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奇想の艦隊  作者: 置草茅
92/122

犬野郎は・・・・・・。

 戦闘は一瞬であった。駆逐艦:彩雲さいくもの放つ15mm連装高角砲が野良犬の近くに着弾し、野良犬は一回怯えたのか吠えてその場を後にした。

 

 再び現れるのではないだろうか。僕はそう感じ付近に駆逐艦彩雲の姉妹艦である積雲せつくもをグラウンドの脇に停泊させる事にした。

 積雲はいつでも戦闘に参加できるように機関をそのまま動かしておきその場から離れぬよう、錨のみを下げて停泊した。煙突からは黒い煙が立ち上っている。


 数日後。その日はやって来た。

 その犬は積雲が停泊するフェンスをなんと飛び越えて、口から破壊光線らしき物を吐き出した。破壊光線である。どうやら犬すらも能力を持つようになったらしい。


「錨を切断しろ! 最大戦速、取り舵一杯! その後両舷第二戦速。三番砲塔は片弾を装填。威嚇に使え」


 号令の下、積雲は錨を切断し最大戦速である最大速度64kmを出す前に被弾する。二番煙突のすぐ後ろにその破壊光線は命中し近くにあった物は全て吹き飛んだ。

 機銃座は高く飛びあがり三メートルから五メートルは余裕に飛翔した後、垂直に落下。


 着地時に小規模な爆発を起こし、その場は小さなクレーターが形成された。そのクレーターがいくつか出来上がり、運の悪い事に積雲の前方6m程先にその直径は恐らく30cmはあり深さは15cm近くあるクレーターに積雲は迷う事なく突っ込む。

 丸い円形状のクレーターは、艦の行く手を阻む。


「全速後退! 距離を保ちつつ面舵一杯! 急げ!」


 だが僕の号令を裏切るような展開が起きる。何と先の攻撃にて艦の命とも言える機関室が故障を起こし後進が出来ないと言うのだ。なんてっこったい。

 積雲は最大戦速のままその艦にとっては大きめなクレーターに突っ込んだ。


 艦首は見事に乗り上げて機関の故障によりその場を脱出するほどの速度が出せずに居た。そこへ先の犬野郎が再び破壊光線を放ち艦尾に命中。

 別次元の海で航行をしているらしいのだがなんとスクリューは全て衝撃で使用不能となった。三発目の破壊光線は遂に艦橋に被弾。


 艦橋は吹き飛び艦橋があった場所は更地になった。無駄な抵抗が生き残った機銃と主砲で行われているが三番砲塔は未だに発砲しない。

 照準を定めているのだろうがだが四発目にてその三番砲塔が被弾。大爆発を起こす。だが、第三砲塔は最後に一発だけ片弾を放った。


 一方、犬野郎もこの片弾の破片をもろに受けたがどうやら損傷したのは右側の後ろ足のみみたいだ。そしてその足からは血は流れていない。

 簡単に表現するならばその足だけがぽっきりと折れていると言う表現が正しいだろうか。明らかにその生き物は誰かによって作られた一種のロボットのようにも見えた。


 ロボットと分かったのはその後、同周辺を哨戒活動中の波318潜が収容したある物が証拠として僕の場へ届けられたからだ。

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