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16.その後の動きと魔導具開発

少し短いです。

 ダンジョンが現れ、ジークムントという英雄が現れてから一夜が経った。

 神奈川にできたダンジョンの数は3つ、そのうち1つは、怜の高校に現れたらしく、学校は市全体で全部の学校が休校になっている。ダンジョンは、魔力を循環する役割を持っていただけあって、火山や大陸の境目、海中、そして空中など、様々な場所にできているらしい。


 ちなみに、最上級ダンジョンは最低でも、高知と香川、愛媛、徳島、となぜか四国に4つもできていた。ラビリスによると、昔存在していた、海の中央にあって四獄と呼ばれていた場所に似ているらしく、きっと、長年でここまで移動したのだろうと言っていた。

 結果から言ってしまうと、四国は壊滅した。封印を解除した瞬間に封印前に残っていた最上級ダンジョンの魔物が多数現れ、死者が多数出た。同じように、北海道でも一瞬で魔物が溢れたらしく、ジークムント様がご降臨なさった時には、既に火の海になってしまっていたらしい。生き残りがほとんどいなく、最上級ダンジョンもあるのではないかと疑っている。


 ニュースでは、自称専門家が連日連夜議論を重ね、日本各地には、自衛隊が派遣されている。しかし、四国へ行った自衛隊が着陸した瞬間に全部隊壊滅、九州の鹿児島の桜島にできたダンジョンの近くでも、壊滅的被害を受けて、九州全域に避難指示が出ることになった。他にも、北海道は着陸すら不可能、そして、富士山上空を飛んだ飛行物体は、一つ残らず亜竜に墜とされた。


 そんな中、怜が何をしているかというと

「兄さん似合ってますよ!」

「そうだろう!この白衣を着るのも久しぶりだからな!」

 そう、白衣を着て魔導具を作ろうと考えていた。 ちなみに白衣はただの雰囲気であり、危険な薬品を使うわけでも、そもそも薬品すら扱わない。

 ラビリス曰く、昔は、レベルや職業、スキルを表示させるステータスカードという魔導具があったらしい。だから、そういうものをつくって広めることに成功すれば、冒険者制度ができた時に便利になったり、絡まれても、これ一つ見せるだけで解決することができると考えていた。


 しかし、雫に昔書いた論文と共に「やっぱ古代文明あっただろ?」として欲しいと頼まれた。怜自身は一切気にしていなかったのだが、雫に「兄さんの汚名返上の機会なのにしないとか考えられません!」とか、「兄さんの素晴らしさは私だけ知っていればいいですけど、凄さは広めたいのです!」などとすごい剣幕で言われたら、怜には公表しないという選択肢がなかった。しかし、自分から公表するのではなく、学会が勝手に気づいて、どうにかして取り入れようとしてくるであろう行動を見物するのもいいと思っていた。


 ステータスカードは、単純な構造であるが故に作成は困難を極めた。ただステータスを表示させるものを作るのならば、鑑定の魔法陣を転写して流した魔力を鑑定する機能を作るだけでできたが、怜には、隠さなければいけない、いや、絶対に見せてはいけないステータスが表示されてしまう。


 だから、偽装を使いながらステータスカードを起動させると、偽装されたステータスが表示されるレベルの鑑定スキルに調整する必要と、情報の秘匿と、安全性のためにスキルやステータスを、隠したり表示させることを自由自在にできる機能と、身分証という立場を確立させるために、冒険者登録していない人、つまりカードを受け取った人本人以外が魔力を流しても起動しない機能、個別認証をつける作業が大変だった。


 鑑定に隠蔽を重ねることで、表示、非表示機能を完成させたところまでは良かったが、魔力で個人を判別するにしても、雫と怜の2つのサンプルだけでは、魔力の個別認証機能を完成させるには心もとなかった。そんな時、ラビリスが、怜が集めていたオーパーツの一つを見て「あれ?これ使用者登録の回路が組み込まれているみたいだから、分解して解析すれば個別認証にも利用できそうじゃない?」と言ったため、ばらして、解析して試してみたら完成した。


 もちろん、調整した鑑定を利用しているため、偽装した状態で魔力を流すと、ステータスはばっちり偽装されて表示されている。しかし、怜は重大なことに気づいた。このままでは、全冒険者の分のステータスカードを作らなければいけなくなってしまうと。

 そのため、次は、ステータスカードに転写されている魔法陣を、自動で転写してくれる機械を作らなければならないと考えた。これは、意外と簡単で、錬金術で魔法陣の判子を、魔力の通りがいい功績で作成し、魔力を通すと自動で転写してくれるようにするだけで完成した。怜はこれを、とりあえず3個、そして、最終的には大きいギルドの数だけ作ろうと考えていた。

 ちなみに、怜が表示させる予定のステータスはこれだ。


名前:神崎 怜 職業:(研究者Lv.1)

 種族:人間

 Lv:3

 HP:130/130

 MP:10/10

 筋 力:G

 防 御:G

 魔 防:G

 知 力:B-

 精神力:G

 生命力:G

 速 度:G

 器 用:C+

 会 心:G

   運:D

 CP:100

 BP:95

  スキル:言語理解:Lv. MAX 限界突破:Lv.2 転写:Lv.1


 もちろん雫とダンジョンにも潜ったり、冒険もするが、基本的には魔導具開発者というスタンスで行くつもりなので、このステータスと職業で表示させることにした。ちなみに、重大な成果を上げていれば雫もスタンピートが起きた時などに、優先的に逃してもらえるだろうという打算込みだ。もちろん、時空のダンジョン90階層以降レベルの敵が来ない限り安全なように考えて行動しているし、もちろん、そんなモンスターが雫に迫るような事態には、怜がさせないし、起きたら全ての能力を晒してでも助けるが。


 次に作り始めたものは魔法の撃てる拳銃だ。作り始めた理由は何個かある。1つ目は、雫とダンジョンに潜るためのカモフラージュだ。怜の職業には、研究者と表示されることになっている。ならば、戦闘職を選ぶ予定である雫と同じペースで攻略をしてしまったら不自然なことになってしまう。であれば、ステータスに依存しない武器を作ってしまえと考えたわけだ。

 2つ目は、ただのロマンだ。


 制作するにあたって出てきた課題は、魔力を流す方法と、弾丸に小さな魔法陣を転写することだった。魔法陣を転写する方法は、ひたすら回数をこなしていたら、精密操作というスキルが手に入ったため、即座にレベルを最大にしたら、簡単にできるようになった。それと、付与する魔法は、使用する鉱物によって最大レベルが変化するようだった。最上級ダンジョンのモンスターを討伐できるレベルの魔法を込めるには、ミスリル以上の特殊金属を使う必要があったが、中級、上級を相手にするには、魔力を流し込んだ普通の金属で充分だった。


 暫定的に魔法銃と魔弾と名称をつけ、ひたすら撃つ練習をした。少しでも精密な射撃をできるように、弓術をとって弓神までしたところ、百発百中といえる精度になった。


 そして、事態は動き出す。ダンジョンを発生から3ヶ月ほどだった頃、中国のダンジョンが氾濫し、大量のモンスターが地表に現れた。

 スタンピードが起きたダンジョンは多分上級以上だったのだろう。中国では一切太刀打ちできず、遂にはアメリカに要請をして、核を落とした。しかし、核を以てしてもダンジョンから溢れだした上位のモンスターはほとんど倒しきることができずに、あっという間に国が崩壊した。


 日本は、その事実を受けて、連日抗議デモが行われた。そして、ついに銃刀法の改正とダンジョン法案が可決され、冒険者という職業ができた。

読んでくださりありがとうございます。

次の更新は明日の20時です。


閑話を投稿するかもしれません。

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