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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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初陣。艦艇投入!

「さぁ行くぞ!」


 風間の一声でスロープ全体が一瞬、緑色・・・青色?よく分からないが何かに包まれた。そう何かに包まれた。考えるのではない。感じるんだ。

 すると目の前を漢字を「一」が猛スピードで通りすぎた。ウォッ!?危ねッ!?


「危ねぇだろ!?何しやがる!」

「急いで能力を展開しないと、もう模擬戦は始まってるんだぞ!」

「とっ、それもそうだったな!」


 警告のつもりだったのか。これ全校生徒生放送で配信されるんだろ?うわぁ……少し恥ずかしいな。なるほど、風間の力は画数が少ないとあんなに早く飛ばす事が出来るのか。

 となると画数が多いと速度が遅くなったりするのだろうか?てっそんな事を考えている場合じゃあないな。深呼吸をして、スマホを取り出し港にいる3隻のふねに抜錨と書かれたボタンをタッチする。


「吉野型重巡洋艦。吉野!高砂!須磨!抜錨!」


 前方、だいたい10mぐらい前方に船の形をした少し青白く眩しい光が3つ。線で結べば三角形が出来上がる位置に召喚される。光りが消えるまでまともに目が向けられないのが難点かな。

 外観は最上型にそっくりだが3番砲塔が後ろに背負式で配置されているのが違う点だ。最大速度46km。

 主砲が少し早めの速度で久留米さんに合わせる。久留米さんがふねに気を取られているうちに風間がまず仕掛ける。


「今だ!行け、「混凝土コンクリート」!」


 えッ!?コンクリートてっあんな字なの!?てかなんで知ってるの!?風間!?

 ん?ちょっと待ってくれ。土と言う字。書き順通りに久留米さんに突っ込むのは分かったけど……土と言う字だけ須磨に向かってない?ヤバくない?


「須磨!後進一杯!5m下がった後に左舷へ後進しつつ回頭!急げ!」


 須磨は後進を始める。後進だけはどうしても速度が落ちてしまうため現在須磨の速度は9km。

 そんな状態で円を描くように左舷へ回頭するのだから速度はさらに落ちる。回頭の際の速度は僅かに3km良くて5kmだろう。久留米さんはこの速度の遅さにすぐ気がついた。マズい。


 バァァァン!


 どっ、どうした!?

 僕は爆発したと思われる方角を見てみると土と言う字の3番目の横線が須磨の4番砲塔に命中!?ちょっ!?4番砲塔!?弾薬庫は大丈夫なんだろうな!?

 そう考えた瞬間。5番砲塔、3番砲塔の弾薬庫に引火。綺麗に吹っ飛んだ。汚ねぇ花火だぜ。風間が「あッ」とやっちまったてっ感じの声を漏らした後僕のほうに振り向き……。


「やっちゃったぜ」

「やっちゃったぜ。じゃあねぇよ!どうすんだよ!須磨、大炎上だよ!?後部甲板が全部燃え盛ってるよ!?」

「サーセン」

「サーセンで治るなら苦労しないよ!お前の力で須磨を消火できるんだろうな!?」


久留米さんは混凝土の書き順の攻撃を全て華麗に避けて一息ついているところ。風間は小さく僕に向かって言った。


「悠馬。人間。時には諦める事も・・・大切なんだぜ」


少し頭の中で何かが切れる音が聞こえた。屋上へ行こうぜ。久々にキレちまったよ。

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