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奇想の艦隊  作者: 置草茅
52/122

駆逐艦多楽対ロリ神。

 19:55分。駆逐艦:多楽たらく砲撃開始。

 多楽の砲身に閃光が走り、2発がロリ神目掛けて放たれる。

 2発はロリ神の右側5mに着弾。砲弾自体の大きさはBB弾クラスかそれより少し大きいぐらいだが威力は本物並みでロリ神は爆風でその場から5m吹き飛ばされる。

 しかしロリ神はこの爆風に吹き飛ばされるのを好機として見た。自身の身を安全な暗闇へ隠すために。


 19:58分。爆風で吹き飛ばされた後、探照灯に照らされるより早くその場を転がりながら脱出。

 多楽はその場にいない事に焦って探照灯を全体に照らす。装備していた探照灯全てを多楽の周囲に照らすが照らされた場所に彼の姿はない。

 彼は既に別の茂みに身を伏せてじっと息を潜めて攻撃のチャンスを窺った。


 20:00分。ロリ神はその場を勢いよく立つと地面を蹴って走りだした。その目的は探照灯よりも素早く、多楽の背後を掴むため。

 しかし彼から見える多楽は暗い空間に探照灯の丸く光る物体が見えるだけでたまに電灯の光りでキラリと艦橋が見えるぐらいだった。


 当然、夜間での戦闘のため多楽の艦橋は消灯。変わりに薄暗い常夜灯のみで艦橋の中を照らす。

 そのためロリ神から見てもほぼ姿が見えないのだ。いつもより目を凝らして見ないと多楽の船体さえ見失ってしまうほど、この日の夜。そしてこの場所は暗かった。


 ロリ神は多楽の後方付近に着いたら恐らく此処であろうと思われるポイントに指を差す。

 差したポイントは瞬く間に炎に包まれた。しかしこの初弾は多楽の右舷11mに着火。多楽に被害はなかった。多楽はどこから着火するか分からない炎に怯えながら探照灯を照らし続ける。

 しかし、ロリ神を照らしたとき。多楽の運命は決した。


 20:12分。ロリ神は安全な場所から多楽が照らす探照灯をピンポイントに指定。そして探照灯があった場所が自然発火し、多楽は燃え上がった。

 その炎は暗い夜を眩いほどに照らしロリ神の格好の標的となった。ロリ神は続けて燃える炎の少し後ろ側に指定。多楽の後部甲板が自然発火し装備されていた爆雷が着火。


 20:15分。多楽は後部甲板から大規模な爆発が3回発生。最初の1回は爆雷の着火。2回目は後部甲板炎上による第三砲塔の引火による弾薬庫爆発。3回目も同じく後部甲板炎上による第二砲塔の弾薬庫が吹き飛んだ。この3回目の爆発により第二砲塔は5m飛び跳ね多楽の左舷3m後方に第二砲塔が着地し、爆発した。

 中には装填中だった弾薬が含まれていた。


 20:18分。駆逐艦:多楽沈没。多楽はこの時間。艦尾からゆっくりとその燃え盛る炎と共に沈んでいった。燃える炎に照らされて艦首が垂直に伸びているのをこの時、ロリ神は目の当たりにする。

 ロリ神は反撃がこない事から多楽撃沈を確信した。

 この頃、ロリ神に迫る脅威に気がつかずガッツポーズを暢気にしていた。


 その脅威は後に判明する。暗い別次元から5本の黒光りする物体が高速でロリ神に向かっていた事に。

 彼はまだ、気がついていない。

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