42.宣伝だよ!
Side:神崎怜
突然足元が光ってダンジョンの外へと強制転移させられてしまった。だが、転移魔法陣を見ることができてその魔法式はバッチリと目に焼き付いている。雫の足元にまで魔法陣が現れた時は焦ったが、結果的に実害もなかったし、これはむしろ転移魔法陣の作成には良かったのかもしれない。
「すまない!通してくれ!っ!そこか!」
街の人はいきなり人が現れるとは何事だと集まっており、転移された冒険者も何が起きたのかよく把握していない人が多いようだ。そんな中聞き覚えのある声がした方を振り向くと、菅原隊長がいた。
…俺たちがダンジョンに潜ったりしている時はいつもいる気がするが、もしかして土曜日は神奈川県にいることにしているのだろうか?そうだとしても今回は都合がいい。
「こんにちは、菅原隊長」
「あぁ、ギルド前に人が次々と現れるという報告を聞いて来てみたのだが…まさかダンジョンに異変が起きたのか…?」
あぁ、転移なんてジークムントしか使用した人はいない能力なのに、突然ダンジョンの目の前に人が次々と転移してきたらダンジョンの異変を疑うだろうな…。まぁ、今回は異変と言えば異変なのだが。
「いえ、ダンジョンを攻略したところ、ダンジョン内にいた人が全員外に出されたみたいです」
「そうか…スタンピードの前兆とかではなかったのだ…なっ…!?攻略しただと!?本当か!?」
「はい、ダンジョンのコアらしきものを手に取ったときにアナウンスがなったと思うのですが、内部にいた人には聞こえませんでしたか?」
「攻略したか…怜くんが嘘をつくとは思えんし…確認を取るから待っていてくれ」
菅原隊長が確認しているのを横から聞いてみると、どうやら攻略されたことと上限式ダンジョンに変化すること、追い出されることしか聞こえていなかったようだ。教える予定ではあるが、今雫が持っている安置石のような攻略報酬は公開されないという事は正直ありがたい。攻略報酬がダンジョン内に響き渡ったら、もし欲しいアイテムだった場合に強奪されてしまう可能性も出てきてしまうだろう。
初級ダンジョンだから攻略報酬は安置石のみなのだと思うが、もし中級ダンジョン以上の報酬になると多分魔導具とかの他の報酬も付くからな…。
「…怜くん、上限式ダンジョンとは何か分かるか?」
「こうだろうという予想はありますが、事実は分かりません」
これは俺も予想外だった。時空のダンジョンは崩壊したため、正直最上級ダンジョンがそうならば、ダンジョンは攻略されると崩壊すると思っていたのだが上限式ダンジョンに変質するだけに留まった。
…まぁ、正直初級ダンジョンだけすべて攻略されて無くなったらそこから先はもしレベルを上げた現役が引退したらどうするんだ?と思っていたから、なくならない方が助かるのだが…こればかりは後でラビリスに崩壊しない理由について確認するとしよう。
「とおりあえずは予想でいいから教えてもらってもいいか?」
「はい。予想としては、モンスターが生まれる数の上限が決まっているダンジョンに変化したのだと思います。しばらく放置してモンスターの数の増加量を調べれば結論は出ると思いますが、多分このダンジョンからスタンピードは起こらなくなった…と思います」
「…そうか、よし、ここに潜っている冒険者には悪いが、ここはしばらく調査に回すように手配しよう。…何か他に報告はあるか?」
「攻略報酬として安置石というものを貰いました。スタンピードの時に使った魔導具と同じものです」
ここで同じものといったのは初級ダンジョンで手に入ることを知ったからだ。多分安置石は確定報酬なのだろう、次の攻略以降で知られるくらいなら先に言ってしまおうと思ったのだ。
「っ!そうか…皆の者聞け!聞こえた者もいると思うが神奈川県の初期ダンジョンが攻略された!まだ可能性は低いがこのダンジョンからスタンピードが起きる事はないと思われる!
攻略したのは神崎怜と神崎雫のパーティ、風神乱舞だ!今この時をもってこの2人を銅ランク冒険者とする!」
「「「うおおおおおおお!」」」
「すげぇぞ!」
「スタンピードに続いての活躍か!」
「あいつはやる奴だと思ってたんだよ!」
賞賛の嵐だが、いつの間にか一言ずつ言ってくれと、何かを言わなければいけない雰囲気になっている。世界は情報があまり出回っていないためよく知らないが、日本で初となるダンジョン攻略なのだから当然といっちゃあ当然なのだろう。雫とアイコンタクトをして話を始める。
「今回神奈川県の初級ダンジョンを攻略した風神乱舞だ!簡単に俺の妹である雫から一言だけ言わせてもらう!」
こうなった以上何かを言わなければならないが、俺たちは1つだけ言うべきことを常に持っていたのだ。
「はい、知っている方も多いかと思いますが、神崎雫です。私からは1つだけ、会社名がArtカンパニーに決定しました!開店したら是非買いに来てください!」
「「「宣伝かよ!」」」
やり残しメモ消化みたいな感じなので2章と変わらねぇじゃねぇか!という意見は受け付けます。作者も若干思っているので()




