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奇想の艦隊  作者: 置草茅
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薄暗い階段で。

 ー放課後1階裏口側の階段にてー


 此処裏口側の階段はめったに使われない。目立たないと言うのも理由の一つにあるのだが教師ですら「あぁ……そう言えばそんな場所あったなぁ……」と言う程。

 勿論そんな状態なので僕ら1年生が知っているはずもない。僕は位置だけを辛うじて知っているだけだ。勿論、情報源は波300型の偵察情報からだ。


 古参の先生方なら普通に知っていると答えられるほどあまり知られていないこの場所に呼び出された理由は匿名なので相手の名前も知らず更に言うとメールの内容は「助けてください。」・・・だ。

 まるで意味が分からんぞ!と言いたくなるような状況で僕は一人。その裏口側の階段へ足を運んだ。


 念のため周囲には波300型の波305と波311が潜航。

 何かがあればその自衛用の艦首魚雷発射管4門が放たれる事になる。

 さてと。そろそろ、その裏口側の階段が見えてきたな。

 夏でまだ日も昇っていると言うのになんだ。この薄暗さは。よく見ればその辺一帯は電灯がないじゃあないか。監視カメラもないな。伊1206型の補給基地としては最適だが……。


 成程。どうりであまり人が近づかない訳だ。

 僕はその薄暗い階段へと続く廊下を歩く。此処まではまだ放課後の日差しが入るが階段の方は一層と薄暗い。出来れば近寄りたくない感じだ。

 しかし、名前も知らない相手からSOSが来て場所が此処に指定されてしまったのだから行かなければならない。いや、いくらなんでも府陰気がかなりヤバイんだが。

 何か出るんじゃあないか?


 恐る恐る僕はぴょっこと階段の様子を顔を出して窺う。

 ……居た。一番暗い場所で、空を見ているのか?踊り場で待っていた。

 女子生徒で、少なくとも僕が知らない生徒。つまりは別のクラスの女子か先輩と言う事になる。

 僕はカバンを持ちながらその一番暗い踊り場へ向かう。あぁ、本当に階段の一段を登ると段々暗くなっていくから怖い。自分の部屋へ帰りたいよぉ。でも用件を聞くまでは帰れないんだよな。本当に怖いな。


 僕は彼女の近くまで来て一声かける。彼女は僕が一声かけるまで気がつかなかった素振りを見せた。


「あなたですか?このメールで僕を呼んだのは?」


 少し上から目線かなと思ったが相手が分からない以上いた仕方がない。僕は続けて彼女に話しかける。暗くてよく分からないが三つ編み型の髪が特徴的だったような気がする。正直。僕は髪のヘアーとかよく分からない。髪の毛の色は恐らく茶。第一印象としては少しおとなしいと言ったところか?


「あの、一つ質問があるのですが……どうやって、僕の携帯番号が分かったんですか?」


 すると彼女はゆっくりと答えてくれた。多少、途切れた気がしたがそれでも内容は個人的にだが分かった気がする。


「携帯、番号は、生徒会の、人から聞きました。小川悠馬さん……ですよね?態々こんな所へ呼び出してすみません。あ、あの。一つお願い、してもいいですか?」

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