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奇想の艦隊  作者: 置草茅
39/122

2隻の沈没。

 薩摩の3,4番砲塔が火を吹く。ドォォォン、ドォォォンと連続で放たれた4発は確かに西田さんの進行方向へと着弾した。しかし、その予測発砲は少し甘かったと言えよう。何故なら。

1発も、彼女が被弾していないからである。薩摩は慌てて旋回を始めるが相手は人間。


 明らかに速度の速い西田さんが主砲の旋回が間に合わない左舷へしっかりと速度に合わせつつその青く頑丈な糸を後部マストの前に巻きつけそして船体を砕いた。

 薩摩は右舷に傾き始めると砕いたところから爆発が起きる。それも大爆発が。

 その光景は後ろから指揮をしていた僕からもはっきりと見えた。

 爆発の影響で発生した煙も3mは上がっていると思われ、その主な原因ははやり、弾薬庫であろう。


 弾薬庫がその爆発によって引火し誘爆。それなら筋は通るであろう。てっそんな事を言っている場合じゃあないような気がしてきた。可哀想に。

 あれじゃあ助からないな。今思い返せば戦艦としては初めての沈没艦になるのかも知れない。

 薩摩はその砕けた場所から船体が二つに折れて沈没した。


 薩摩沈没後、僕は駆逐艦太刀風に西田さんをとにかく追い掛け回すように指示。追われている間、近くに居る艦艇が予測射撃を行いこれを撃破する戦法をとっさにだが閃いた。

 駆逐艦太刀風は指示通りに最大速度で西田さんを追い掛け回しつつ主砲を発砲。進路を射撃しやすいように固定させるつもりらしい。

 その動きは近くを航行していた鹿久居にも読めたらしく予測したポイントに射撃を開始。


 鹿久居の放った砲撃はおしく西田さんの顔をスレスレで飛んでいき西田さんが居た右舷30mに着弾した。

 一方、西田さんは反撃に出で鹿久居の3番砲塔に糸を巻きつけ粉砕。更に船体全体に糸を巻きつけ次第に力を加え最終的には船体が粉々に砕け散り艦橋や煙突、主砲などが落下しながら沈没した。

 鹿久居沈没後、その沈没地点に無作為に砲撃を行う艦の姿があった。


 駆逐艦父島である。父島は沈没地点に居るだろうと判断し砲撃を行っていたがその時には既に蛻の殻。

 父島に西田が左舷から迫るが父島は一向に気がつかない。が、それに気がついた駆逐艦太刀風が発砲。

 太刀風が放った6発のうち、3発が命中。命中した場所に右足があり西田さんは命中した瞬間、思いっきり転ぶ事になる。

 そして転んだ西田さんに父島はようやく気がつく。


 父島、砲撃開始。西田さんは必死に這いながら避けるが速度が遅くとても避け切れそうにない。

 西田さんはそれを悟ったのか後方を航行していた戦艦浅間に糸を巻きつけた。浅間を道連れにして潔く退場しよう。彼女の脳裏にはそう浮かんだかも知れない。

 最後に彼女が父島の放った砲弾の雨に身を隠したとき、浅間に巻きついていた糸が作動。

 浅間は船体を二つに折り轟沈した。


 そして父島が放った砲弾により西田さんは模擬戦から退場し多くの沈没艦を出しながらも悠馬の勝利に終わった。そしてこの戦いで貴重な戦艦を2隻も失うと言う大失態を悠馬は犯す。

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