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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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資・・・・・・資料? これが?

 後日。この日は登校日ではないが男子委員長、及川、刀義によって全男子、女子が一斉に此処、校舎本棟5階にある中会議室二に13時25分。全員遅刻もなく集合した。

 二と言うのはこの中会議室の番号みたいな物で他に一と三があった気がする。看板にもしっかりと「中会議室二」と書かれている。

 まず、及川が話始めて刀義が重要な情報をホワイトボードに黒いマジックペンで書き記していく。


「今日集まってもらったのは他でもない。昨日の晩。皆に当てて一斉に通知が来た事は承知の上だと思うが生徒会よりついに、近頃噂として囁かれてきた能力大会の生徒会主催による正式なルール発表が行われた。今回。担任の安田先生より入手したルールが書かれた資料だ。全員分あるので各自で参照してくれ。既に俺と刀義は確認済みだ。」


 そう言うと及川はカバンから丁寧に保管された一枚ずつの束を手に取り男子は17人分、女子は18人分に分けて男子には男子の机に、女子には女子の机にスライドさせるように渡した。また手に取る際、刀義さんから「一人一枚でお願い」と言われたので僕らはその通り、薄い一枚の紙を手に取った。

 手に取って気づいた事だが、中身がこの紙と同様。薄いのだ。中身が薄いのだ。僕は及川に対し質問をしようとしたが、僕がしようとした質問は清水きよみずみなみさんがしてくれた。


 清水さんはゆっくりと少し弱気に手を挙げて呟くようにまたは少し困惑気味に言った。


「えっと……あの、資料てっ、言われても……これ、だけ、ですか……?」


 及川が言おうとしたが刀義さんが言い切った。


「それだけよ。生徒会から渡された資料もそれだけ。つまり今の私達には本当にそれだけの詳細な資料がそれしかないのよ」


 本当にこれだけなのか。ルールと言ってもまるで言い方を悪くして言えば適当に。もう少し言葉を選んで言っても簡単にしか書かれていない。

 

タイトルは秋季能力大会概要。

 秋季能力大会は現在。9月中旬に生徒会、学校と連携を取って計画中です。使用する場所は学校全体。カフェや体育館、グラウンド、野球場、カラオケボックス、図書館等も使用可能とします。

 基本ルールはクラスの全員と協力し別の各クラス、各学年と戦い、最終的に生き残った人数が多かったその学年のクラスが優勝と言う形になります。


 ……以上である。A4サイズの白紙でありながらこの薄さはどうよと感じざるを得ない。上には製作日と製作者。生徒会一同。それと校長先生と理事長の許可を得た事を物語る印鑑を生徒会一同と書かれた文の下に小さく押されていた。


 で、こんな少ない資料で今後、僕らはどうしたらいいんだろう。まさかとは思うがその今後を決める為の会議なのではないだろうか。……だろうな。

 周囲を見渡すと全員。資料を見る振りをしながら下を向いていた。こりゃ、少し長く続きそうだ。

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