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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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久留米さんの力は。

 須磨は3度目の爆発で艦橋が吹っ飛んだ。いや。爆発しすぎだろ。

 えぇい残った2隻で何とかするしかねぇ!


「風間!2隻の援護を頼む!吉野は久留米さんの右舷へ、高砂は左舷へ!2隻で両舷を確保!確保しだい砲撃を開始!須磨は消火作業急げッ!」

「分かった!ふねに当てないように頑張るよ!さぁ行ってこい!あり!」


 風間は左右に展開する吉野、高砂がいない射線を確保し文字を書く。今回は蟻。

 書き順通りに2隻の間を文字が突っ切る。しかし久留米さんはこれもひらりひらりと交わす。が、吉野、高砂までには対処が回らずついに2隻の速度が25kmになった所で両側についた。


「今だ!撃ち方始め!撃て!」


 号令の下、僚艦の主砲が火を吹く。主砲は旋回済みであったが号令と同時に射撃をしたため精度は悪く久留米さんには1発も当たらない。唯一。至近弾として2発が足元で着弾したが特に影響はない。

 高砂の5番砲塔が放った1発が吉野のマストへ命中。辛うじて炎上は避けられた。他は壁へ命中した。

 次の砲撃は精密射撃へ移る。主砲の砲身が狙いを定める。そんな時。久留米さんは吉野の方へ右手を伸ばした。


 何やってるんだろうと思ったらいきなり吉野の船底から巨大な水柱が立つ。潜水艦の雷撃か!?

 再び吉野に水柱が3本立つ。この時12度ほど左舷側へ傾斜。3番砲塔が上へ向けて火を吹いた。もしかして久留米さんの力は威力の強い水柱を出す力なのか?いつしかそう、考えるようになった。

 だとすると動きの鈍いふねは必然的に不利になる。


「高砂。主砲精密射撃。1撃で決めろ。風間!当てなくてもいい。久留米さんの注意をそらしてくれ!」

「分かった。「一」で援護するよ!ほらっ行った行った!弾幕を展開するよ!」


 スロープを一と言う文字が飛び交うと言う中々シュールな光景。吉野はいまだに火は出ていないが須磨はいまだに燃えている。あれ消火出来ねぇんじゃあねぇかな。久留米さんは無作為に放たれる一に対し避けるので精一杯なようだ。今なら命中するかも。


「高砂!撃ち方始め!」


 ドォォォォン!

 轟音がスロープ全体に鳴り響く。連装砲5基10門の砲声だ。10発のうち久留米さんへ着弾したと思しき弾頭は3発か4発。うむ。微妙だな。と思ったら久留米さんは自分の目の前で巨大な水柱を1つ展開。3発か4発はそれに阻まれた形になる。

 成程、そう言う使い方もあるか。ようやく傾斜が戻った吉野。だがまだ主砲が故障し撃てない様子。

仕方ない。高砂1隻で何とか耐えるしかないか……とでも思ったか?


「1,2,3,4番、魚雷発射管開け。目標回避行動中の能力者。座標固定。魚雷4本!撃ち方始め!てッ!」


 小さく呟くように言うと後方から何かが開く音がした。風間は気がついていない。今、風間の横スレスレを魚雷が通り過ぎた。もう少しで着弾だな。

 弾着・・・今ッ!


 ボォォォォォン!

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