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番外編・一足先のチート紀行16

神様さんとケイトを待っていると、突然木々の間からふっと影が落ちました。


まさか、ケイトから逃れたジズ?


僕は思わず身構えました。


「あ、いた。これ、お土産」


ジズではなく、ケイトでした。


よかった…!


ケイトは人化しはじめ、


「うわぁ!?」


ケイトが持っていたジズの肉が落ちてきました。


僕はギリギリで避けられましたが、神様は翼の下敷きになってしまいました。


「うぐ、苦しい…」


「あ、ごめん」


ケイトが慌てて翼をのけています。


「置いていくのは勿体無いと思って。昼ごはんは、大きなローストチキン」


ローストチキン…いいですね。


カモメは小さめでしたし、これは食べ応えがありそうです。


なら、またあの豚さんに焼いてもらわないといけませんね。


「食べきれる?」


「食べられるだけ食べて、残りは…なんとかする。」


そうですね、ジズの肉は大きいので、食べきれないかもしれません。


もし余ったらどうしたらいいんでしょうか?


まあ、それはその時考えましょう。








「なあ、これ焼いてくれないか?」


ケイトが、豚さんに話しかけています。


近くを通りかかったので、ジズを焼いてもらおうと思い、ケイトが交渉する係になりました。


豚さんは足をガクガクふるえさせていました。


「火を吹いてくれるだけでいいから、だめ?まあ確かにちょっと大きいけど、お願い」


豚さんは、ケイトの言葉が聞こえているのかいないのか、ブルブルふるえて動けないでいます。


今回は、捕まえてくるんじゃなくて、お願いしようっていうことになりました。


が、この調子じゃ、豚さんに伝わっているかどうかもあやしいですね。


「あのさ、捕まえないし、追いかけて食べもしないし、力ずくで、とかしないから、お願い」


「…ぶ、」


あ、豚さんが反応し、


あれ?


豚さんはジリッと後ろに下がり、


「ブヒィィィ!」


豚さんはくるりと後ろを向くと、逃げ出しました。


「あっ、逃げた!」


ケイトがしっぽを掴んで、ぐいっと引き戻しました。


「な、痛いことはしないから。」


「ブブ、ブヒ、ブヒィ!」


豚さんが、既に痛いと訴えています。


「な?お願い、焼いて」


「ブヒィィッ!」


また豚さんが逃げようとしました。


「だめだって!」


「ブ、ブヒィイィ!」


またしっぽを掴んで引き戻し、豚さんが悲鳴を上げました。


これじゃ十分力ずくですね。


でも、豚さんには伝わっていないようなので、ちょっとなら大丈夫だと思います。


昼ごはんが楽しみです!








結局、半ば力ずくで豚さんにジズを焼いてもらいました。


「ん、美味しい」


「美味しいですね!」


「うん、美味しいなぁ!」


脂がのったジズは、カモメより美味しかったです。


ごちそうさまでした!


「結構余ったな」


「ですね」


ジズは、三分の一くらい余ってしまいました。


うぅむ、どうしましょう?


「どうせ移動する時は竜だし、持っていくか」


「いいと思います」


「明日の朝ごはんだね〜」


ジズの肉は、明日の朝ごはんに決定しました。






そして僕たちはまた、飛びはじめました。





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