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おやぢ的 不思議ばなし【鶴亀奇譚】  作者: OKKUN
島太郎 人生で初めて働く
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「そして、三つ目。

 仕事は真剣に、真面目に取り組め。


 今から最初の漁が終わるまで、島太郎は俺に付いて仕事をしてもらう。

 いや、言ったように仕事どころではないだろうが、取り合えず 俺付きだ。

 凸凹水産に入社した者は最初は 皆んな俺付きになってもらうことになっている」



「見てみろ。

 皆んな 一生懸命働いてるだろう。

 でも、心の中では馬鹿らしくてやってられるかと思っている奴らが多いんだ。


 正社員はそれなりに真面目だ。人の命を預かっていたり、役職に誇りをもっていたりするからだ。

 

 だが日雇い連中──言葉は悪いが連中は、見えないところでは楽をしようと手を抜く。

 自分がやらなくても誰かがやってくれると お気楽きらくなもんだ。


 中には、真面目な奴もいて見えないところでも一生懸命にやったり、手を抜いた奴のフォローをする者もいる。


 よく観察していれば その違いはわかる。

 頑張ってる奴は人目を気にせず黙々と作業をする。

 頑張ってる風を装ってる奴は、やたらと人目を気にする」


「正社員の中にも日雇い上がりが数人いる。

 人目を気にせず、責任を持ってやっている者は正社員にとりたてている。元々 向上心があるから、さらに真面目に働く。


 逆に向上心のない奴は責任のある仕事も嫌うし、いつまでたっても日雇いのままだ。

 まあ本人が その 方が気楽だと思っているから それでいいがな。


 島太郎。

 お前は、そのどちらを選ぶか自由だ。

 だが、お前には なぜだか不思議な力を感じる。

 きっと将来、凸凹水産を引っ張っていける人材になる気がするんだ。


 いつも仕事に一生懸命に全力で取り組んで欲しい。

 人が見ていないところではなおさらだ。

 人が見ていないところで しっかりと。これが本当の仕事だ」



 鮃太が切々と話す様子を、社長もうなずきながら聞いています。



「じゃあ、まずラジオ体操からだ。


 えっ?

 ラジオ体操を知らない?

 じゃあ、俺のすることを真似するんだ」



 島太郎の初仕事は、ラジオ体操からでした。




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