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生徒会長がモテる理由  作者: プリン
生徒会の秘密
2/47

2 予想外の告白

 新学期、初めて袖を通した制服はまだ硬くて、ゆいは心身ともに居心地の悪さを感じていた。


 初めてのホームルームの時間は自己紹介から始まり、ゆいから始まった。

「哀川ゆい、です。えっと……」

 クラスメイトの視線が集まり、ゆいの膝はゆれていた。

「あの……」

 ゆいは何を話そうか考えていたわけではないけれど、頭のなかのものがぶっとんだ気がした。しかし、何かを言わなければ、と言葉を必死に探した。


「あの、入学式で会長に一目惚れしました! 会長がすごくかっこよかったです!!」


 やってしまった——


 クラス中がざわざわとして、クラスメイトがゆいを見る目は完全に正常なものではなかった。

ゆいはあがり症なところがあり、緊張してしまうと、思っていることをぺらぺらと話してしまう癖がある。これはゆいの大きな悩みである。

 ゆいは後に引くことも、当然、押すこともできずに突っ立っていた。


「うわ、最初からすごいキャラをぶちかましたな! 生徒会長って、たしかモテるってきいたけど、がんばれ!」

 隣の席の男の子が机をたたいて大笑いしていた。

「えと、その、そんなつもりはなかったのですが……」

 ゆいは恥ずかしさでおかしくなりそうだったが、なんとか自己紹介を終えた。


~~~~


 入学してから一か月が過ぎた。

 もう高校生活が終わってしまったとゆいは覚悟をしていた。けれど、初日からアブナイ人だったゆいは、なんとかクラスに馴染むことができた。


「そういえばさ、ゆいが初日に『好き宣言』した生徒会長さん、すごくモテるらしいね」

「『好き宣言』だなんてやめてよー。もうあれは過去の話なんだから……」

 ゆいは紅潮する頬をセーターの袖でぐっと隠した。


「で、ゆいはどうするの?」

 ゆいの友達、サラはゆいの耳元で悪戯っぽくきいた。

「どうって、どういうこと?」

「ふふふ、ゆいは会長と同じ生徒会に立候補しないの?」

「り、立候補ぉ??」

 

 驚いて大きな声を出してしまったゆいに、クラスメイト数名が寄ってきた。

「なに? ゆい、立候補するの? 会長さんを追いかけて?」

「書記の役職は一年生でも立候補できるらしいね」


「わ、私は立候補なんてできないよ。緊張しいだし、人前に出るなんてムリ」

 ゆいは両手をぶんぶんと降って否定する。




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