表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇想の艦隊  作者: 置草茅
70/122

第一駆逐隊。編成。最初の駆逐隊。

 大沢さんと電話で話した五日後。ようやく大沢さんの護衛を専門とした駆逐艦が完成した。二隻で編成されて部隊の名前は第一駆逐隊。既に二つほど駆逐隊が存在しているがこれは強行偵察が主任務で、駆逐隊と呼称しているがその実際は一個水雷戦隊に匹敵するほどの火力を有すると思っている。

 と、なると第一水雷艦隊、第二水雷艦隊と呼称しても普通はおかしくないよね。でもまぁ、うちのクラスには軍隊にましてや海軍。そしてその編成に詳しい奴なんていないだろうし、問題ないよな。


「さてと。大沢さんを呼ぶか。呼ぶとしてもどこに呼ぼう。一応最新鋭艦だし場所は慎重に選ばないとな」


 独り言のように呟いてからどこに呼びどこに召喚するかを模索する。呼び出す場所は女子寮の近くにあるコンビニの裏で決まり、艦艇を召喚する場所はよく伊1206型の補給作業地点として使われる事が多い監視カメラがない体育館倉庫の裏にする事に決定。

 駆逐艦なら二隻分は普通に召喚できる広さを持ちいつも、波300型が普通に浮上して巨大な伊1206型もすっぽりと入れる事から此処に決めた。と言う訳でさっそく電話で大沢さんに連絡する。


 プルルル……カチッ。


「あっ、大沢さん?今、大沢さんを専門的に護衛する駆逐艦が完成したから披露したいと思うけど、この後、暇な時間てっあるかな」

「小川君?えっと、いつでも大丈夫だよ」


 いつでもいけるとの了解を得たため、僕は腕時計のデジタル表示をチラッと確認する。時刻は現在、午後の13:24分だ。準備も兼ねて13:45分頃でいいだろう。

 男子寮から女子寮までそんなに距離はないし、準備もするならこのぐらいが丁度いいだろう。


「じゃあ13:45分頃、女子寮の近くにあるコンビニの裏で待ち合わせでいいかな」

「コンビニの裏より、その隣でいいと思います。裏は少し……怖いです」


 そっか。確かに裏は怖いよな。じゃあコンビニの隣でいいか。


「分かった。じゃあそのコンビニの隣で待ち合わせね」

「じゃあ私、ちょっと準備してから行きます。また、コンビニで会いましょう」

「うん。じゃ、またコンビニの隣で」


 それを最後に電話は切れた。よし。僕も少し急ぎ足で準備をするか。部屋は……少し設計図とか資料に使っていた帝国海軍の写真集や解説本等で荒れているけど。

 必要な物だけを持って行っけばいいよね。部屋の監視は付近を潜航偵察中の波306に任せればいいし。てっ、ある意味、波306てっ留守番役だよな。でも。まぁいっか。


 僕は必要な荷物だけを小さいバックに積めてドアに向かい、ドアを開けて専用の合鍵で鍵をかける。しっかりと戸締りは確認しないとね。

 時刻は13:28分か。まだ全然間に合うな。よしよし。


 僕は小さく、「行って来ます」と呟くようにドアに向かって言うと玄関へ駆け出した。まさか、この光景を女子が見ていて、しかもその女子が僕に取ってはとても身近な人だったなんて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ