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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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蜂の巣駆除開始。

「さて、始めるかのぉ。」


 爺さんはそう呟くと一等大型高速武装輸送艦の後部甲板に搭載されている1基のクレーンがその広々とした後部甲板を縦断しつつ必要な機材を地面に降ろしている。

 掃除機を改造したかのような外観を持つこの機材はその見た目からして中身が空であっても恐らく重いのだろう。


 年寄りからしてみればこの二隻はとても頼りになる事が分かった。重たい機材を軽々と移動式クレーンで地面に下ろし更に各所に広々としたスペースが完備されているので他に様々な物を載せれそうだ。

 主砲があった部分には草取りの際には草削りや大型スコップ。てみ等を載せる事が出来る。


 また艦橋の端や煙突周辺にも充分なスペースがあり同じく草取りの際には掘った穴を整備するために用いる装備を搭載する事も可能だ。後部甲板にはその取った草や一輪車などを搭載できる。

 また後部甲板は一等高速輸送艦と同様。艦尾がスロープ状になっていてそこから地面に降ろす事が出来るがさすがにこの作業は人力に頼るしかない。


 蜂の巣を駆除する事事態は数十分で終了し蜂の巣は綺麗に丸々切られてその危険な巣は一旦巨大なビニール袋に入れられ、きつく絞められた後、美姫びひめの姉妹艦。縁姫えんひめの後部甲板へゴミを捨てるような感覚で乗せられていた。

 本人曰く。


「蜂の巣におるハチノコは食用にしとる所があるからのぉ」


 とかなんとか言ってそのまま縁姫に載せたまま放置した。そのビニール袋の中身には今だに外への脱出を試みる蜂がうようよ。後に調べてみるとこいつはどうもキイロスズメバチのようだった。

 一方、蜂の巣を駆除した場所には警戒しきったキイロスズメバチの群れが未だにうようよと飛び交っていた。想定数。約数二十匹。


 とりあえずこのままでは危ないと言う事を直感で感じた僕は詠月及び亥月にて駆除出動と言う名の下、二隻による仕上げを行った

 最初に砲火を放ったのは先頭に立つ亥月。13mm連装高角砲を上下左右に振り回し近寄る蜂を一匹ずつ丁寧に始末していく。


 主砲弾が命中した蜂は体に穴が開きそこから蜂の血が流れ出した。爆風に巻き込まれても安定性を失い壁に激突する蜂も少なくはない。壁に激突し地面へ落ちてなおまだ飛べるもしくは息がある蜂は対空用の機銃を使って駆除をする。

 詠月は射程に入った蜂を電探による指示の下13mm連装高角砲で応戦。打ちもらした蜂は対空用の機銃及び単装高角砲にて撃退する。


 一方的な蜂の殺戮も数十分が立ては自然と止み遂に最後の一匹となった蜂はその場を立ち去ろうとしたが逃がさんと言わんばかりに詠月の13mm連装高角砲の三番砲塔が火を吹く。

 そして数十メートル先で炸裂。容赦のない事に詠月が放ったのは新型爆弾である「片弾かただん」と呼称している装備品で、炸裂すれば中にある大きめのガラスの破片が飛び散る仕組みになっている爆弾を仕様した。


 炸裂した片弾は炸裂後、爆風とその風で飛び散ったガラスの破片により、最後の蜂は無残な状態で息を引き取った。片弾の最初の戦果でもあった。

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