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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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私はやる事が違うんです。

「ん? 電話だ」


 僕は案の定。艦艇の原案を設計しているが、一本の電話が珍しく入ってきた。日時は現在。八月の下旬に入ろうとしている中旬。

 既にお盆休みは終了し、蜂の鳴き声も少しずつではあるがツクツクボウシ等、夏の終りが近い事を知らせている。結局、蜂の件以降、僕は艦艇を扱いつつ害虫や危険な生き物と奮戦してきた。


 あるときはどこからともなく現れたイナゴ。そしてある時はG。はたまたあるときは熊と。

 熊に至ってはお盆休みより少し前に行われた林間学校にてその幕は切って落とされた。流石に熊相手に駆逐艦じゃあ不安なので、重巡にて威嚇をし寄ってくるのであれば射撃を行い相手の注意を逸らしつつ駆逐艦による雷撃で仕留めた。

 その林間学校周辺の村を騒がせていた通称「人食い熊」を駆逐艦:笠雲かさくもが仕留めたのだが、その話はまた今度、語るとしよう。


「もしもし」

「ねぇ悠馬君。今暇?」

「どちら様ですか。もう依頼は御免ですが」

「そんなぁ、依頼じゃあないよ。依頼かも知れないけど」

「ご退場願います」

「ちょっと待ってよー!」


 この声は久留米さんか。久々だな。電話をかけてくるなんて。もっとも、電話をかけてくるのは大抵、男子か、風間、先生方と今の所、そう言う相場が決まっていた。

 で、ご用件は。


「もう八月と言うより夏休み終わっちゃうでしょ? 遊びに行かない?」


 ……久留米さんてっ、こんな風に誘ってくるキャラだっただろうか?確かに少し活発そうな気もしていたし初陣だって久留米さんに誘われて勃発した事だが。

 まぁ、そんな細けぇ事はいいんだ。今、僕が気になるのは一緒に遊びに行く面子が久留米さん「のみ」なのかそれとも「他に居る」のか。ただその一点が気になる。


「遊びに行くとしても、面子は? 他に誰か居るのか?」

「勿論居るわ。数人は軽くね。あれ? もしかしてコミュ障だったけ?」

「What!?」


 Qあなたはコミュ障ですか? Aそれは皆さんの想像にお任せします。

 それ以外はノーコメントで。


「その反応はやっぱりコミュしょ……」

「あなたとは違うんです」


 思わず福田総理の失言……ゲフンゲフン。今では名言となった台詞を吐いてしまった。失敬、失敬。

 だって耳に残るんだもの。あの台詞。私は自分の事を客観的に見る事が……やめよう。これ以上言うと、おや、誰か来たようだ。


「ゴホン。で、用件は何だったけ」

「そうそう。ねぇ、暇だったら来週の水曜日、遊園地に行かない?」

「遊園地? 何でまた。しかも、普通じゃあ学校の外には出られないぞ」


 掃海艇や掃海母艦を「無断」で校外へと出撃させたお前が言うか?と反論が出そうだが。ゴホン。

 私はあなたとはやる事が違うんです。とも答えておこう。決して、福田総理を弄っているのではないんだぞ。これは尊敬して応用させてもらっているだけだ。


 いいか?応用だからな?

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