番外編・一足先のチート紀行6
食事を終え、またケイトに乗って飛ぶこと数時間。
空は暗くなってきています。
「どっか寝られるところ探そっか」
神様の提案に、僕達は賛成しました。
どこか開けた草原みたいなところがいいでしょう。
あ、さっきヒッポグリフを食べたところなんか、いいんじゃないでしょうか?
ということを、双子の兄であるケイトも考えていたようで。
「ヒッポグリフ食べたあたりでよくないか?」
「僕もそう思います」
「あー、そうだね。しばらくは伝説の多い地域がこのあたりじゃ続くから、あそこはまだ安全な方だしね」
さっきの草原に決定しました。
空が真っ暗になったころ、僕達はあの草原に到着しました。
寝る場所といってもただ草の上に横になるだけですが。
「疲れた…おやすみ」
「え、無防備すぎない?大丈夫?」
神様が心配して声をかけますが、一日中飛んで疲れていたケイトは、すぐにすぅすぅ寝息をたて始めています。
「ま、心配するだけムダかぁ。リヒトくんも、おやすみ」
「おやすみなさい、神様さん」
僕も、ケイトほどではないですが疲れていたので、すっと意識は離れていきます。
明日は、主君を見つけられるといいなぁ…。
「ぐるぅ」
…ん?
何か聞こえたような?
気のせいでしょうか。
意識も沈みかけですし、気のせいだと思い、また寝ようと、瞼を閉じました。
「ぐる」
…気のせいじゃ、ない?
ガサッ
草を踏む音がしました。
間違いありません、何かいます!
僕はガバッと起き上がりました。
ケイトも神様も、まだ気づいてないようで、寝ています。
起こさないと。
暗闇にまだ目が慣れず、よく見えません。
ガサッ ザザッ
相手は、1、2…。
数えてみましたが、相手は移動している上、よく見えないので分かりません。
分かることは一つ、相手は数体います。
おそらく、少なくとも10体以上は。
早く二人に伝えないと。
でも、体が動きません。
金縛り?
喉がからからに乾いています。
どうしよう。
どうしよう、どうし…
「ガルウッ!」
相手の内の一体が地面を蹴る音。
見えな、
一瞬後に、右肩に激痛が走りました。
「っぐぅ、」
歯を食いしばって痛みに耐えます。
が、他の個体も地面を蹴って僕に飛びかかってきました。
今度は目が暗闇に慣れて動きが若干見えましたが、体は金縛りにあったままぴくりとも動きません。
動けないまま、背中や左肩にも次々に痛みが走りました。




