第六艦隊、抜錨。
願い?一体、どんな用件だろうか?ともかく、話を聞いてみないと分からない。その願いは彼女から話された。彼女は呟くように言った。
「私、実はこのようなメールがあって……見ていただけないでしょうか?」
「メール?」
内容は以下の通りだった。
~可児へ。我々「デス・ソルジャー」はまず手始めにptの低い貴様から潰す。日時は7月16日の19時33分。場所はゲームセンター駐車場にて待つ。我々は狙った獲物は必ず逃がさない。~
可児は彼女の名前らしく本名を後に聞くと坂入可児と名乗った。
そしてやはり僕の知らない通り、別のクラスの女子生徒でクラスは1年1組。
またこのデス・ソルジャーと名乗る部隊と言うか集団は彼女自身まったく身に覚えもなくまたptも充分にあると言う。ptを全て掻っ攫う方法は一つだけあってその方法は、本模擬戦と言う戦いを行い勝利すれば相手のptを全て掻っ攫う事が出来る。
そして負ければ自身のptを全て失う事になる。そのためか、この本模擬戦を行う者はあまりいない。
7月16日は今日。そして後3時間後16時の現在僕に出来る事と言えば新編成したこの第六艦隊の出番かも知れない。そして第六艦隊の力を試すチャンスかも知れない。
そう考えた僕は可児さんの要請を受諾した。
まず可児さんが予定通りの時間にゲームセンターの駐車場へ足を運び、そのデス・ソルジャーが現れ本模擬戦を行ったのを確認したらそのフィールドが展開しきる前に艦隊突入。
可児さんを守りつつそいつを倒す方針で決まる。艦隊は再び戦闘に備え再編成。10隻の艦隊に追加で錘鰤を投入。
錘鰤は艦隊の先導を務める先導艦として戦闘に参加する事になる。
また艦隊護衛潜水艦として伊1204潜が投入される。主な任務は攻撃を受ける味方艦の護衛と敵への隠密雷撃であり基本はこの隠密雷撃である。
時間が差し迫る中、僕は晩御飯を早めに済ませ第六艦隊に出撃を命令。
第六艦隊は寮の外で密かに召喚され周囲に誰もいない事を先導艦、錘鰤が確認すると前進を開始した。
同時刻。女子寮から可児さんが出る所を偵察中の潜水艦、波315が確認。
波315は直ちに作戦開始の報告を悠馬に知らせる。
第六艦隊が抜錨を始めたのは夕暮れが沈みつつある17時41分の事だった。
11隻の艦隊は暗くなりつつある周囲にあわせるように照明灯を消し単縦陣を形成し可児さんも確認出来る位置。近くもない、遠くもないような感覚で彼女の後ろから進撃する第六艦隊はいつでもその砲身を敵に向けて放てる体制にあった。
その姿は彼女に取っては頼もしく思え、次第に勇気を出し始めたのか、歩く速度も速くなった。
艦隊も彼女にあわせ艦隊速度を少し上げる。可児さんと第六艦隊11隻がゲームセンター前に着いたのは日も暮れた18時43分の事。この時、護衛の伊1204潜も艦隊と合流した。




