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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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13mm連装高角砲が火を吹く。

 三隻は部屋が開けられると同時に速度を上げて侵入した。蜂が侵入したと言われる三部屋のうち、二部屋は既に窓が開けられその場から立ち去っていた。

 しかし久留米さんの部屋に突入した詠月えいげつは部屋に入った瞬間。蜂からの熱い感激を受ける事になる。このオオスズメバチは詠月の煙突にその毒針をお見舞いしたが、勿論。鉄で出来ている物体の前には到底無力だった。


 詠月から離れた蜂は開きっぱなしだったドアからの脱出を試みるが、詠月は既にドア側にその自慢の13mm連装高角砲を1基、蜂が通過するポイントに向かっての予測射撃を行った。

 ドォォォン。

 小さな爆発音が久留米さんの部屋に響く。蜂は目の前に広がる黒い煙に驚いてその場を一回転。


 窓ガラスの方角へ勢いよく向かったが、閉められているため、窓ガラスに激突する。気絶して落下していく蜂に対し少しやりすぎだと思うが詠月は駆除出動と言う名目で出撃しているため、粛々とその艦首側に備えられている13mm連装高角砲2基4門が火を吹いた。

 悠馬の部屋のように窓ガラスを割らないように配慮し着弾点は空中とした。


 空中に四つの黒い煙が広がった後、蜂は死体となって落下しその場に落ちて行った。

 一部始終を見ていた女子達は、詠月の威力を見て唖然としていた。詠月は次の敵襲に備えて13mm連装高角砲を右や左に振り回していた。


「あ、あんな豆鉄砲なんかに……殺傷能力があったの」

「俄かには信じがたいけど。そうみたい。現に私達の目の前に落ちている蜂の死体がそれを証明しているわ。見た目は玩具でも中身は本物ね」


 僕の後ろでその様子を見ていた別のクラスの女子。名前は確か生井いくい四宮しのみやだったか。彼女達も無論。能力者だ。何の力かまでは知らないが。

 すると今度は右側の隣の部屋。萩月はぎづきが哨戒している部屋で戦闘が起こった。しかしこの戦闘は久留米さんの部屋で死んだ仲間の救援のために駆けつけた数匹の蜂による空襲だった。


 久留米さんの隣の部屋主は同じクラスメイトの平松ひらまつ天理てんり。外観はまさしく金髪美人で外国とのハーフらしい。外観に関してはクラスの中で一番、異彩を放っているであろう。

 日本育ちのため日本語は万能である。


 発砲音と爆発音。数匹の蜂の音が聞こえてきた。僕はその戦場と化した天理さんの部屋へ突撃。ドアを開けると一匹のオオスズメバチが僕の目の前。もう数十センチもない。

 そのぐらい近くまで突っ込んで来た。突っ込んでくるさなか、その恐ろしい毒針を僕に向けて来た。僕は反射的に右腕で顔を隠す仕草を取った。顔は守らねば。


 バァァァン!


 目の前で黒い煙が二つ発生。自然に発生した煙ではない。それは背後より僕の後を速度を上げて援軍に来た亥月がいげつの放った13mm連装機銃1基2門が正確に命中したその瞬間だった。

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