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奇想の艦隊  作者: 置草茅
51/122

対ヤトガミ、ロリ神戦。

 えろはすが放った最後の一撃は鈴鹿のマストに直撃。鈴鹿のマストはぱっくりと折れて火災が発生する。幸い、第三砲塔に火は燃え移らず沈没は免れた。

 だが鈴鹿の炎は格好の標的になるため、鈴鹿は戦線離脱。一旦戦場から距離を置き消火作業に入る。


 無傷で健在な状態である和泉は反転。松島率いる本隊との合流を図る。

 一方、その頃、松島率いる本隊5隻も戦闘に入ろうとしていた。時間は和泉の戦闘が終わった5分後ぐらい。時刻で言うと19時03分頃の事である。


 まず砲火を開いたのは旗艦、松島で前部砲塔を波317の情報を頼りに、ヤトガミの潜む非常階段に向けて放たれたその4発は途中。威力を高めるため中から小型爆弾が散開。

 小型爆弾はヤトガミの足元に7発ほど転がり落ち着弾する。衝撃波を近くの茂みに潜むロリ神を襲う。

 ロリ神は煙にも巻き込まれ咳き込んでしまう。その咳き込む音を波317が探知。


 この情報は付近を警戒航行中であった駆逐艦:多楽たらくだ。

 多楽は砲身をロリ神がいると思われる場所に向けて旋回中。最大速度で向かった。

 一方、砲撃によって倒壊した非常階段にはヤトガミの姿がない。彼は力を使用しこの場を脱出して見せた。その力は足元に小型爆弾が7発転がったときまで遡る。


 彼は転がった爆弾を確認すると同時にどこからか黒い霧が発生。

 ヤトガミは黒い霧の中に足からスゥ・・・と幽霊のような感じで消えていく。完全に姿を消した後、その場に居た非常階段の踊り場が倒壊する。その倒壊した破片の中にも彼の姿はない。

 彼の姿を発見したのは数分後の事。橋立の電探に突如、5時の方角に乱れが発生する。


 その乱れの正体は彼が放つ黒い霧だった。彼は黒い霧の中に潜み速度を上げ可児を護衛する護衛艦隊へと向かった。松島は橋立の情報を下に手当たり次第の砲撃を開始。

 1発が彼の近くに着弾するも爆風のみの影響で済み直進。続けて厳島、橋立自身も砲撃を行うも思うような戦果が上がらない。

 それもそのはずだ。彼が操るこの黒い霧は砲弾の進路を狂わせる力も秘めているのだ。


 一種のジャミングにより本隊の攻撃が一向に当たらない。そして痺れを切らした本隊随伴の駆逐艦:大鮃おひょうが黒い霧に向かい突撃を開始した。

 0距離射撃ならば当たると信じて大鮃は彼の周囲を漂う黒い霧に向かい電探を頼りに進む。

 大鮃には他の駆逐艦とは違い3連装魚雷発射管が装備されている。

 必殺の雷撃ならば絶対に当たる。大鮃はただ、それを信じて霧に突入した。


 その頃、駆逐艦:多楽がロリ神に向かいその眩しい探照灯が照らされる。周囲は既に真っ暗で電探装備していない多楽は古典的な方法である探照灯を頼りにする精密射撃を行おうとしていた。

 眩しい光がロリ神を襲う。

 彼は一瞬、目を瞑ったが直ぐに手を額に翳して多楽を確認する。

 この時、彼に見えた多楽は暗い空間に僅かながら多楽の艦首が見えたぐらいであったが、それでも電灯の光りに照らされ一瞬、砲身がキラリと光った。


 その口径はしっかりとロリ神を捉えていた。

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