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6.VSミノタウロスキング

みと打つとミノタウロス3種類が真っ先に候補に挙がるようになりました。

「よく考えたらここはまだ10階層だ。そして多分魔力を含んだ肉ほど美味いはずだ…。ならこの先にはさらに旨い肉がある!?よし、すぐに突破しよう!」


 そしてボス部屋に入る。見慣れたミノタウロスより一回り大きいミノタウロスが2体と、さらに大きいミノタウロスが1体いた。すぐさま鑑定を使う。


「『鑑定』」


種族:ミノタウロスリーダー

 Lv:350

 HP:381750/381750

 MP:100/100

 筋 力:S+

 防 御:A+

 魔 防:B-

 知 力:D

 精神力:D

 生命力:S+

 速 度:C-

 器 用:D

 会 心:D

   運:D

  スキル:棒術:Lv.7 咆哮:Lv.5 指揮:Lv.5


種族:ミノタウロスキング

 Lv:500

 HP:500000/500000

 MP:1000/1000

 筋 力:SS

 防 御:SS

 魔 防:A-

 知 力:D

 精神力:D

 生命力:SS

 速 度:C-

 器 用:D

 会 心:D

   運:D

固有スキル:狂化Lv. MAX 王の威圧:Lv.6

  スキル:棍棒術:Lv.6 咆哮:Lv. MAX カリスマ:Lv.7 硬化:Lv.3


「「「ブモオオオォォォォ」」」


 流石にボスモンスターなだけあり、ミノタウロスを狩りまくった怜よりも圧倒的にレベルが高い。しかし、ステータスは全て確認できる。つまり…力量に差はほとんどないという証明。そう判断し気持ちを切り替える。恐れず、食料程度にしか見ないように意識をする。


 戦闘開始、互いに様子見をする中、先に動いたのは怜だった。まずは近くにいたミノタウロスリーダー1体を狙う!


「『ウォーターストーム』!」


 何十体ものミノタウロスを殺してきた必殺の一撃。ミノタウロスリーダーは、2属性が合成されたその魔法を棍棒で受け止めようとするが、棍棒をもろともせずに切断しそのまま腕まで切り飛ばす。


「よし!通じてる!そっちのミノタウロスもだ!『ウォーターストーム』!」


 怜はそのままもう一体のミノタウロスリーダーを狙う。しかし、仲間が腕を切り飛ばされる様子を見ていたミノタウロスリーダーは自分ではこの魔法を受け止めきれないと判断し、学習したのか魔法をよけた。

 しかし怜は気にせずに、腕を切り飛ばした方のミノタウロス一体を確実に仕留めるために詰め寄る。怜は速度S、対するミノタウロスはその巨体で速度C-だ。こちらの動きに辛うじて付いてくることしかできないようで、動きに翻弄されている。焦ったミノタウロスが棍棒を振り下ろしたことで隙ができた瞬間に接近しそのまま袈裟に切り飛ばす。


「まずは一体!」


「ブモオオオォォォ!」

「ブモォ!」


 一体目のミノタウロスリーダーを倒し、光の粒子に変わった瞬間にミノタウロスキングが声を上げ、それに応えるようにミノタウロスリーダーも咆える。それと同時にミノタウロスリーダーに赤い靄が現れ漂いはじめた。

 怜はミノタウロスリーダーの威圧感が少し増したことを感じ取った。多分、ミノタウロスキングのスキルであるカリスマの効果だ。その効果に驚きつつも気持ちを切り替え、次の攻め方に入る。


「『ウォーターストーム』」

「『ストーンバレッド』」


 ミノタウロスリーダーが脅威だと感じているウォーターストームで進路を絞り、目くらましにストーンバレッドで石礫を飛ばす。先ほどよりも速く重くなったミノタウロスの攻撃、だが怜には当たらない。技がない攻撃などもはや怜の敵ではない。

 魔法で誘導されているとは思いもせずに振り下ろされた棍棒を避け、明らかな隙ができた一瞬で背後に回った。


「『フレイムランス』」


 放った火の槍が背中に刺さり、貫通する。声を上げることもできないミノタウロスは、こちらを一瞥し、にらみつけてからそのまま光の粒子へと変わった。残るはミノタウロスキングただ一体だ。


「さあ、最後はお前だ。」

「ブモォォォォ!」


 仲間を殺された怒りに声を荒げ、咆哮を飛ばしてくる。しかし怜は怯まない。怯えたら、心が折れたら負ける、殺される、雫に会えなくなってしまう。それ故に守りに入らずに攻める。後手に回らず主導権を握る。


「『ポイズンミスト』」

「っ!?なにっ!?」

 ミノタウロスリーダーにも使っていない完全初見であるはずの毒を受けたはずのミノタウロスキングに毒が効いている様子が見られない。ダンジョンに来てから初めての予想外に焦る、しかしどこかに毒が効かない原因が、毒から守るための要因があるはずだ。


 思い出せ、レベル1の自分の毒は格上のミノタウロスに通った。つまりレベルや使用した魔法が問題ではない。ならばミノタウロスキングに直接要因があるはずだ。…よく観察してみると今までどのミノタウロスも着けていなかった首飾りをつけている。もしやこれが原因か。


「『鑑定』」


聖浄の首飾り:状態異常を無効化する。


「魔物のくせに聖浄とかつけてんじゃねぇよ!」

 思わず突っ込んでしまった…しかし、ネタは割れた。回復の魔法を持つわけでも特殊な効果でもなくただのアクセサリーだ。状態異常を防ぐ効果しかないのならば、状態異常に関係する魔法を使わなければいい。


「『ウォーターストーム』」

「ブモォォォォ!」


 直撃。しかし、当たる直前に何かのスキルを使ったようだった。その証拠にミノタウロスリーダーさえ軽々切り飛ばすウォーターストームで与えることができたダメージは、表面に軽く傷を負った程度だった。

 ミノタウロスキングの肌が黒くなっている、そして固くなった肌。これはスキル:硬化だ、表面の肌の固さが大幅に上昇し防御力が格段に跳ね上がっている。直接の剣による攻撃でも弾かれてしまった。だが問題はない、倒す方法は考えてある。奥の手になるが出し惜しみはしない。


「『付与:風魔法』」


 剣に風魔法を付与することによって剣の切れ味を向上させる。魔法剣士という職業が現れてもいいと思っている。


「うらああああ!」

「ブモォォォォ!」


ザンッ!


 格段に切れ味が上がった剣は、何の抵抗もなくミノタウロスキングの片腕を切り飛ばす。そしてそのまま…なっ!?


「ブモオオオォォォ!」


 突如ミノタウロスキングが咆えた。そして、一気にミノタウロスキングの存在感が膨れ上がる。理性を感じさせないめちゃくちゃな、しかし先ほどまでとはスピードもパワーも段違いな動きで暴れ始めた。スキル:狂化だ。奥の手であった風魔法を付与した剣ですら狂化したミノタウロスキングの肌は弾いてしまった。

 突然訪れたピンチ。怜は急いで気配を殺し、距離を取り考える。


 敵の理性はない。敵の片腕がない。敵は典型的なパワータイプだ。敵は硬い肌を持っている。弱点もつけ入る隙も存在するただのモンスター、負けることなどありえない!


 考えろ。思考し、纏め練り上げろ!


 思い出せ、今までの戦闘を、ラビリスの言葉を!


 その瞬間怜の頭に浮かんだ確かな道筋。ラビリスは言っていた。ルーン語で魔法を作ることができると。即ち、持っていない属性でも未知の属性だとしても魔法を作ることは可能。あとは、今考え付いた道筋を、それをなぞるだけ!

 魔力操作で大量に魔力を注ぎ込み唱える。


「『ウォーターボール』」


 目の前に現れた巨大な水球。怜はそれを空中に浮かべ、維持したまま次の段階へ移行。

 ミノタウロスからドロップした有り余る武器の数々、アイテムボックスから取り出しそれに向かってスキルを使い、唱える。


「『錬成』」


 この武器の数々は、全てミノタウロスの角でできている。そして血から塩を取り出せたように、錬成では合わせるだけじゃなくて取り出すことも、分けることもできる。つまり、角からカルシウムの成分を取り出すことができる。

 抽出されたカルシウム、そこにすかさず怜は唱える。

「『ファイアボール』」


 水球とカルシウムを合わせ、石灰水を作り出す。


「いけ!」


石灰水はミノタウロスキングに当たり、体とあたりを濡らす。


「…あぁ、おもしろい。思った通りに動き進むぞ!」


 この状況を、怜は楽しんでいた。

 定石と化していた手を易々と打ち破られ、奥の手に考えていた魔法剣さえも破られた。つまりこの展開まで読むことのできなかった怜の怠慢だ。

 ミノタウロスキングは自分の魔法の少なさを実感させてくれた、自分の剣術の腕の低さを見せつけてくれた、奥の手などと考えていた技能を簡単に打ち破ってくれた。


 ここは“まだ”10階層だ。たった10階層で強くなった気になっていた自分をここまで考えさせてくれ、そしてある可能性に思い当たらせてくれたミノタウロスキングに敬意を表し、全力で決めに行く!

 組み合わせるのは水と風のルーン語。水風複合上位属性、雷属性を造り出す!勝ちへの道筋はこれでたどり終わる。つまり終着だ。


「これで終わりだ!」

「貫け!『サンダースピア』!」


「ブモオオオォォォ…」


——スキル:雷魔法を取得しました——

——スキル:剣術のレベルが上昇しました——

——スキル:剣術のレベルが上昇しました——

——スキルレベルが最大となりました。スキル:剣豪へと進化します——

——スキル:錬成のレベルが上昇しました——

——スキル:錬成のレベルが上昇しました——

——スキル:錬成のレベルが上昇しました——

——スキル:錬成のレベルが上昇しました——

——スキル:錬成のレベルが上昇しました——

——スキルレベルが最大となりました。スキル:錬金へと進化します——

——レベルが上昇しました——

      ・

      ・

      ・


——レベルが上昇しました——


 脳内の無機質な音声と共にミノタウロスキングが光の粒子へと変わっていく。怜が勝利したことを確かに証明していた。


——新世界初ボス討伐を確認。特典として、SP10ポイント付与。スキル:トレジャーハンターを取得——


 大量のドロップアイテムを回収し終えたと同時に、何もなかった部屋に幾何学模様の魔法陣が浮かび上がり、宝箱が発生した。とてつもなく豪華で、とてつもなく大きな。


スキル:トレジャーハンター

 宝箱の罠の効果を失くす。


読んでくださりありがとうございます。


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