一対一での先輩との対話。
「姉ちゃん、だと……それは本当に?」
「本当です。私は小川さんにお願いされて今この場に居ます」
僕には一つ年が離れた姉が居る。名前は小川京。同じこの能力者育成を目的に国が開発した巨大な学園に通よっている。校内では時々擦れ違ったり顔を合わせる事はあるがあまり会話はしていない。とっ言うのも姉とは多少、対立をしているかも知れないからだ。
大沢さんには「今日は予定が変わったから明日またこの時間で合流しよう」と連絡しておいたので時間を気にする事はない。だが、追尾者の差出人が姉ちゃんとは。
「あの、先輩は姉ちゃんの友達ですか?それとも知り合いですか?」
今僕らは喫茶店の近くにある休憩スペースに腰を掛けて対話をしている。対話と言うより僕からしたら軽い情報収集だろう。この喫茶店も勿論、この学校が所有しているし男女共に人気の高い店である。店の名前は確か看板に「キッサ店」だったような。
……もうちょっといい名前無かったのかなと。で、僕が座るこの場所は屋外スペースによくあるあの座るところで腰を掛けている訳だが。少し日差しが強いせいか暑いような。
まぁ、いい。それより話をしよう。
「私はそうね。貴方の姉さんの知り合いと言うよりクラスメイトと言った方が分かりやすいかしら。確かに京ちゃんとは仲がいい方だと思うけど、他の友達のように多くは接していないわね」
そう言いつつ彼女は注文したコーヒーを少量飲む。少しおいしそうだ。しかし、僕は彼女のある意味誘惑に近いこの府陰気に負けないぞ。何せptが足りない。目の前で優雅にコーヒーを注文しまったりと飲めるほどptが無いのは事実である。日用品ようのptは常に足りないのが現状。悲しいなぁ。
彼女の話によればどうやら姉ちゃんの友達と言うほど接しておらずましてや仲が悪い訳でもないのか、つまりクラスメイトで姉ちゃんの仲間だけど親友とか友人とかそう意味ではないごく普通の仲間と言う訳か、何だかややこしくなってきたぞ。
本当、僕、今更ながら喫茶店見たいな感じのお店で女性と話した事がないから軽く緊張する。いや、緊張しかしない。
そう言えば一応情報収集と言う事も兼ねて彼女と話しているけど……名前、聞いていなかったな。どうしよう。多分、向こうは僕の名前を姉ちゃんあたりから聞いて居るだろうし。こっちから聞いてもまぁ無礼には値しないよね。多分。
「そう言えば、すみませんがまだ僕。まだそちらの名前を窺っていないんですけど……名前、聞いてもいいですか」
そう聞くと彼女。一つ上の黒髪が背まで伸びている可憐な先輩はコーヒーをまた一口飲んだ後、数分立ってからゆっくりと口を開き教えてくれた。更にその次の台詞は、名前だけではなく自身の力も教えてくれた。




