表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇想の艦隊  作者: 置草茅
86/122

抜錨、寅月型防空駆逐艦。

 とっ言う訳で、今僕は女子寮の近くに居る。この間に引き続き再び気まずい場所へ……。うぅ……一人で入るのは、ちょっと気まずいと言うレベルじゃあないよな。

 風間を呼んでも軽くスルーしそうな依頼だしな。仕方ない。腹をくくって入ってみるか。玄関と言うより下駄箱までなら入っても問題ないだろう。


 誰かに問いかけられれ、依頼された内容を話せば入れてくれるかも知れない。大丈夫。しっかりとした依頼内容だから勘違いされないだろう。

 さてと。入ってみるか。


「失礼しま……おや?」


 玄関には数人の女子生徒が不安げな表情を浮かべている。うちのクラスメイトが多いように見受けられるが中には違うクラスの女子も居た。

 そんなに蜂が侵入しているのか?誰だよ。蜂を怒らせた奴は。

 するとクラスメイトである佐々木杵築が僕に気がついたようで、近くまで来てくれた。良かった。知っている人が居て。


「悠馬君かな。あの、は、蜂が……」

「状況は久留米さんから聞いています。一体誰が蜂の巣を刺激したんですか?」

「分かりません。でも蜂が数匹。部屋に一匹ずつ侵入したの! 多分、オオスズメバチだと思う」


 やはり、ホーネットか。しかしながらそんな一斉に数匹が侵入する事てっあるのか。とっ言うか皆一人一人力を持つのならば態々、僕に頼まなくてもいいんじゃあないかな。

 それに何度も言うけど、駆除はプロの人に任せて。


「あっ、悠馬君! 来てくれたんだね! ちょっと来てくれない」


 えっ、あっちょ、久留米さん!?あの、急に引っ張られても困るんですけど!ちょっと、待ってくれ。まさか、蜂が飛び回っている部屋にぶち込む気か!?正気か!?


「此処がその問題の部屋なんだけど、多分、どれかは窓が開けっ放しだから外へ帰っていると思うけど……少なくとも私の部屋は窓を閉め切っちゃったから、多分蜂は居ると思う」

「何で締め切ったんだよ。普通、開けたままにして自分は安全な場所に逃げるだろ」

「だって逃がすときに更に蜂が入ってきたら怖いじゃあない!」


 はぁ……、でも、僕単体では蜂に勝てる気がしないしな。坂本君じゃああるまいし。

 蜂てっ飛び回るんだよな。てっ事は此処は防空駆逐艦の出番じゃあないかな。こんな事で呼び出すな!と向こうも言ってきそうだけど。


 じゃ、とりあえず寅月型駆逐艦の姉妹艦を出撃させるか。スマホを取り出して色々タッチしてと。

 ほい、召喚。


 その僕と久留米さんの周辺は青白く光り始めた。毎度思うけど、この光り。魔方陣のようにも見えなくはないんだよな。

 今回、蜂の駆除に動員された寅月型駆逐艦は萩月はぎづき詠月えいげつ亥月がいげつの三隻。秋月型に似たその外観。大きさもさながら軽巡並みを誇る駆逐艦。


「あれが彼の力?」「初めて見た」


 何か囁くように言われているような。でもまぁ、確かに人前で艦艇を召喚したのは風間以来だったかな。では、いっちょっ、蜂退治に行きますか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ