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生徒会長がモテる理由  作者: プリン
生徒会の秘密
3/47

3 生徒会への立候補

 帰りのホームルーム。

 担任の吉沢先生は矢継ぎ早に連絡事項を告げ、最後に思い出したように話した。

「来月の生徒会選挙、一年生でも立候補できるから、もし、興味があれば、俺のところに放課後くるように。立候補届を渡す」

 吉沢先生がぐるりと教室を見渡して、ゆいに目をとめた。

「哀川、お前どうだ? 大好きな生徒会長さんと青春できるぞ?」

「や、やりません……」


~~~~


 放課後、部活に入っていないゆいは帰り支度を済ませて、昇降口へと向かった。

 下校する生徒はまばらで、運動部の掛け声が響いていた。


 ゆいは少し先に、さらさらと前髪がなびく生徒を見つけた。


 昇降口の隣にある用具倉庫に生徒会長がいた。

 真っ黒のセーターの袖には、「生徒会」と書いてある腕章がかけられていた。


 ふと、風が昇降口を突き抜けて、生徒会長の前髪を攫った。ゆいは生徒会長の黒髪を綺麗だと思った。


 ゆいがぼんやりと眺めていると、生徒会長はゆいの視線に気づいて微笑んだ。


 ゆいは気づいたら、職員室に来ていた。

「先生、立候補届、ください」

 吉沢先生はにっと笑い、立候補届を渡した。

「頑張れよ、応援してる」

「応援って、ちゃんと立候補についてですよね?」

「まあそれも含めて、色々だ」

 ゆいは雑に一礼し、職員室を出ようとしたところで、吉沢先生が呼び止めた。


「ああ、そうだ。高峰エイジ。生徒会長は、かなりモテるぞ」

 吉沢先生はガッツポーズをした。



 ゆいは帰路で考えていた。

 クラスメイトや吉沢先生が言っていた「生徒会長はモテる」ということについて、考えていた。


 たしかに、あんなに素敵なひとだから、多くの人から好かれるのだろう、とゆいは思った。

 けれど、誰も「なぜモテるのか」については話していなかった。

 ゆいはそのことが少し気になっていた、ような気がした。


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