1.プロローグ
初投稿です!至らない点が多いと思いますが、これから磨いていけたらと思います。
彼は正しく天才だった。
8歳で博士号を取得し、9歳で天才の名を思うがままにした。
彼は天才と呼ばれても、神童と称えられようとも満足しなかった。
彼が求めたのは、彼が求めたものはたった一つだったからだ。
『オーパーツ』 out-of-place artifacts、つまり、遥か昔に造られたはずなのに用途が不明であったり、今の技術では作れそうにない謎、遺物、神秘。
彼はそれを解き明かしたかった。
発見はたまたまだった。
彼には1つ下の妹がいた。
彼が10歳になる頃、いつものように妹と遊ぶために彼は、廃棄予定だった資料を紙飛行機にして遊んでいた。
飛ばされた紙飛行機の先にあった遺物を見て、妹がふと「これとこれの傷似てるね」なんて無邪気に見せてきた。
…確かに妹が見せてきた遺物にはどれも似た模様が付いていた。ただの傷のように見えるが、指摘されればそのようにしか見えなくなっていた。きっと言われなかったら気づかなかっただろう。
偶然とはいえ、今までの長い研究の中で気づかなかった新発見を見事にして見せた最愛の妹にキスをして研究に向かった。
ただの傷にしか見えなかった模様は文字だったと言うことが判明した。
その文字を解読するために、彼は写真ではなく、世界中の実物のオーパーツと、遺跡の資料を取り寄せた。
解読した時、衝撃の事実を知った。
解読した遺跡の壁面には、ただの傷ではなく文字が彫られており、このようなことが書かれていた。
「終末、魔を司りしものが4つの洞穴より溢れた。
神の尖兵が破れ、蹂躙が起きた。
四獣と神々が命と引き換えに封印を施した。
神の復活と共に封印は破られる。」
つまり、魔物が4つの迷宮から溢れだした。
人類は敗れて蹂躙された。
四獣と神々が命と引き換えに魔物を封印した。
神様が復活するときに封印の効力が無くなる。
という意味だろう。
こんなただの創作のような文章を読んでも、突拍子もない話か、精々創作だと思うだろう。
しかし、世界各地の壁画に掘られた文字と存在する遺跡がその真実性を示した。
曰く、神は存在する
曰く、地上絵とは四獣の跡
曰く、ピラミッドは術式である
彼は神の存在した世界を源基世界、今の世界を改変世界として研究を進めた。
少し経った頃、"時計のような形の置物"であった遺物が突如動き始めた。
0まで約5年。それは、封印が解けるまでのタイムリミットであった。
彼は急いでその研究と考察を綴った論文を発表しようとした。
しかし、成人にすら届いていない彼に向けられたのは嘲笑、侮蔑、軽蔑。
神童が堕ちた。
妄言に囚われた
子供の戯言
そして彼は姿を消した。
彼は別に有名になりたかったわけでも人類の役に立ちたかったわけでもない。
最初は神秘を解き明かしたかった。そのための情報を手にするために動いたら勝手に神童などと呼ばれていた。ただそれだけだ。
姿を消した後も、彼は自棄になることも諦めることもなかった。
しかし、その行動理念は、人類を救うなどといった大それたことではなく、自分を唯一信じてくれた妹を守る事ただその一点であった。
有り余る金で世界各地に土地を買い、核も通さぬシェルターを作り、セキュリティシステムを自ら構築した。自分ができる限りの安全対策を、保険をかけ、来るその時に備えた。
そしてついにカウントが0になる日はやって来た。
その日は、いつものように妹に起こされ、ご飯を食べ、ハグをしてから出発する何の変哲もない日。
平凡に振る舞い、誰も彼を神童などと呼ばれていたと気づかない、気づかせない、知らない世界である学校へ向かう。
いつも通りの朝、いつも通りの風景、しかし歩いていくうちに気づく。
騒がしい商店街も、渋滞ばかりの交差点にも一切人がいない事に。
封印が解ける前兆なのか、それとも滅びる直前の走馬灯のようなものなのか。妹の雫のもとへ戻ろうとした直後、足元に幾何学模様の魔法陣が展開された。そして彼、神崎怜は光に包まれ——神に会った。
1章終了まで毎日更新します。




