表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇想の艦隊  作者: 置草茅
31/122

現代版ヘンダーソン基地艦砲射撃。

 占拠された基地に航空戦艦3、軽巡1、駆逐艦2隻、合計6隻の打撃艦隊が基地を目視で確認出来るぐらいまで距離をつめたのは1:43の事。その時間、二人の警備員もとい警察官は基地の中で雨宿りをしていた。

 彼らの武器は護身用の拳銃のみである。


 そんな軽装備の彼らに今、大雨の中、主砲を旋回している八雲、吾妻、打吹の姿があった。

 前衛にその警察官を追っ払う役目を背負った2隻の駆逐艦。早潮と夏潮が最大速度50kmで基地の目の前を横断する。射撃の精度を更に高めるため、2隻は探照灯を基地の内部に向け放つ。

 その探照灯の光りで二人の警察官の視界を奪った。二人は敵襲と言う事をいち早く察知し一人が本部へ打電しようとする。


「急げ。艦隊が来た。俺達だけじゃあ勝ち目がなさすぎる。応援要請だ!」

「し、しかし……了解しました。私が本部へ連絡します!」


 更に基地全体に向かって先頭を行く軽巡川内から探照灯が放たれ、上空を飛ぶ秋風が敵の位置を母艦に知らせる。母艦もとい戦艦3隻はその指示に従い主砲の照準に入る。

 やがて照準が終了しまず砲火を開いたのは2番目を航行していた吾妻であった。


 1:45。


 ドォォォォン! ドォォォン! ドォォォォン!


 吾妻に続くように八雲、打吹、川内と次々に砲火を開く。

 4隻は容赦なくその持てる力を最大限に発揮した。主砲の弾種はクラスター爆弾みたいな物で大きな爆弾の中に沢山の小型爆弾が入っている。

 これが上空で炸裂し小型爆弾が空からばら撒かれるように着弾していくようになっている。

 またこのような武器の開発にはptは制限なないのも悠馬の力の特徴と言えよう。

 悠馬はこの砲弾を「散弾さんだん」と呼び、八雲、吾妻、打吹の3隻にそれぞれ800発ほど攻撃のために持っていかせた。


 今、その800発は惜しみなく発砲されていく。

 警察官2名は崩れ行く瓦礫を避けながら一人は脱出。もう一人は避けながら本部に打電を試みる。

 しかし本部に繋がらない。繋がらない理由は飛び交う電波を全て傍受している波313が近くに潜航しているためで、彼が放った電波は全て此処に集まる。

 この攻撃は警察本部に知られる事なく続けられ戦艦の砲弾数も残り300発程度となっていた。


 発砲による轟音は近くにある理事長邸宅に響くのは勿論の事、遠く離れている男女それぞれの寮にも雷のような音で響き渡った。生徒達は大雨が降っていたと言う事もあってかただの雷だと判断した。

 一方、理事長邸宅にはうるさいほど響き発砲による光りも閃光弾のように眩しく照らす。


 だだ一人脱出に成功した警察官。彼をAとし中で本部の応援を待つ彼をBと呼称しよう。

 Aは増援の見込みはないと判断。一人でその護身用の銃を構え先行していた駆逐艦2隻と接敵する。

 早潮と夏潮である。2隻は既に主砲弾、魚雷を全て装填し今、夜戦の準備を整えたばかりであった。


 ここに警察官一人対駆逐艦2隻による小規模な戦闘が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ