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55.ガイダンス2

「では、質問や確認したいことがある方は手をあげてください」


 そういうと、やはり何人かの手は上がった。


「質問ですが、1日のノルマなどは存在しますか?それと、労働時間などの再確認を行いたいです」

「ありがとうございます。まずはノルマですが、基本的には存在しません。大前提に1日に製作できる魔導具の数が分かっていないということもありますが、ノルマなど意味をなさないからです」

「…意味を成さないとは?」

「建前としては、第一に魔導具を作成できるのは私たちしかいない事です。

簡単に言えば競争相手がいないため、作れば作るだけ売れます。ノルマを設定する必要があるのは、売れる時に一気に売るためでしょう。

第二に言葉通り意味がないからです。

スキルを使用すると多少なりとも魔力を使用します。ノルマを達成しようとスキルを使う速度を速めても、魔力の回復速度は変わりません。つまり、ノルマがあろうが無かろうが1日に作成できる魔導具の最大の量は変わらないのです」


 魔力は休まなければ回復することがない。魔力軽減を付与した手袋を支給するが、それでも午前と午後で作成できる量は決まっているのだ。もちろん逆に数を減らすことは可能だが、そこは本人のやる気次第となってしまう。


 例え話だが、もし魔力回復ポーションを飲ませたとしたら休みなしで付与をすることが可能なため、ブラック企業真っ青なレベルで働かせることができるが、それをしてしまえば完全にブラック企業になってしまう。


 あそこの会社のあの部署で働いたらお腹がタプタプになるだなんて噂が立ったら誰も希望し無くなってしまうし目も当てられない。


「…なるほど、建前と言っていましたが本音は聞かせてもらえるのですか?」

「はい…。えっと、この会社は設立したてで、本当の意味での上司も部下も存在しません。つまり、年の差があっても全員が同期なのです。

更に、この魔導具を作成するという仕事は誰にでもできる仕事ではなく、貴重なスキルポイントを使った皆さんと私たちが作成している魔法陣があって初めてできる仕事なのです。

さらに、言ってしまえばこの会社に志望した方は溢れるほど居ました。つまり皆さんは多くの人の中から選出された代表です。

私と兄さんが選んだ皆さんに代わりの人員は居ない、だから働かなければならないのではなく働きたいという会社にしたいのです」

「なるほど…これからよろしくお願いします。雫社長、怜副社長」


 どうやら雫の本音を聞いただけで労働時間については答えなくても大丈夫なようだ。

 怜は、今の雫の言葉によって、ただの雇い主という目線から上に立つ者として認めた目線に変わった事を感じ取った。


 雫が目指したいものは、ブラック企業ではない本当のアットホームな職場という感じで、やってはいけない事はすでに契約魔法付きの契約書で決められているし、どこから調べたのかは知らないが、鈴華さんがパワハラやセクハラ、職務怠慢を行っていたような人員は弾いているため余程のことがない限り雰囲気は悪くならないはずだ。


「他に質問などはありますか?」

「無いようなので、終わりの前にこれから頻繁に顔を合わせると思いますので、皆様が付与する元となる素材の加工担当の代表の方を紹介だけさせてください。もしかすると知り合いの方も居るかもしれませんが、繊維工場を営んでいた女社長である大津翠さんです」


 やはり、知り合いだった人がいたようで、大津さん!という声が聞こえてきた。彼女を課長とした理由は、女社長として活躍していたというものもあるが、なんと精密操作のスキルを最初から持っていたのだ。

 管理職に就きたいという希望を出した人も特にいなかったため、上に立つことが得意だと考えられる彼女が選ばれたわけだ。


 挨拶と紹介も終わり、締めとして雫が発言するように鈴華さんに促された。


「最後に、まずは私たちのようなまだ成人もしていない者たちが設立した会社に入ってくださりありがとうございます。実を言えば、応募だけなら採用した方たちの約100倍以上の方が入りたいという希望を出してくださいました」


「能力だけを見れば優秀な者など他にも沢山いたかもしれません。しかし、私たちはどちらかというと人柄などを重視させていただきました。

魔導具というものは世界に生まれたばかりの技術であり、特許や資格は存在しません。ならば、この仕事に必要なのは何かと聞かれれば、自主性だと考えています」


「モンスターが現れるようになった世界で、富士山の竜や北海道や四国などの未だ私たちでは届かないモンスターを倒す一手に、私たちの技術によって奪われたものを取り返す一手になれるように頑張っていきましょう!」


 人は何か目標があった時に頑張れる生き物であり、それは怜も雫も同じだ。雫の目的の根底にあるものが怜を有名にすることだとしても、怜の目的の根底にあるものが雫が特集記事に掲載されることだとしてもモンスターを倒すための技術にするという目標が存在している。


 入社した者たちには、四国や九州から避難してきた者も多く存在している。だからこそ、モンスターを倒すための技術という目標は全員の目標として共有されたのだろう。

最近文字数が3000文字未満になっています。投稿前の加筆であまり増やさなくても伝わりやすくなった弊害なので文章力が上がったといってしまえばそうなのですが、増やせるように頑張ります。

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