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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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視線を感じた彼は。

 部屋を出て、下駄箱から自分の靴を取り出す。僕のお気に入りの靴は黒と青を基調とした運動靴だ。いつも通学時や帰宅時。体育や能力授業の時なんかはお世話になっています!

 靴に何故か挨拶を済ませた後、一目散に女子寮の近くにあるコンビニを目指す。走ると言うほどの時間帯じゃあないから少しゆっくり目でも大丈夫だろう。


 数分後。時刻13:32分。


 少し時間が立った頃。何か視線を感じる。新手のストーカーだろうか?それとも僕がただたんに察知していない波300型だろうか?いずれにしても視線を感じる。

 何度もコンビニへ向かう予定の通路を変えながら進むもまるでそれに合わせて向こうも移動をしている。先にも述べたと思うけど、僕以外に海軍の艦艇を召喚できる能力者は今の所いないのだ。

 そう考えると、別の誰かの潜水艦と言う訳ではなさそうだ。やはり、追尾者は「人」か。


 微かに僕の歩く速度に合わせて相手も動いているのが伝わってくる。僕はそこまで反射神経とかが敏感と言う訳じゃあないがこうも付き纏われると無意識に感じてしまう。

 確かこの地域には波304が潜伏中だったような気がするな。


 ……ふむ。此処でストーカー?に最新鋭駆逐艦を見られてましてや写真に収められ拡散されては正直まずい。少し向こうと遊んでやるか。

 僕は付近を潜航中の全潜水艦に指令を発しその中には能力大会で作戦を行動する予定の潜水艦も含まれていた。6万ptの中から建造されたその潜水艦は過去。類を見ないほどの優秀な装備。能力を持っていて、潜水艦で欠かせない静粛性もばっちりだ。


 僕は波304を旗艦にしてその最新鋭潜水艦に命令を伝達させた。さてと。鬼ごっこ?の時間は終りですよ。追尾者さん。


「何で行く道を次々と変えるのかしら」


 追尾者と小川から呼称された彼女は確かにストーカーのような者だった。だが、そのストーカーに更に別の、しかも別次元より追尾する物が居るなんて、今の彼女には考えられなかった。

 彼女の制服の胸ポケットには二年一組と言う文字があった。その文字は偶然。その場を哨戒任務中だった伊1204潜の潜望鏡用小型高性能防水カメラが捕らえていた。

 しかし、顔までは分からず、白黒の為、文字と彼女が女子生徒と言う事ぐらいしか分からなかったのである。だが、小川はこの情報をスマホで確認した時。相手は確実に自分自身を追っている事に確信を得た。


 小川は彼女に気づかれないように伊1204潜に本来の任務を放棄させ、新たな任務。相手の素顔を浮上し撮影すると言う無茶難題な指令を発した。

 伊1204潜はその無茶苦茶な任務に答えるよう。作戦の準備を急ぎ進路を追尾者である彼女の前方に固定し最大速度で別次元を突っ切る。

 勿論。彼女の知る余地はない。


 現在。時刻13:35分。

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