でもわかるように説明するから」
謎の人はさらに喋る
「とりあえず、ここはどこか説明しよう。ここは“元の世界”とは別の世界…所謂虚数軸さ。まぁ安心してくれ君は元いた場所に戻れるさ。」
まだ喋り続ける
「おっと、自己紹介が遅れたね。ボクは▉▉博士。このままじゃ呼びにくいか…『黒四角博士』とでも呼んでくれ。」
黒四角博士と名乗った人は話し続ける
「まず。僕は“女神”のご意向の元この世界にいる。とゆうかこの空間かな。“女神”の計画を手伝う。僕は報酬としてこの空間で研究を続ける。“女神”がボクに銃器の図面を描けと頼んだから何枚も描いたよ…無茶振りが過ぎるぜあいつ…おっと、愚痴になってしまったね。それで、何が話したいかと言うとだね…この世界は“元の世界”と繋がっていない。だからルイも、Bさんも、ミューも出てこない。出てくるのはボク、▉▉だけさ。」
どれだけ喋るんだこいつは
「ボクは観察者、ただそれだけだよ。あの世界の銃を作るのだから観察してなんぼだね。あぁ、言い忘れるところだった。▉▉博士は君の世界にいるよ。」
最後に▉▉博士は言う
「またこの虚数時間軸で会えるといいね…それでは、また今度。現実世界か、この世界で。」
またある別の世界で…
数多の世界に埋もれた日記
筆記者 不明
日付 不明
ようやく憧れの研究所に配属になった。私はティD博士の元について研究をすることになった。ティD博士というのは仮名で、実名は誰も知らないらしい。てか室長だしあの人、厳密には博士じゃねぇし。まあ博士号持ってるけどさ…
内容は「銃弾を使わない銃の制作」らしい。所謂レーザー銃とかになるのか?
あと、私の階級はまだただの研究員だ。そりゃ入ったばかりだから当たり前か。
日付 不明
研究が始まった。既存の高出力レーザーポインターをかき集めて試したが、この程度では木材を燃やすことすらできない。もっと出力を上げても厳しいだろう。博士が「光学系を研究をしている知り合いに聞いてみる」と言ってた。早ければ明日返答が来るらしい。
日付 不明
返信が来た、と言うよりは姿だけが来た。ホログラムってやつなのだろうか?そこで話をしたが、出来そうなものはあるらしい。まだ試験段階だから完成したら渡しに行くと言っていた。
書き忘れていたが、この人は高橋博士と言うらしい。最近は名前を隠すのが流行っているのか…?
日付 不明
高橋博士の挙動が怪しい。研究所から消えては設計図を完成させる。肝心なのは、研究所から数日姿を消したと思うと急に帰ってきて、設計図を完成させる所だ。何処で思考にふけてるのかはたまた…
sst
教えて!▉▉博士!!
Q.光学銃におけるフルオートはどのようなものなのですか?
A.一言で言うならストロボ照射です。レーザーポインターのように照射し続けることもできない訳では無いのですが、直ぐに発光装置とバッテリーが加熱してぶっ壊れるので簡単ではありません。実は排熱に関しては火薬銃よりも大変なんですよ。