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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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修理中の鈴鹿と警察官。

 戦いはまだ終わらなかった。戦闘は既に終わったと思われた21:19分。戦場からはるか離れた学校の裏口に2隻の艦影があった。この2隻は先の戦いで後部マストを破壊された重巡「鈴鹿」だ。

 鈴鹿は、後部マストの応急修理のため悠馬から派遣された伊1206型波型潜水艦補給母艦の姿があった。


 本艦は礼文型掃海母艦やその他工作艦と比べれば、工作能力は劣るものの、応急処置程度は可能で浮上後、水上艦用の移動式クレーン台やその他作業具一式が艦橋後部から運び出され鈴鹿の修理に当たっていた。悠馬はこの場で多少の修理をする事で修理費のpt数を少なくしようと言う目論みがあった。


 そのため、本艦は浮上し修理に当たっていた。鈴鹿は態々、監視カメラの目が光らない場所を探し出し、無線で近くにいる伊1206型に対し信号を発信。

 浮上したのは既に3隻の波300型の補給を済ませた伊1208潜で極秘の任務を悠馬から帯びていた。

 その任務は勿論、この鈴鹿に対する応急修理の任務である。


 潜水艦は基本、海中の中でその本領を発揮するが伊1206型のような修理、補給艦や潜水型物資揚陸艦等はどうしても、本来の任務を達成するには浮上して作業をしなければならない。

 そしてこの時が一番、潜水艦にとって危険な時間なのである。もし、誰かに発見されたら今、行っているこの作業を一旦中止し至急潜航を開始しないと最悪、撃沈される事もあるのだ。


 そして今、その最悪撃沈されやすい時に発見されてしまった。時刻は修理が始まってから6分後の21:25分の事であった。伊1206潜にも一応、虎鮫型の発展型の電探が装備されており、最初の敵影発見の報告はこの電探に影が一つ映ったからである。

 その影はその日。この辺り一帯を警備していた警察官一人であった。


 伊1206潜は影が映るのを確認したと同時に作業を緊急停止しクレーン台等も艦橋後部に詰め込み潜航の準備を始めた。一方、修理を受けていた鈴鹿は消火こそ出来たものの折れたマストはそのままで速度は多少、鈍っていた。

 とっ、言うものえろはすが放った攻撃は実は船体にもひびが入り艦内に多少の浸水が認められた。


 そんな時、警察官の放つ懐中電灯に鈴鹿が照らされた。照らされる中、伊1208潜は既に潜航。

 この危機を脱出した。しかし鈴鹿は完全に懐中電灯に照らされ、鈴鹿は戦闘態勢に入る。


 「そこに、居るのは誰だ!」


 その怒鳴るような声と共に鈴鹿を懐中電灯で照らした。照らした時。鈴鹿の主砲塔4基は光りに向かってその33mm連装砲ががっつりと狙いを定めていた。勿論。照らす警察官はそのような状況下にあるとは知る余地はなかった。

 が、先輩から以前、警察官二人と完全武装した軍艦数隻との戦闘を行った事があると言う事を鈴鹿を見たとき、思い出しそしてその話は事実である事を悟った。

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